2025.06.21
NPS
【コラム】顧客体験と数値化
〜NPSだけでは見えない、体験価値の本質とは〜

「色に番号をつけたら、誰にでも同じように伝わるようになった」
私がサラリーマン時代、デザイン材料を扱っているTooという会社に入社しました。そこで、色味表と言う商品を知り驚きました。それは色に番号がついているということです。
パントン(PANTONE)社が世界標準の色番号を開発した際の逸話としてよく語られる話です。日本の日の丸に使われている”金赤”も、PANTONEで言えば186Cという明確な番号で定義され、誰が見ても、どこで印刷しても、同じ赤が再現されるようになりました。
この“見え方の統一”は、色彩の世界だけでなく、私たちが取り組んでいるCX(顧客体験)にもまったく同じことが言えます。
なぜ顧客体験に「数値化」が必要なのか?
かつての企業は、満足度調査で「満足」「やや満足」などの5段階評価を行ってきました。しかし、これでは本当に改善されたかどうかが見えづらく、社内での共通言語にもなりませんでした。
わたしがNPSを知ったのは2007,8年だったと思います。満足度のような体験価値が数値化されると知り、驚きました。NPS(Net Promoter Score)という指標です。
- 「この商品・サービスを友人や同僚にすすめたいと思いますか?」
- その答えを0〜10点で数値化し、推奨者・中立者・批判者に分類する
このシンプルな問いとスコア設計によって、顧客体験が共通言語として可視化されるようにしてました。
数値化によって得られた3つの効用
-
改善の進捗が「見える化」された
→ 数値が上がれば良くなっている、下がれば課題があるという判断軸に
-
組織の“感覚依存”から脱却できた
→ 「なんとなく良い」の感覚から、「なぜ良いのか」「どこを変えるべきか」へ
-
部門を超えた共通言語が生まれた
→ 営業・マーケ・現場・開発が一つの指標をもとに議論できるように
これはまさに、パントンが色に番号をつけたことで、印刷やデザインの生産性が飛躍的に向上したのと同じ構造です。
ただし、スコアだけでは“感動”は生まれない
しかし、ここが大事なポイントです。
数値は、改善の手がかりにはなりますが、数値だけを追うと近視眼的になってしまうという落とし穴もあります。
- スコア向上のために「お声がけ」を義務化した結果、マニュアル化して逆に体験が劣化した
- 設問設計が過度に定量化され、顧客の本音が拾えなくなった
こうしたケースは、現場でも決して珍しくありません。
数値化の次に必要なのは、「なぜこのスコアが出たのか?」という体験の質の深掘りです。
TEGが考える「体験価値経営」のステップ
- スコアで全体感を捉える(NPSなど)
- 自由記述や音声・行動データから“物語”を発見する
- その体験を再現可能な仕組みとして設計する
つまり、数値化とはゴールではなく、「対話の入口」です。
スコアを起点に、そこから“意味のあるフィードバック”を引き出すこと。
そこにこそ、企業と顧客がともに進化するCXの本質があります。
私たちTEGでは、これらの問いを深く掘り下げるセミナーを開催します。
📌 【自社セミナー】NPSだけでは見えない ─本当に顧客を動かす体験価値とは?─
- NPSを使っているが、現場に活かしきれていない
- スコアは上がっているのに、LTVや紹介は増えない
- 顧客の“感情”まで捉える方法が知りたい
そんな方にこそ、参加いただきたい内容です。
スコアのその先へ。
共に“体験価値の本質”を考える時間にできればと思います。
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トータルエンゲージメントグループでは、これまで延べ100社以上15,000店舗以上のアパレル・小売流通・飲食宿泊から金融、行政などB2C事業からSaaSやメーカーのようなB2B事業など、様々な業種での支援実績がございます。
CXにおける改善をツール提供だけでなく、全体の戦略をもとに策定・実施まで一気通貫でサポートいたします。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください!
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