2025.12.13
組織文化
【コラム】「日本型パーパス経営」=思想で終わらせず“戦力化する”
ここ数年、「パーパス経営」という言葉を
本当によく耳にするようになりました。
企業の存在意義。
社会における役割。
なぜこの会社があるのか。
どれも、とても大切な問いです。
一方で、現場からはこんな声も聞こえてきます。
-
パーパスは掲げたが、現場は何も変わらない
-
良いことを言っているが、業績とは結びつかない
-
結局、スローガンで終わっている
この違和感の正体は何なのか。
目次
■ 日本企業に必要なのは「思想としてのパーパス」ではない
まず、はっきり言えることがあります。
多くの日本企業にとって必要なのは、
欧米型の“理念先行パーパス経営”をそのまま真似ることではありません。
もちろんスタートアップのような企業では、ゼロから作ることは非常に大事です。
しかし日本の企業、特に中堅中小企業は、
-
創業の背景
-
地域との関係
-
顧客との長い付き合い
-
現場に積み重なった判断の歴史
こうしたものの中に、
すでに“存在意義”が染み込んでいます。
つまり、
パーパスは「新しく作るもの」ではなく、
「すでにあるものを掘り起こすもの」「磨き直す」ことだと思います。
■ 日本型パーパス経営の正体は「らしさ」
日本型パーパス経営を一言で表すなら、
それは 「らしさの言語化」 ではないかと考えています。
-
お客さまから、どう見られているのか
-
どんな場面で信頼されてきたのか
-
なぜ長く選ばれてきたのか
この積み重ねこそが、
日本企業にとってのパーパスそのものではないでしょうか。
抽象的な理念ではなく、
体験として語れる存在意義。
それが「らしさ」です。
■ 「らしさ」は、掲げた瞬間には戦力にならない
ここで重要なことがあります。
らしさは、
見つけただけでは戦力になりません。
言語化しただけでも、まだ足りない。
戦力化とは、
現場の判断と行動を変え、
サービスプロフィットチェーン(SPC)を動かすこと です。
-
判断に迷ったとき、立ち戻る軸になる
-
評価や称賛の基準になる
-
採用・育成・接客の共通言語になる
この状態になって初めて、
らしさは“きれいな言葉”から
経営の武器 に変わります。
■ 日本型パーパス経営は「現場起点」でしか回らない
欧米型のパーパス経営は、
トップメッセージや思想から下りてくる構造が多い。
一方、日本型は逆です。これまの現場にあります。
-
現場の行動
-
顧客の言葉
-
日々の判断
ここからパーパス(らしさ)が立ち上がり、
経営に還流していく。
この構造だからこそ、
-
働きがいにつながり
-
顧客体験が安定し
-
SPCが短縮され
-
業績につながる
という流れが、無理なく生まれます。
■ 「意味」と「成果」を分断しない経営へ
パーパス経営がうまくいかない最大の理由は、
「意味」と「成果」を切り分けてしまうこと です。
-
意味は大事だが、数字は別
-
理念は語るが、現場はKPI
-
想いはあるが、評価は売上だけ
これでは、らしさは育ちません。
日本型パーパス経営とは、
意味が行動を生み、
行動が体験を生み、
体験が成果につながる
この一本の線をつくることだと考えます。
■ まとめとしては
日本型パーパス経営とは、
-
壮大な理念を掲げることではない
-
流行の言葉を採用することでもない
「らしさ」を見つけ、
言語化し、
現場で使い、
SPCを回すこと。
それによって初めて、
存在意義は“語るもの”から
戦力として機能するもの になります。
顧客体験(CX)、NPSに
関するご相談
トータルエンゲージメントグループでは、これまで延べ100社以上15,000店舗以上のアパレル・小売流通・飲食宿泊から金融、行政などB2C事業からSaaSやメーカーのようなB2B事業など、様々な業種での支援実績がございます。
CXにおける改善をツール提供だけでなく、全体の戦略をもとに策定・実施まで一気通貫でサポートいたします。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください!
メルマガ登録
Total Engagement Groupの最新ニュースや、CX・NPSの最新トレンドを
メールマガジンにて配信しております。ご登録はこちらから!
人気記事
カテゴリー
タグ
- AI
- apple
- B2B
- B2Bセールス
- B2Bマーケティング
- CJM
- CPA
- CRM
- CS
- CX
- eNPS
- EX
- HR
- LTV
- NPS
- Shop
- SNSマーケティング
- SPC
- Zappos
- おまかせ
- おもてなし
- らしさ
- アンケート
- イベント
- エンゲージメント
- カスタマーサクセス
- カルチャー
- ギフト
- クーポン
- サステイナブル
- サポートセンター
- サービス
- サービス・プロフィット・チェーン
- サービス品質
- スタッフ対応
- スタートアップ
- スターバックス
- スポーツ
- セールス
- タッチポイント
- ディズニーランド
- バイヤージャーニーマップ
- パーパス
- ファン
- ファンマーケティング
- フィードバック
- ブランディング
- プレミアム
- ホスピタリティ
- マネジャー
- マーケティング
- リーダーシップ
- レジ
- ロイヤルティ
- ロイヤルティプログラム
- ワークライフバランス
- 万博
- 中小企業
- 人材不足
- 人的資本
- 仕組み化
- 企業文化
- 企業研修
- 体験価値
- 価値提供
- 共感
- 厚利少売
- 地域再生
- 店長研修
- 店頭
- 従業員体験
- 従業員満足
- 心理的安全性
- 感動体験
- 感情労働
- 技術
- 投資
- 採用活動
- 推し活
- 支払方法
- 改善活動
- 新規顧客
- 星のや
- 界隈消費
- 福利厚生
- 経営
- 自己効力感
- 自治体
- 行列
- 診断
- 講演
- 雇用創出
- 非日常
- 顧客体験
- 顧客満足
- 顧客理解
- 顧客調査
- 高NPS