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    2026.06.09 AI
    リピート率を上げる方法|店舗ビジネスで今すぐできる施策10選

    店舗ビジネスを経営していると、「新規のお客様は来てくれるのに、2回目の来店がなかなか続かない」という現実に直面することがあります。スーパーや整体院、メガネ屋など、顧客接点がすでにある業態こそ、対応品質のわずかな差がリピート率を大きく左右するということです。初回来店時の体験が期待に届かなかった瞬間、お客様は黙って離脱していきます。

    リピート率が上がらない根本原因は、接客スキルの不足よりも深いところにあります。スタッフの心理的リソースが枯渇した状態では、どれほど優れた施策を打っても顧客体験(CX)の質は上がりません。この記事では、今すぐ実践できる施策10選と、それを継続的な仕組みに変えるための考え方を、弊社の現場知見とともにお届けします。

    こんな方にオススメ

    • 新規集客には投資しているが、2回目以降の来店が伸び悩んでいる店舗オーナー・経営者
    • 顧客満足度を測っているものの、リピート率の改善につながらないと感じているCX責任者
    • スタッフの接客品質にばらつきがあり、根本的な解決策を探している店舗マネジャー

    この記事を読むと…

    • リピート率が上がらない3つの根本原因と、その構造的なメカニズムが理解できます
    • 今すぐ実装できる施策10選の具体的な手順と優先順位がわかります
    • 施策を「やりっぱなし」にせず、改善サイクルに変える実装の型が体得できます

    目次

    リピート率が上がらない3つの根本原因

    リピート率が上がらない3つの根本原因

    施策を打つ前に、なぜリピート率が下がるのかの構造を理解することが先決です。表面的な現象だけを追いかけていると、どれほど施策を重ねても効果が出ないという状況に陥ります。弊社がこれまで多くの店舗ビジネスに伴走してきた経験から、根本原因は3つに集約されます。

    原因① CX低下の根本はEX劣化である

    接客品質のばらつきやリピート率の低下は、スタッフの対応スキル不足ではなく、心理的リソースの枯渇が表面化した結果です。スタッフの表情が硬い→カウンセリングが雑になる→提案が浅くなる→指名が増えない→顧客が黙って離脱する、という因果チェーンが静かに進行しています。整体院や美容サロン、フィットネスジムなど、身体接触を伴う業態ではこの影響が特に顕著に出ます。

    なぜ心理的リソースが枯渇するかといえば、業務量の多さだけが原因ではありません。「何を優先すればいいかわからない」「マニュアルと現場指示が矛盾している」「自分の頑張りが評価されているか不明」というアタマの迷い・ここロの不安・カラダの疲労という3層の消耗が積み重なるからです。業務を削減しても、この心理的な消耗が先に起きていれば、行動品質は回復しません。

    リピート率を本質的に改善したいなら、まずEX(従業員体験)の状態を可視化することが出発点になります。弊社ではこの構造を「CX-EX統合モデル」として体系化しており、どちらか片方だけを改善しようとしても限界があることを実感しています。

    原因② 組織システムの不具合が個人を消耗させている

    現場スタッフが「主体的に動かない」「ミスが増える」「発言が出ない」という状態は、個人の能力やモチベーションの問題ではなく、組織システムの不具合が心理リソースを無駄に消耗させているサインです。曖昧な方針、矛盾した指示、不明確な役割分担——こうした組織設計の欠陥が、スタッフ個人の行動品質を規定しています。

    驚くほど多くの店舗で、「スタッフの意識が低い」と個人に帰属させて終わっているケースを見てきました。ところが今は違います。この問題を組織システムの問題として再設計することで、スタッフ個人の能力を引き出し、結果としてCXが改善されるという流れをつくることができます。マネジメントの本質は「タスク管理」から「心理的リソースの回復設計」へとシフトしているということです。

    原因③ 顧客の声を集めるだけで終わっている

    アンケートやNPSを導入しているのに改善が進まない——その理由は、消耗要因を判断基準・教育・称賛・PDCAに変える「実装の型」がないからです。調査は実施しているが、集めた声がレポートとして存在するだけで、現場の行動変容につながっていないというケースが非常に多く見られます。

    調査が「消耗を認識させるだけ」で終わると、むしろスタッフのモチベーションをさらに下げることになりかねません。見える化(調査)だけでなく、「整える(改善実装)」「成果に接続する(PDCA)」という3ステップを完走することが、リピート率改善を持続可能にする唯一の道です。

    リピート率の現状把握と業界標準の考え方

    リピート率の現状把握と業界標準の考え方

    施策を打つ前に、自店舗のリピート率を正確に把握することが重要です。感覚値ではなく、データに基づいた現状認識があって初めて、施策の優先順位と目標値が設定できます。ここでは、リピート率の測り方と、弊社が独自に開発した指標についてお伝えします。

    リピート率の正しい計測方法

    リピート率の基本的な計算式は「一定期間内に2回以上来店した顧客数 ÷ 初来店顧客数 × 100」です。ただし、業種によって「リピート」と見なすべき期間が異なります。整体院や美容院であれば1〜3ヶ月、スーパーや食料品店であれば2週間〜1ヶ月、フィットネスジムであれば3ヶ月以内の2回目来店を目安とするケースが一般的とされています。

    重要なのは、「初回来店者のうち2回目に来てくれた人の割合」を業種別・期間別に分けて継続的に追うことです。この数値が下がっているトレンドを検知できれば、施策を打つべきタイミングが明確になります。感覚で「最近お客様が来ない」と気づいた時点では、すでに相当数の顧客が離脱している可能性があることを理解しておくべきです。

    FRS™という独自指標が示す「本当のリピート」

    弊社では、NPSスコア(推薦意向)だけでは捉えきれない顧客の実際の行動を測るため、FRS™(First Repeat Score)という独自指標を開発しました(商標出願検討中)。NPSは「また来たいと思うか」という意識を測りますが、FRS™は「実際に2回目に来店したか」という行動を測る指標です。

    弊社の事例では、あるクライアントでNPSスコアと実際の2回目来店率の間に-54.8ポイントという大きなギャップが発見されました。「また来たい」と答えた顧客の半数以上が実際には戻ってこないという現実です。この試算では、年間3,300〜5,000万円規模の改善余地として可視化することができました。NPSだけを追いかけていると、こうした「行動のギャップ」を見落とし続けることになります。

    リピート率改善がLTVに与えるインパクト

    リピート率を5ポイント改善することで、年間の増分売上として約120万円(試算ベース)の積み上げが期待できる場合があります。新規顧客獲得のコストが上昇し続けるなかで、既存顧客のリピートを高めることは、最もROIの高い投資のひとつです。

    顧客生涯価値(LTV)の視点から考えると、1回の来店で終わる顧客と、5回以上リピートする顧客では、トータルの売上貢献が大きく異なります。リピート率の改善は、単なる「顧客維持」ではなく、ビジネスの収益構造そのものを変えるレバーだということを実感していただけるはずです。

    店舗ビジネスで今すぐできるリピート率向上施策10選

    店舗ビジネスで今すぐできるリピート率向上施策10選

    ここからは、具体的な施策10選をお届けします。施策の順序には意味があります。まず「サービス品質の向上」を先に手を打ち、そのあとで「顧客との関係構築」を展開するという順序が、持続的なリピート率改善の鉄則です。順番を無視して関係構築施策だけを打っても、根本の体験品質が伴わなければ効果は出ません。

    施策① 初回来店時の「体験設計」を標準化する

    ファーストリピータを増やすための最重要施策は、初回来店時の体験を標準化することです。スタッフ個人の能力差に依存した体験提供は、顧客満足度のばらつきを生み、2回目来店率を不安定にします。具体的には「来店から退店まで」の顧客接点を時系列でマッピングし、各タッチポイントで提供すべき体験の基準を文書化します。

    実装の手順としては、まずベストパフォーマーのスタッフが自然にやっていることを観察・言語化することから始めます。挨拶のタイミング、問診の質問設計、提案の流れ、見送りの言葉——これらを「再現可能な型」に落とし込むことが重要です。型があれば、経験の浅いスタッフでも一定水準の体験を提供できるようになります。これがCXの均一化につながり、リピート率の安定に直結します。

    POINT

    「体験の標準化」は均一化が目的ではなく、最低品質の底上げが目的です。型を習得(体得)した上で、個人が個性を発揮できる余地を残すことが、最も効果的な接客品質設計です。

    施策② スタッフの「心理的リソース」を定期的に可視化する

    スタッフのEX(従業員体験)を定期的にデータで把握することが、CX改善の土台です。月次や四半期での従業員サーベイを実施し、「アタマの迷い(方針不明確)」「ここロの不安(評価への不安)」「カラダの疲労(業務負荷)」の3軸を分けてスコアリングすることで、消耗の原因が可視化されます。

    重要なのは、調査後の「実装」です。スコアが低い項目について、具体的なアクションを設計し、次回調査で改善を確認するPDCAサイクルを回すことが必要です。調査だけして「ありがとうございました」で終わる組織では、スタッフが「どうせ変わらない」という無力感を学習し、回答の質も下がっていきます。弊社のYourVoice NEXTはこの収集から実装のサイクルを一体設計したツールです。

    施策③ 「2回目来店」を明示的に設計する

    多くの店舗が見落としているのが、初回来店時に「2回目来店の理由」を作っていないという点です。初回の施術やサービスが終わった段階で、次回来店の価値をスタッフが言語化して伝えることが、ファーストリピータ獲得の鍵になります。「次回はこういう状態に近づけましょう」「2週間後にご来店いただくと、より効果が持続します」という具体的な提案が、次の予約を生み出します。

    次回来店の提案ができないスタッフが多い場合、それはスキル不足ではなく「何を提案すべきかが決まっていない」という組織設計の問題です。業態ごとに「次回提案のシナリオ」をあらかじめ設計しておくことで、すべてのスタッフが同水準の次回来店誘導ができるようになります。

    施策④ 顧客の「声にならない声」を収集する仕組みを作る

    クレームが来ない店舗が安全とは限りません。一般的に言われているように、不満を持った顧客の大多数は何も言わずに離脱します。リピート率を高めるためには、クレームではなく「惜しかった」という感情を拾うアンケート設計が重要です。退店後のフォローアップ調査や、タブレットでの即時フィードバック収集を導入することで、次回改善に使えるデータが蓄積されます。

    NPSスコアの計測は有効なアプローチですが、スコアだけを見ていても動けません。「なぜそのスコアをつけたか」というテキストの自由回答を組み合わせ、改善アクションに直結するデータとして活用することが必要です。弊社のYourVoice NEXTでは、AI駆動でこのUGCアンケートを収集・分析し、CX改善のPDCAに接続する設計になっています。

    施策⑤ 「FRS™」で2回目来店率を業種別に測定する

    NPSスコアを測定しているのに売上が変わらない、という状況をよく耳にします。その理由の一つが、意識(推薦意向)と行動(実際の来店)のギャップを測定していないことです。弊社のFRS™(First Repeat Score)は、初回来店後の一定期間内に2回目来店が実現したかどうかという「行動指標」で顧客ロイヤルティを測る独自指標です。

    業種ごとに「何週間以内の2回目来店を目標とするか」の基準値を設定し、その達成率をモニタリングすることで、施策の効果を行動レベルで確認できます。NPSとFRS™を並列で追うことで、「意識は高いのに行動につながっていない層」へのアプローチ施策を設計できます。これが、データドリブンなリピート率改善の核心です。

    施策⑥ パーソナライズされた「顧客カルテ」を活用する

    2回目以降の来店体験を豊かにするためには、前回の来店情報を活かしたパーソナライズが有効です。整体院なら施術部位と改善度の記録、メガネ屋なら度数や好みのフレーム、スーパーなら購買履歴に基づく提案——顧客が「自分のことを覚えてくれている」と感じる体験は、競合が簡単には真似できない差別化要因になります。

    デジタルの顧客管理システムがなくても、スタッフが手書きメモで次回来店時に「前回はこういったお悩みでしたね」と一声かけるだけで、顧客の印象は大きく変わります。まずはアナログから始め、データが蓄積されてきた段階でシステム化するという段階的な実装が現実的です。

    こんな店舗におすすめ
    • スタッフと顧客の関係性が長期的に続く業態(整体・美容・フィットネス等)
    • 顧客一人ひとりの課題や好みが明確に異なるサービス業
    • スタッフのリソースに余裕があり、個別対応の質を高めたい店舗

    施策⑦ 「感謝」を可視化する接客後フォローを設計する

    来店後のフォローは、次回来店の記憶を作るための重要な接点です。ただし、フォローの中身に「価値」がなければ逆効果になります。単なる「ご来店ありがとうございました」の定型文では、顧客の記憶に残りません。前回の来店内容に基づいた「その後のご状態はいかがですか?」「先日お試しいただいた○○の使い心地はどうでしたか?」という具体的なフォローが、関係性を深めます。

    このフォローを全スタッフが均一な質で実施するためには、やはり「フォローのシナリオ設計」が必要です。誰がどのタイミングで、どんな内容で連絡するかを標準化しておくことで、スタッフへの負担を最小化しながら、顧客との関係性を継続的に育てることができます。

    施策⑧ 「継続特典」ではなく「継続価値」を設計する

    割引クーポンや来店ポイントは短期的な集客には有効ですが、特典目当ての顧客は特典がなくなると離脱するという構造的な問題があります。リピート率を持続的に高めるためには、「また来たい」という内発的な動機を育てる体験設計が重要です。

    具体的には、定期的に来店することで蓄積される「状態の変化」を顧客が実感できる仕組みを作ることです。整体院なら姿勢の変化グラフ、フィットネスなら体組成の推移レポート、メガネ屋なら視力変化の記録——来店を重ねるほど「自分の変化が見える」という継続価値の提供が、割引とは質の異なる継続動機を生み出します。

    施策⑨ スタッフが「称賛される仕組み」を作る

    スタッフのモチベーションとリピート率は直結しています。顧客から高い評価を得たスタッフが、それを組織的に認められる仕組みがあるかどうかが、EXの質を左右します。顧客アンケートのポジティブフィードバックを、スタッフの称賛に直結させる仕組みを設計することで、頑張ることへの意味が生まれます。

    月次の表彰制度、チャット共有での賞賛の可視化、評価面談でのフィードバック活用——どの方法であれ、「お客様に喜ばれた→組織に認められた」という循環を作ることが、スタッフが自発的にリピート率を高める接客をしようとする動機につながります。これはAIでは代替できない、マネージャーにしかできない価値です。

    施策⑩ NPSサイクルを「12週間」で完走する

    NPSやFRS™のデータを収集しても、改善アクションを「完走」しなければリピート率は動きません。弊社のFactBase Workshopでは、12週間のPDCA伴走型プログラムとして、データ収集→課題特定→改善実装→効果検証の4ステップを1サイクルとして設計しています。

    12週間という期間は、現場の行動変容が定着し、初回の効果が数字に現れるのに必要な最小単位として設計されています。1週おきの進捗確認、隔週の現場フィードバック収集、最終週での効果測定という構成で、「調査→放置」ではなく「調査→実装→検証」という完全なサイクルを体得することができます。

    施策の優先順位と実装ロードマップ

    施策の優先順位と実装ロードマップ

    施策10選を一度に全部実施しようとすると、現場が混乱し、どれも中途半端に終わる可能性があります。重要なのは、自店舗の現状に応じた優先順位の設定です。以下の比較表を参考に、まず手をつけるべき施策を絞り込んでください。

    施策 効果の出るまでの期間 実装の難易度 優先フェーズ
    ① 初回体験の標準化 1〜2ヶ月 最優先
    ② EXの可視化 1〜3ヶ月 低〜中 最優先
    ③ 2回目来店の明示設計 即効〜1ヶ月 最優先
    ④ 顧客フィードバック収集 2〜3ヶ月 PHASE 1
    ⑤ FRS™計測の導入 3ヶ月〜 中〜高 PHASE 1
    ⑥ 顧客カルテ活用 1〜2ヶ月 低〜中 PHASE 2
    ⑦ 来店後フォロー設計 1〜2ヶ月 PHASE 2
    ⑧ 継続価値の設計 3〜6ヶ月 PHASE 2
    ⑨ スタッフ称賛の仕組み 2〜4ヶ月 PHASE 2
    ⑩ 12週間PDCAサイクル 3ヶ月〜 統合実装

    まず「最優先」の3施策から着手する理由

    施策①②③を最初に実施することを強く勧める理由は、これらが「土台」だからです。初回体験の標準化(①)なしに関係構築(⑦)を進めても、顧客が「また来たい」と思えない体験を繰り返すことになります。EXの可視化(②)なしにスタッフ称賛の仕組み(⑨)を導入しても、何を称賛すべきかの判断基準がなく機能しません。

    2回目来店の明示設計(③)は、投資ゼロで始められる施策でありながら、驚くほど即効性があります。「次回また来てください」という漠然とした声かけを、「2週間後にこういう状態にしましょう」という具体的な提案に変えるだけで、次回予約率が変わります。まずここから着手することをお勧めします。

    PHASE 2に進む判断基準

    PHASE 1の3施策を実施してから3ヶ月後、FRS™(2回目来店率)が安定して計測できるようになった段階でPHASE 2に進むことが適切なタイミングです。数字が動いていることを確認してから次の施策に進む、という慎重さが重要です。

    PHASE 2では、顧客カルテ活用(⑥)と来店後フォロー設計(⑦)を並行して進め、継続価値の設計(⑧)は中長期の取り組みとして別途プロジェクト化することをお勧めします。全施策を同時並行で走らせると、どの施策が効いているかの因果関係が不明瞭になり、PDCAが機能しなくなります。

    施策が「やりっぱなし」にならないための実装の型

    どれほど優れた施策を設計しても、現場が「一時的なキャンペーン」として捉えてしまうと、1ヶ月後には元に戻ります。施策を持続させるためには、日常業務のルーティンに組み込む「実装の型」が必要です。例えば、週次のミーティングに「先週のFRS™スコアの確認」を必須アジェンダとして組み込む、月次の面談に「顧客フィードバックの共有」を標準化するといった形で、施策を日常の業務フローに編み込んでいく作業です。

    弊社がこれまで伴走してきた経験から言えるのは、現場の行動が変わるまでには平均して8〜12週間かかるということです。この期間を伴走してくれる存在がいるかどうかが、施策の完走率を大きく左右します。弊社のFactBase Workshop(12週間PDCA伴走型)はまさにこの文脈から設計されています。

    あなたの店舗タイプ別:どの施策から始めるべきか

    同じ「リピート率向上」という目標でも、店舗の規模や現状の課題によって、最適な着手点は異なります。ここでは、よくある2つの状況別に、具体的な実装順序をお伝えします。

    パターンA:「スタッフの接客品質にばらつきがある」店舗

    スタッフごとに顧客満足度が大きく異なり、特定のスタッフへの指名集中や、担当者交代後のリピート離脱が起きているケースです。この状況で最初に手をつけるべきは、施策①(初回体験の標準化)施策②(EXの可視化)です。

    ばらつきの原因を「スキルの差」と捉えると、研修投資だけで解決しようとしがちです。しかし実際には、「何をすればいいかわからない」という心理的な迷いが行動の質を下げているケースがほとんどです。まず体験の型を作り(①)、同時にスタッフの心理状態を測定する(②)ことで、真の原因が見えてきます。その後、施策⑨(称賛の仕組み)でポジティブな強化サイクルを作り、品質の底上げを継続します。

    • 施策① → ③ → ② → ⑨ の順番で実装
    • 3ヶ月後にFRS™でベースライン計測を開始
    • ベストパフォーマーの行動を型化して横展開

    パターンB:「顧客の声は集まるが改善に使えていない」店舗

    アンケートやSNSのコメントを収集しているものの、どのフィードバックを優先すべきかわからず、結果的に「参考になりました」で終わっているケースです。この状況では、施策④(フィードバック収集の仕組み化)と施策⑩(12週間PDCAサイクル)の組み合わせから入ることが有効です。

    重要なのは、収集するデータの「設計」を変えることです。「満足しましたか?(5段階)」という質問では、改善アクションに使えるデータが取れません。「次回また来ようと思いましたか?その理由は?」というNPS型の質問と自由回答の組み合わせにすることで、「なぜリピートしないか」という因果が見えてきます。データが改善アクションの判断基準になって初めて、顧客の声を集めることに意味が生まれます。

    株式会社トータルエンゲージメントグループのNPS診断がおすすめな店舗
    • NPSスコアを取っているが改善につながらないと感じている
    • FRS™(2回目来店率)をデータで可視化したい
    • CX改善とEX改善を一体で取り組みたい店舗・チェーン展開企業
    NPS診断で何がわかるか
    弊社のFRS™事例では、NPSギャップ(意識と行動の差)を-54.8ポイント発見し、年間3,300〜5,000万円規模の改善余地を数値化した実績があります。まず自店舗のギャップ値を把握することが改善の出発点です。料金は公式サイトよりお問い合わせください。

    無料相談はこちら

    まとめ:施策の完走こそが、リピート率改善の本質

    リピート率を上げる施策は、探せばいくらでも出てきます。大切なのは「どの施策を選ぶか」よりも、「選んだ施策を完走できるか」です。30年間、経営の現場を走り続けてきた実感として、施策の質より実装の継続性のほうが成果を決定するということを確信しています。

    今回お伝えした10の施策を振り返ると、共通の軸が浮かび上がります。サービス品質の土台を先に作ること、スタッフのEXを可視化すること、そしてデータを改善アクションに変換するサイクルを回し続けること——この3つがあって初めて、施策は「やりっぱなし」ではなく「成果に接続する仕組み」になります。

    顧客の声を集めるだけでは、現場の消耗を認識させるだけで終わります。その声を判断基準・教育・称賛・PDCAに変える型をもつことで、はじめてリピート率という数字が動き始めます。弊社の12週間FactBase Workshopは、まさにこの「実装の完走」を伴走するために設計されたプログラムです。あなたの店舗でも、このサイクルを体得していただけると確信しています。

    弊社が提供するYourVoice NEXTやFRS™を活用した改善プロセスについて、さらに詳しく知りたい方は、まずホワイトペーパー(無料)からお読みいただくことをお勧めします。現状のリピート率と業種別のギャップ値を把握するNPS診断については、お問い合わせページからご相談ください。

    また、店舗の顧客体験設計に関連するテーマとして、オムニチャネル時代の店頭体験顧客の声を聞く力を養うことの大切さについての記事も、あわせてご覧いただければ理解が深まります。

    よくある質問

    リピート率を上げる施策のなかで、最も即効性が高いものはどれですか?

    施策③「2回目来店を明示的に設計する」が最も即効性があります。コストゼロで始められ、スタッフが初回来店終了時に「次回の具体的な提案」を行うだけで、翌月から2回目来店率が変化するケースが一般的に見られます。ただし、この効果を持続させるためには施策①(初回体験の標準化)との組み合わせが必要です。

    NPSスコアを測っているのにリピート率が上がらない理由はなんですか?

    NPSは「また来たい」という意識を測る指標ですが、実際の来店行動とは乖離があることが多いためです。弊社のFRS™(First Repeat Score)事例では、NPSと実際の2回目来店率に-54.8ポイントのギャップが発見された事例があります。意識(NPS)と行動(FRS™)の両方を追うことで、「意識は高いのに行動しない層」へのアプローチが設計できるようになります。

    スタッフの接客品質にばらつきがある場合、まず何から着手すべきですか?

    まず「体験の標準化」に着手することをお勧めします。ばらつきの原因はスキルの差ではなく、「何をすればいいかわからない」という心理的な迷いであるケースがほとんどです。ベストパフォーマーの行動を観察・言語化し、「再現可能な型」として標準化することで、経験の浅いスタッフでも一定品質の体験を提供できるようになります。

    顧客アンケートを実施しているが改善に使えていない。どうすればいいですか?

    アンケートの「設計」を見直すことが先決です。「満足しましたか?」という5段階評価だけでは改善アクションに使えるデータが取れません。「次回また来ようと思いましたか?その理由は?」というNPS型の質問と自由回答を組み合わせることで、「なぜリピートしないか」という因果が見えてきます。収集したデータを改善アクションの判断基準に変換する「実装の型」がなければ、調査は消耗を認識させるだけで終わります。

    割引クーポンを配っているのにリピートが定着しない理由はなんですか?

    特典(割引・ポイント)目当ての顧客は、特典がなくなると離脱するという構造的な問題があるためです。「また来たい」という内発的な動機ではなく、「お得だから来る」という外発的な動機に頼ると、特典コストが増加する一方でロイヤルティは育ちません。継続して来店することで「自分の変化が見える」という継続価値の提供に移行することが、持続的なリピート率改善への道です。

    池田 順一
    代表取締役池田 順一

    経営は最高の自己成長の場——この信念のもと、30年間走り続けてきました。
    IT・マーケティング・CX-EXの三層を一人でつなぎ、2社の事業売却を完走。現在は株式会社トータル・エンゲージメントグループのCEOとしてIPO準備を進めながら、経営者の伴走も続けています。「リーダーシップ」と「マネジメント」を体得すれば、経営は驚くほど楽しいものになる。その実感を、あなたにも届けたい。趣味はアイアンマン、トレラン、SUPやヨットなどの外遊びと浅草在住のため昼飲みが大好き、ジャックラッセルテリアの愛犬家

    Career Timeline
    1994:(株)ガリレオゼスト 設立 ITマーケティングの世界へ
    2000:(株)PIM を Yahoo! Japan へ売却 1社目のイグジット完走
    2006:(株)ガリレオゼスト をセプテーニへ売却 2社目のイグジット完走
    2010:(株)シンクー 設立 CX-EXコンサルタントとして独立
    現在:株式会社トータル・エンゲージメントグループ CEO IPO準備中・経営者伴走メンタリング継続

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