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    2023.04.27 PX(患者体験)
    PX(ペーシェントエクスペリエンス 患者体験)への課題と期待

    一昨年くらいから、医療関係者からの問い合わせが増えてきました。

    内容としては、患者体験の見える化や、それに伴い患者視点での医療領域の改善が主なテーマです。

    CX(カスタマーエクスペリエンス)と同様に、PX(ペイシェントエクスペリエンス)も重要視されるようになっていますが、同じような考え方で進められる部分と全く違う視点を持たなければならない点も多くあります。

    日本の医療は、これまで痛みを取る、病気を治すことが主眼でした。

    しかし、実際には患者ごとにどのような治療がその後の生活復帰に望ましい結果をもたらすかはあまり考慮されていませんでした。

    私自身も、昨年膝軟骨の手術を受ける際に、患者体験を実践してみようと思い、4つの病院を訪れました。その中には、この術式で有名な某大学病院も含まれていました。特にこの病院では、先生や看護師から実績を増やしたいという思いが強く伝わり、患者の復帰計画よりも病院の利益が優先されていると感じました。不快な体験をしました。

    このような体験から、個人的にも日本の医療を患者視点に立ったものに改善すべきだと強く感じています。

    PX(患者体験)は、医療サービスの質を向上させ、患者の満足度を高めるために、欧米などでは20年くらい前から取り組まれており、国内では5年ほど前にPX研究会(https://www.pxj.or.jp/)が設立されたり徐々に本格的な動きになって来ています。

    PXの必要性について

    まず、PXの必要性についてですが、国内医療は、高齢化が進む中で医療ニーズの多様化や慢性疾患の増加が課題となっています。このような背景のもと、患者が良質な医療サービスを受けられるよう、医療機関や医療従事者が患者の立場に立ち、その体験に着目することが求められています。

    PXを可視化することで、患者の治療への満足度やアドヒアランス(治療への忠実度)が向上し、治療効果やQOL(生活の質)も向上すると考えられます。

    さらに、現在は医療従事者の離職率の高さも問題になっています。PXの普及は医療現場におけるコミュニケーションの改善や、医療従事者間の連携強化にも繋がります。これにより、組織内の関係の質が変わり、組織の活性やモチベーションの向上にも寄与します。

    そして、医療サービスの質が向上し、患者にとってより安心できる環境が整い、医療機関の評価も向上するでしょう。

    課題としては

    一方、課題としては、以下の点が挙げられます。

    1. 文化の変革: 医療現場において、伝統的な上下関係や専門性を重視する文化が根強く、患者の意見やニーズに耳を傾けることが難しい状況があるため、文化の変革が必要です。この課題を克服するためには、院長や理事長を始め、医者たちがPXの必要性に気づくことが重要です。
    2. 人材育成: PXを重視する医療従事者を育成するためには、教育カリキュラムの見直しや継続的な研修が求められます。私たちは単にPXを見える化するだけではなく、職員研修のような形で文化定着を行っており、丁寧な対応が必要です。
    3. 評価指標の開発: PXを測るための客観的な評価指標がまだ十分に確立されていないため、その開発が必要です。CXと違い、PXではNPSのような簡単な指標で評価が難しいため、慎重に設問を考える必要があります。

    情報共有の促進: 医療従事者間で患者のニーズや体験を共有し、連携を強化するための情報共有システムが整備される必要があります。

    リレーション調査及びトランザクション調査ともに設問設計と定着のための研修などを、しっかりと行うことが重要になります。

    PXへの期待

    PXへの取り組みは、患者の満足度や治療成果を向上させ、全体的な医療の質を高めるために重要です。また、これにより医療施設間の競争力も高まり、より良いサービスが提供されることが期待されます。しかし、その実現には前述の課題を克服することが不可欠です。

    具体的な取り組みとしては、医療従事者の研修や教育プログラムの充実、患者の意見を取り入れたサービス改善、待ち時間短縮や予約システムの最適化、データを活用した品質評価や改善策の導入などが挙げられます。

    PXの向上が普及することにより、国内医療の質を一層高めることができるでしょう。これからも、PXの重要性を広め、医療現場の改善を促す取り組みを続けていくことが求められます。それによって、患者のニーズに応え、医療現場の改善を実現し、最終的には患者の生活の質を向上させることができるでしょう。

     

    SHAR

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