2015.09.15
従業員エンゲージメント
良い人材に選ばれ、魅力的と感じてもらえる企業になるために大切な「EVP」(パートII:EVP構築のための6つのステップ)
先日こちらの記事で、従業員にとってのその企業で働く価値・魅力的な価値を指す「Employee Value Proposition/エンプロイー・バリュー・プロポジション」、略して「EVP」についてご紹介しました。今企業に求められるのは、企業の未来を創ることができる人材に「この会社で働いてみたい」「この会社にずっと貢献したい」と思ってもらうこと。だからこそ、報酬や福利厚生だけでなく、働き手に何を価値として提供できるのか、他の企業には真似できない自社の価値とは何かを真剣に考える必要があります。そこで、そのEVPを構築するための6つのステップを次でご紹介します。
ステップ1:自社の価値の評価
EVPを構築する前に、まずご自分の会社が現時点で従業員に提供できている自社で働く価値を確認してみてはいかがでしょうか? 「なぜ自分はこの会社にいたいのだろう?」という質問を投げかけてみて出てきた答えが、多くの従業員にとっての価値であるはずです。
次にその答えを、下記例のように「有形のもの」「無形のもの」の2つのタイプで分けてみましょう。
リストの書き出しが終わったら採用戦略と照らし合わせ、自社に欲しい人材に魅力に感じてもらえるものかどうかの判断をしてみてください。社会福祉の会社での勤務を希望している人であれば、CSR活動の内容(ボランティア、募金など)を重要視するでしょうし、テック企業での勤務を希望しているプログラマーであれば、会社のプログラム環境を重要視する人が多いはずです。
ステップ2:従業員や競合の分析
従業員エンゲージメント、eNPS(従業員ロイヤリティ)、アンケートなどの従業員調査を行い、集めたデータを分析してみましょう。そこで得た回答が、自社にとって必要なものとそうでないものをふるいにかけるのに役立つはずです。
データを従業員のタイプ別(トップ/ミドル/ロワーマネジメント、一般社員など)でカテゴリーに分けて分析するのも良いと思います。それぞれのグループでの傾向が見えてくるからです。
競合会社のHPなどを分析し、EVPが似通っていないかを見るのも良いと思います。もしEVPが似ていたとしたら、人を惹きつけることがそれだけ難しくなってしまうからです。競合他社と異なるEVPを掲げることで、差別化や興味喚起につながり、自社の求める人材を得やすくなるはずです。
ステップ3:グループディスカッション
人事やマーケティング部長、その他会社の価値について意見を交わしたいという社員を招き、ステップ2の分析結果をより掘り下げるための話し合い、グループディスカッションを開き、より自社ならではのEVPとは何かを追究してみてください。
ステップ4:EVPの構築
ステップ2の分析や、ステップ3のグループディスカッションの内容をもとに、自社の価値、文化、理念を反映する言葉を考えてみましょう。自社の採用ブランド*を一つのステートメントとするのも良し、いくつかに分ける形でも良し、目を惹くEVPというのは簡潔であるということを念頭に考えてみてください。
採用ブランドとは:採用市場において、企業が差別化され、選ばれるに至るイメージの総和。事業戦略・業績・設備環境・経営者・人材の質・社会性などの企業力、仕事のやりがい・若手への権限委譲・昇進のスピード・待遇に関する優位性など多様な観点によって構成される。近年では、平均残業時間、平均勤続年数、早期離職率など労働環境への着目が進んでいる。(出典:リクルートワークス研究所) |
EVPは次の二社の例を見ていただくと分かりやすいかもしれません。
・アメリカンエキスプレス
アメリカンエキスプレスは、次の一つのステートメントをEVPとして使用しています。
アメリカンエキスプレスでは、『世界中の人のお手伝いをし、より良い人生の創造に貢献する』という会社のミッションを一緒に達成してくれる、創造力あふれたリーダーを探しています
・マクドナルド
マクドナルドは、いくつかのステートメントをEVPとして使用しています。
・家族と友人:私たちは楽しく、エネルギーにあふれた雰囲気の中で働いています。 全員がチームの大事なメンバーであることを感じています。
・柔軟性:自分のライフスタイルに合わせて 挑戦しがいのある 色々な職種を経験できます。
・将来:どんな職種を選んでも 自分が一生かけて成長できる スキルを学べる機会があります。
ステップ5:EVPを公開する
EVPの構築が完了したら、社員はもちろん、将来の採用応募者に向けてEVPを公開しましょう。EVPは自社の採用情報ページはもちろん、会社案内ムービーや、求人媒体でも活用してください。EVPは採用プロセスにだけではなく、その後のキャリア開発や研修などにも盛り込んでいくと良いと思います。
ステップ6:検討を重ねる
EVPというのは一度作ってそれでおしまい、ではありません。毎年見直しを行い、社員の意見を取り入れながら、実情に沿ったものかを確認しましょう。毎年従業員エンゲージメント、eNPS(従業員ロイヤリティ)、アンケートなどの従業員調査を行い、定点観測をEVPの見直しに活かすのもオススメです。
以上、いかがでしたでしょうか。EVPは的確に会社の魅力を伝え、会社が求める人材の心を惹くものです。会社の未来を創る人材は、成長はもちろん、存続にも欠かせない存在です。だからこそより多くの良い人材に「この会社で働いてみたい」と思ってもらえるよう、EVPの構築を考えてみませんか?
顧客体験(CX)、NPSに
関するご相談
トータルエンゲージメントグループでは、これまで延べ100社以上15,000店舗以上のアパレル・小売流通・飲食宿泊から金融、行政などB2C事業からSaaSやメーカーのようなB2B事業など、様々な業種での支援実績がございます。
CXにおける改善をツール提供だけでなく、全体の戦略をもとに策定・実施まで一気通貫でサポートいたします。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください!
メルマガ登録
Total Engagement Groupの最新ニュースや、CX・NPSの最新トレンドを
メールマガジンにて配信しております。ご登録はこちらから!
人気記事
カテゴリー