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    2026.05.13 組織文化
    『3人のレンガ職人』に5人目・6人目がいるとしたら — 令和の組織で目的意識を育てる現実解」

    5,6人目のレンガ職人

    以前、私たちはイソップ寓話「3人のレンガ職人」に学ぶ、モチベーション高く働く従業員を育てるヒントというコラムでビジョンと目的意識の話をしました。その後、続編として『3人のレンガ職人』に4人目がいたとしたらも書きましたが、最近のお客様との会話を通じて感じるのは、令和の組織には「5人目」「6人目」のレンガ職人もいるのではないか、ということです。今回はその仮説をめぐる小さな思考実験です。

    「3番目で十分」と思っていた頃の話

    3番目のレンガ職人 — 「歴史に残る大聖堂を造っている」と胸を張った彼は、これまで多くの研修教材で「理想の従業員」として描かれてきました。確かに、自分の仕事を社会的意義と結びつけられる人は強い。けれど現場のリーダー層の方々と話していると、こんな声をよく聞きます。

    「3番目のような社員を増やそうとビジョンを語っても、しらけた目で見られる」 「『大聖堂』という綺麗な言葉に、現場が冷めている」 「ビジョン共有会のあと、むしろエンゲージメントスコアが下がった」

    これは、ビジョンが間違っているのでも、社員が冷たいのでもありません。3番目のレンガ職人モデルは、20世紀型のビジネスにフィットして作られた寓話で、令和の組織にそのまま当てはめると無理が出るのです。だからこそ、4人目・5人目・6人目を考えてみる価値があります。

    4人目のレンガ職人 — 「みんなの大聖堂」を造る人

    すでに前回の続編で触れた4人目のレンガ職人は、自分一人で大聖堂を造ろうとせず、隣で積んでいる仲間の手も借りようとする人でした。同じ目的を持つ仲間と協働することで、孤独な使命感から共有された熱量へと変わっていく。これは個人のモチベーションから、チームのエンゲージメントへの一歩目です。

    5人目のレンガ職人 — 「大聖堂の使い手」を想像する人

    5人目を想像してみましょう。彼は積みながらこう言います。「この大聖堂で、いつか結婚式を挙げる若い二人がいるんだ。雨の日に駆け込んでくる旅人もいる。だから雨が漏れないように、ここの目地は丁寧にやろう」

    このレンガ職人の頭の中には、まだ会ったことのない「使い手」がいます。これがCX(顧客体験)視点です。自社のサービスを「いつか・誰かが・どんな気持ちで」使うかを具体的に想像できる従業員は、ビジョンが抽象的なお題目ではなく、目の前の判断基準として機能します。

    弊社の「らしさ分析」をしていると、本当に強い組織には、5人目のような社員が必ずいます。彼らは派手ではないけれど、お客様の顔を口癖のように話題に出します。そして、その口癖が周囲の判断基準を少しずつ変えていきます。

    6人目のレンガ職人 — 「次の職人」を育てる人

    6人目はさらに先にいます。彼は積みながら、隣で苦戦している若いレンガ職人にこう声をかけます。「君、なんでこの仕事してるの?」と。問いを投げ、対話を始め、自分が3番目になったときに見えた景色を彼に少しずつ手渡していく。

    これがEX(従業員体験)の本質です。意味は与えられるものではなく、対話によって生まれる。教育とも違う、評価とも違う、隣で同じ仕事をしながら問いを置いていく。シンプルラーニングのような仕組みを使って組織的に再現できれば、6人目は1人ではなく、組織の文化になります。

    「3番目で止まる」組織と「6番目を育てる」組織の違い

    これは抽象論ではなく、実際の業績と相関します。私たちのクライアントで、Your Voice Nextを使ったエンゲージメント計測を続けている飲食チェーンでは、店舗ごとに「5人目」「6人目」のレンガ職人がどれくらいいるかを可視化しています。

    その結果、6人目の比率が高い店舗ほど、12ヶ月後の従業員定着率が高く、顧客満足度の上昇幅も大きい。つまり、3番目のレンガ職人を増やすだけでは、組織のサステナビリティは作れないということです。CXとEXが循環し、職人が職人を育てる構造があってはじめて、「歴史に残る大聖堂」が時代を超えて使われ続けるのです。

    経営者ができる3つのこと

    明日から経営者ができることを3つに絞るとしたら、こうなります。

    第一に、ビジョン共有会で「使い手」の話を必ず混ぜることです。スローガンだけ伝えても5人目は生まれません。「このサービスを使うお客様は具体的にどんな1日を過ごしているか」を、社員と一緒に想像する時間を作ってください。

    第二に、教えるのが上手な社員(6人目候補)を見つけて、評価制度に組み込むことです。多くの組織では「個人成績」しか評価されません。けれど隣の人を育てた人を称える仕組みがないと、6人目は出てきません。ピアボーナスはその第一歩です。

    第三に、可視化です。「うちには5人目・6人目がどれくらいいるのか」を体感ではなく数字で見ることが、改善の起点になります。Your Voice Nextはまさにそのために作りました。


    イソップの寓話は3人で終わっていますが、現代の組織はその先を必要としています。あなたの組織には、何人目までのレンガ職人がいるでしょうか。

    あわせて読みたい

    「5人目・6人目」を組織で可視化する: Your Voice サービス紹介ページ

    SHAR

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