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    2024.05.13 体験価値顧客体験
    【コラム】顧客とのつながりを強化する非コンタクト時間の考え方

    非コンタクト時間

    顧客旅行の全体像を理解する

    顧客体験は、商品やサービスに直接接触している時間だけでなく、その前後の期間も含めて形成されます。例えば旅行予約サイトの場合、予約のクリックが顧客体験のピークであるかのように考えがちですが、実際にはその前後の期間が顧客の満足度に大きく影響を与えます。顧客がサイトに訪れる前は、どのような期待や不安を抱えているのか、旅行後はどのような感想を持ち帰るのか。これらの非コンタクト時間にも思いを巡らし、顧客が持つ全体のストーリーを理解することが重要です。

    非コンタクト時間を活用したサービス設計

    顧客が直接的な接触を持たない時間、つまり非コンタクト時間をどのように扱うかが、企業の顧客体験設計の巧みさを示します。予約前には、顧客がどのような情報を求めているのか、どのような不安要素を解消したいのかを洞察し、その解決策を提供することが求められます。また、旅行後は、顧客の体験を振り返り、共有する場を提供することで、次の旅行への期待感を維持させる工夫が必要です。これにより、顧客との長期的な関係構築へとつながります。

    そのために、カスタマージャーニーマップ(CJM)を作ることをオススメします。CJMとは顧客が商品・サービスの存在を知ってから購入に至るまでのプロセスを時系列でまとめた図をいいます。 横軸には「認知」「理解」「検討」「商談」などの購買プロセスの各ステージをまとめて、縦軸には「顧客心理・顧客行動」「タッチポイント」「課題・要望」「具体的な施策」をまとめます。

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    タッチポイントでの体験向上

    非コンタクト時間を考慮したサービス設計は、直接的なタッチポイントの質の向上にも寄与します。顧客が実際に予約を行う際には、事前の情報収集や期待管理がしっかりと行われているため、よりスムーズで満足度の高い体験を提供できるようになります。また、サイトが顧客のニーズに対してどのように応えているかを明確にすることで、信頼感を築き上げることができます。

    非コンタクト時間を最大限に活かす

    非コンタクト時間を活用するためには、顧客のライフサイクル全体を考慮したデータ分析とフィードバックの収集が不可欠です。顧客がどのようなジャーニーを経て製品やサービスに至るのか、その過程でどのような感情を抱え、どのような支援が必要だったのかを理解すること。これにより、非接触期間に顧客の心理を理解し、それをサービス改善に活かすことが可能となります。

    非コンタクト時間を重視することで、顧客体験はより一層深まり、顧客とのつながりを根本から強化することができます。企業はこれを戦略的に捉え、顧客が直接的な接触を持たない時間にも価値を提供することで、真の顧客中心のサービスを展開するべきです。

    私の好きな言葉で、セブン&アイ・ホールディングス会長兼最高経営責任者 鈴木敏文さんの言葉で『「顧客のため」ではなく、「顧客の立場で」』というものがあります。このように考えてこられたから、今のセブンイレブンがあるのではと思います。

    是非、みなさんも「相手の立場で」考えるようにされてはいかがでしょうか。

     

    SHAR

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