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    2026.06.09 AI
    リピート率を上げる方法|店舗ビジネスで今すぐできる施策10選

    店舗ビジネスを経営していると、「新規のお客様は来てくれるのに、2回目の来店がなかなか続かない」という声をよく耳にします。美容室・飲食店・フィットネスジム・整体院など、店舗系ビジネスではリピート率の向上こそが安定収益の根幹であり、新規集客コストを抑えながら売上を伸ばす最短ルートと言われています。

    本記事では、店舗ビジネスの経営者・CX責任者の方に向けて、今すぐ実践できる10の施策を導入難度・効果実感スピード・初期投資の観点で整理してお届けします。さらに施策の組み合わせ方や、データで改善サイクルを回すKPI設計まで網羅していますので、ぜひ最後までお読みください。

    こんな方にオススメ

    • 美容・飲食・フィットネス・整体などの店舗を複数運営しており、リピート率の低さを課題に感じている経営者・店長
    • 新規集客のコストが高止まりしており、既存顧客からの売上比率を高めたいCX責任者
    • NPS・FRS™などの顧客指標に興味はあるが、まず現場で動ける施策から始めたいと考えている方

    この記事を読むと···

    • 店舗リピート率が低い構造的な原因と、売上への影響規模が理解できる
    • 今すぐ着手できる10施策を難度・コスト・スピード別に選択・実行できる
    • 施策の効果をデータで測定し、継続的に改善するKPI設計の手順がわかる

    目次

    店舗リピート率の現状課題——なぜ「2回目」が来ないのか

    店舗リピート率の現状課題——なぜ「2回目」が来ないのか

    店舗ビジネスにおいて、リピート率は経営の体温計と言えます。数字が低いうちは気づきにくいですが、放置すると新規集客コストだけが膨らみ、利益率が驚くほど圧迫されていきます。まずは「なぜ再来店が起きないのか」という構造を理解することが、施策選択の前提として欠かせません。

    「一度きり顧客」が生まれる心理メカニズム

    顧客が再来店しない理由の多くは、「不満があった」ではなく「特別な理由がなかった」という無関心の結果です。一般的に、顧客が初回来店後に何らかの接触や動機づけがない場合、来店意欲は2週間前後で大きく低下すると言われています。

    これは記憶の定着という観点からも理解できます。体験の印象は時間とともに薄れていきますが、適切なタイミングでのフォローがあれば印象は維持・強化されるということです。

    つまり「また来たい」という感情は存在していても、それが行動に変換されないまま終わっているケースが多い。店舗側がその橋渡しをする仕組みを持っているかどうかが、リピート率の分岐点になっています。

    店舗ビジネスにおけるリピート率の業種別目安

    リピート率の基準値は業種によって大きく異なります。一般的に言われているように、美容室では初回来店から3ヶ月以内の再来店率が40〜60%が目安とされており、飲食店では月1回以上の来店を「リピーター」と定義するケースが多く見られます。フィットネスジムや整体院では、サービスの継続性から月間継続率が主要指標になります。

    自店の数字がこの目安を下回っている場合、仕組みの問題である可能性が高いと実感しています。属人的な接客力だけに依存せず、再現性のある施策として体系化することが、複数店舗を運営する経営者にとって特に重要です。

    リピート率1%改善が持つ売上インパクト

    月間来店客数500名・客単価5,000円の店舗を例に考えると、リピート率が30%から35%に改善されると、月間25名の再来店が増加します。年間では300名・売上換算で150万円のインパクトになります。これは新規集客の広告費をほぼ使わずに実現できる成長です。

    新規顧客を獲得するコストは、既存顧客をリピートさせるコストの5〜7倍かかるという傾向が広く知られています。この差を意識するだけで、施策への投資優先順位が変わってくるということです。

    リピート率が低いことによる売上損失——問題を数字で直視する

    リピート率が低いことによる売上損失——問題を数字で直視する

    リピート率の低さは「感覚的な課題」にとどまりがちですが、実際には財務数字に直接影響する経営リスクです。御社の店舗がこの損失を受け続けているとしたら、その規模感を一度試算してみることをおすすめします。

    「新規依存モデル」が抱えるコスト構造の問題

    新規顧客の獲得に集中するビジネスモデルでは、広告費・販促費が売上増加に比例して膨らみ続けます。リスティング広告・SNS広告・クーポンサイト掲載費などの合計が月間売上の15〜25%を超えている場合、収益体質として持続可能とは言いにくい状況です。

    一方でリピート顧客の獲得コストは来店促進DMやメールなど比較的低コストな施策で賄えます。リピート率を高めることは、単に売上を増やすだけでなく、利益率の構造改善でもあるということです。

    顧客LTVから逆算するリピート施策の投資対効果

    顧客生涯価値(LTV)は「客単価 × 来店頻度 × 継続期間」で計算されます。例えば月1回・2年間来店してくれる顧客のLTVは24回分の購買価値を持ちます。初回来店時点でこのLTV設計を意識することで、来店促進施策にどこまで投資できるかの上限が明確になります。

    LTV視点でリピート施策を設計している店舗は、短期的なディスカウント競争に巻き込まれにくく、顧客との関係性を資産として積み上げていける傾向があります。

    「サイレント離脱」が最も危険な理由

    不満を口にせずそのまま来なくなる「サイレント離脱」は、店舗経営において最も対処が難しい問題の一つです。クレームを言ってくれる顧客はまだ改善のチャンスがありますが、何も言わずに離脱した顧客は接触のきっかけさえ掴めません。

    一般的に言われているように、不満を持った顧客のうち実際に苦情を伝えるのは5〜10%程度にとどまるとされています。残りの90%以上はサイレントに離脱し、場合によっては口コミで否定的な評判を広げることもあります。この構造を理解した上で、顧客の声を定常的に収集する仕組みを持つことが、リピート率改善の重要な前提になります。

    【施策選定前に確認したいこと】
    御社の店舗ではリピート率を定期的に計測していますか?「なんとなく来ている気がする」ではなく、数値として把握できている状態が施策実行の前提です。弊社ではFRS™(業種別2回目来店率を測る独自指標)を用いて、御社の現状を可視化するご支援が可能です。
    まず現状の数値を確認したい方はこちら

    リピート率を上げる施策の選択基準——着手前に整理すべき3軸

    リピート率を上げる施策の選択基準——着手前に整理すべき3軸

    10の施策を紹介する前に、どの施策から始めるべきかの選択基準を整理しておきます。すべてを一度に実行しようとすると現場が疲弊します。御社のフェーズと資源に応じた優先順位の付け方を体得しておくことが、施策を「完走」させるための鍵です。

    3軸マトリクスで施策を評価する

    施策を選ぶ際には以下の3軸で評価することをお勧めします。①導入難度(低・中・高)、②効果実感スピード(即効型・中期型・長期型)、③初期投資(無料・低コスト・要予算)の3つです。この軸を使うと、「今すぐ無料でできること」「1ヶ月以内に実装できること」「半期で仕込む施策」に分類でき、実行計画が立てやすくなります。

    フェーズ別の優先順位の考え方

    リピート施策の経験が浅い店舗では、まず「体験の記録と接触の仕組み化」から始めるのが効果的です。来店情報をデータとして蓄積し、定期的にお客様と接触するフローを作ること。

    これだけで驚くほど再来店率が変わるケースがあります。ある程度の基盤ができたら、パーソナライズや顧客セグメント別の施策へとステップアップしていく流れが自然です。

    「全員に同じ施策」をやめることの重要性

    来店回数・購買金額・最終来店日(RFM分析の3指標)によって、顧客の状態は大きく異なります。5回以上来ている優良顧客と、初回来店からまだ戻っていない顧客に同じメッセージを送っても効果は出ません。顧客をセグメントし、それぞれの状態に合ったアプローチをすることが、リピート施策の精度を上げる上で重要とされています。

    リピート率を上げる今すぐできる10施策

    リピート率を上げる今すぐできる10施策

    ここからは具体的な10の施策を解説します。各施策に「導入難度・効果実感スピード・初期投資」の目安を記載していますので、御社の状況に合わせた優先順位の参考にしてください。

    施策1:スタッフの接客品質標準化

    導入難度:中 / 効果実感スピード:中期型 / 初期投資:低コスト

    ファーストリピートを生み出す上で、最も根本的な土台となるのがサービス品質の向上です。顧客が「また来たい」と感じる体験の多くは、スタッフとの関係性や接客の質から生まれます。どれだけリピート促進の仕組みを整備しても、来店体験そのものが平凡であれば再来店の動機は生まれません。

    一方で、スタッフによって接客品質にばらつきがある場合、特定のスタッフの日しかリピートが起きないという状況になります。これは店舗全体のリピート率を構造的に押し上げるという観点では大きな課題です。

    接客品質の標準化には、ロールプレイング形式の研修・接客マニュアルの整備・先輩スタッフの実例動画共有などの手法が有効です。弊社のSimple Learningは、AI研修コンテンツの自動生成とOJTの仕組み化を支援しており、店舗スタッフへの教育コストを抑えながら品質の底上げを実現することが可能です。

    施策2:来店後72時間以内のフォローアップ連絡

    導入難度:低 / 効果実感スピード:即効型 / 初期投資:ほぼ無料

    来店直後はお客様の体験記憶が最も新鮮な状態です。この72時間以内にお礼のメッセージや次回来店を促す一言を届けることで、再来店率が大きく改善する傾向があります。

    メールや店舗のDMツールを活用し、「本日はありがとうございました。またご来店お待ちしています」というシンプルなメッセージでも十分効果があります。

    重要なのは「テンプレートながらも個人名や来店内容に触れること」です。「〇〇様、本日はカット+カラーをご利用いただきありがとうございました」という一文があるだけで、顧客の受け取り方は驚くほど変わります。

    施策3:顧客の声を収集してサービスに反映する仕組みづくり(NPSアンケート・フィードバック活用)

    導入難度:中 / 効果実感スピード:中期型 / 初期投資:低コスト

    サービス品質を継続的に高めるためには、顧客の声を定期的に収集し、現場にフィードバックする仕組みが欠かせません。「良かった点・改善してほしい点」を来店後にアンケートで収集するだけでも、スタッフが気づいていなかった課題が浮き彫りになることがあります。

    特に効果的なのが、NPS(ネット・プロモーター・スコア)を活用したアンケートです。「この店を友人・知人に勧める可能性はどれくらいですか?(0〜10点)」という1問と自由記述欄を組み合わせることで、顧客満足の状態を定量的に把握しながら具体的な改善ヒントも得られます。収集した声は月次でスタッフと共有し、接客・サービス内容の改善に直接つなげることで、顧客が「自分の意見が反映されている」と実感できる店舗づくりにつながります。

    フィードバックを収集して終わりにしないことが重要です。「先月いただいたご意見をもとに〇〇を改善しました」という情報発信を行うことで、顧客との信頼関係が深まり、リピート動機の強化につながります。弊社のYourVoice NEXTは、AI駆動のUGCアンケートとNPS収集ツールとして、CX(顧客体験)の継続的な可視化と改善サイクルの構築を支援しています。

    施策4:次回予約の店内クロージング

    導入難度:低 / 効果実感スピード:即効型 / 初期投資:無料

    会計・退店のタイミングで「次回はいつ頃お越しになりますか?」と自然に次回予約を促す声がけは、最もコストのかからないリピート施策です。美容室では「1.5〜2ヶ月後にカラーの色落ちが気になる時期ですよ」というような、サービスの特性に紐づいた提案が効果的です。

    スタッフ全員が同じクオリティで実行できるよう、声がけのスクリプトをマニュアル化しておくことをお勧めします。一人のスタッフがうまくできていても、チーム全体の施策になっていなければ店舗全体のリピート率は変わりません。

    施策5:ポイント・スタンプカードの再設計

    導入難度:低〜中 / 効果実感スピード:中期型 / 初期投資:低コスト

    既存のポイントカードを持っている店舗は多いですが、「使われていないポイントカード」も非常に多く見られます。再設計のポイントは「特典に到達するまでの来店回数を短くすること」と「特典の魅力を高めること」の2点です。10回で1回無料より、3回で小さな特典のほうが来店動機として機能しやすい傾向があります。

    また、紙のスタンプカードからデジタルポイントシステムへの移行は、データ蓄積の観点でも大きなメリットをもたらします。来店頻度・購買金額・最終来店日を把握できることで、後述の施策8〜10へのつなぎが可能になります。

    施策6:顧客カルテ・来店履歴の活用

    導入難度:中 / 効果実感スピード:中期型 / 初期投資:低〜中コスト

    顧客が「前回何をしたか覚えてくれている」と感じる体験は、強力なリピート動機になります。美容室であれば前回のカラーレシピ・カット内容、整体院であれば施術部位・症状の変化、飲食店であればアレルギー情報・好みなどをカルテとして蓄積・活用することです。

    デジタルツールを使えばスタッフが代わっても情報が引き継がれ、「初めて担当するのに前回の状態を知っている」という体験を提供できます。これが「この店に来ると自分のことをわかってくれる」という感覚につながり、顧客との関係性を深めることができます。

    施策7:記念日・節目フォローアップ

    導入難度:中 / 効果実感スピード:中期型 / 初期投資:低コスト

    誕生日・初来店記念日・最終来店から一定期間経過した日など、顧客にとって意味のあるタイミングに合わせたメッセージは高い反応率を持ちます。「〇〇様の誕生月は特別クーポンをご用意しています」というメッセージは、顧客に「自分のために送られてきた」という実感を与えます。

    特に「最終来店から60日以上経過した顧客」へのウィンバック(再獲得)アプローチは、サイレント離脱を防ぐ有効な手段です。「最近お顔を見ていないな〜と思って連絡しました」というカジュアルなトーンでも、受け取った顧客が来店のきっかけを掴むことがあります。

    施策8:NPS調査による離脱予兆の検知

    導入難度:中〜高 / 効果実感スピード:長期型 / 初期投資:中コスト

    「この店を友人・知人に勧める可能性はどれくらいですか?(0〜10点)」というNPS(ネット・プロモーター・スコア)調査は、顧客満足度を定量化し、離脱リスクのある顧客を早期に発見するための強力なツールです。スコアが低い顧客(批判者:0〜6点)に対して素早くアクションすることで、サイレント離脱を未然に防げます。

    NPS調査は来店後のアンケートと組み合わせることで継続的な計測が可能になります。弊社のYourVoice NEXTは、AI駆動のUGCアンケートとNPS収集ツールとして、CX(顧客体験)とEX(従業員体験)を同時に可視化する機能を持っています。

    データに基づいたリピート改善サイクルを仕組み化したい店舗経営者に特に効果的です。詳しくはAI技術が進化しても、記憶に残るのは「体験」という視点から解説した記事もご参考ください。

    施策9:セグメント別リテンションシナリオの設計

    導入難度:高 / 効果実感スピード:長期型 / 初期投資:中〜高コスト

    来店回数・購買金額・最終来店日(RFM分析)で顧客を分類し、それぞれのセグメントに合ったコミュニケーションシナリオを設計することで、リテンション施策の精度が大きく上がります。例えば「3回以上来ているが最近来ていない優良顧客」と「初回来店から1回も戻っていない顧客」では、アプローチすべき内容も頻度も異なります。

    シナリオ設計のポイントは「顧客の状態遷移に合わせたメッセージの自動化」です。来店日・来店回数がトリガーになって自動配信が走る仕組みを構築すると、スタッフの工数をほぼかけずにパーソナライズされた接触が実現します。

    施策10:FRS™による業種特化指標での継続測定

    導入難度:高 / 効果実感スピード:長期型(継続型) / 初期投資:要相談

    施策を実行しても「何がどれくらい効いたか」が測定できなければ、改善は属人的な感覚に頼るしかありません。弊社が提供するFRS™(業種別2回目来店率を測る独自指標)は、業種ごとのベンチマークと照らし合わせながら自店の2回目来店率を定量的に評価できる仕組みです。

    「リピート率を上げる」という曖昧な目標ではなく、「FRS™スコアを〇〇%から〇〇%に改善する」という具体的なKPIを設定することで、施策の効果検証と次の打ち手選定がデータドリブンで回せるようになります。100年続く企業に学ぶ、顧客体験(CX)の重要性でも解説しているとおり、体験の質を継続的に測定・改善することが長期的な競争優位につながるということです。

    施策の組み合わせパターン別 実装ロードマップ

    10施策を一度に全部取り組む必要はありません。経営フェーズと現状の課題に応じた「組み合わせパターン」を提案します。重要なのは、施策を「完走」できるペースで実装することです。

    スタートアップフェーズ(月次リピート率30%未満の店舗)

    まず取り組むべき施策は1・2・3の「サービス品質と接触の仕組み化」3点セットです。接客品質の標準化・来店後72時間フォロー・顧客フィードバックの収集を整備するだけで、多くの店舗では数ヶ月以内に数ポイントのリピート率改善を実感できます。ここで出た成果をスタッフと共有し、モチベーションをつなぎながら次のステップへ進むのが王道です。

    グロースフェーズ(月次リピート率30〜50%の店舗)

    基礎的な接触の仕組みが整ったら、施策4・5・6を加えます。次回予約クロージング・ポイント制度のデジタル化・顧客カルテ活用により、スタッフ依存からシステム依存への移行が進みます。この段階で顧客データが蓄積されはじめ、セグメント別施策への土台が整います。

    スケールフェーズ(月次リピート率50%超・複数店舗展開)

    NPS調査・セグメント別シナリオ・FRS™指標という施策8〜10のデータドリブン層に移行します。この段階では、勘や経験に頼らず数字で意思決定できる体制が整い、複数店舗間での施策横展開も可能になります。弊社のFactBase Workshopは12週間のPDCA伴走型ワークショップとして、この段階の店舗・企業を継続的に支援しています。

    リピート率向上の成功パターンと注意点

    施策の実行にあたって、多くの店舗が陥りがちな落とし穴と、成果につながりやすいパターンを整理しておきます。知っているかどうかで、実装後の結果に大きな差が生まれます。

    成功しやすいパターンの共通点

    リピート率改善に成果を出している店舗には共通点があります。第一に「経営者・店長が数字にコミットしている」こと。

    FRS™スコアやNPSを定期的に確認し、全スタッフと共有している店舗は施策が形骸化しにくい傾向があります。第二に「施策の実行責任者が明確」なこと。

    誰がいつまでに何をするかが決まっていない施策は、業務の忙しさの中で後回しになります。

    第三に「お客様の声を定期的に収集する習慣」があること。直感や仮説だけで施策を選ぶのではなく、顧客アンケート・NPS・口コミを定期的にレビューし、施策の優先順位を修正し続けている店舗が継続的な改善を体得できています。

    よくある失敗パターンとその対処法

    多くの店舗が経験する失敗の第一位は「アンケートを作ったが収集・活用が続かなかった」です。これは担当者の負担が大きすぎることが原因のケースがほとんどです。フィードバック収集のフローをシンプルにする・月1回のレビュー会議をルーティン化するなど、継続コストを下げる設計が重要です。

    二つ目は「ポイントカードを作ったが利用されない」です。ポイントを貯めることが目的化し、来店動機につながっていないケースです。

    特典の魅力・到達しやすさ・失効ルールを見直すだけで改善することがあります。三つ目は「施策をやった感があるが数字が変わらない」です。

    これはKPIを設定していない・計測していないことが原因です。施策実行と同時に測定の仕組みも整えることが不可欠です。

    複数店舗での横展開における注意点

    3店舗以上を運営している企業では、成功した施策を横展開する際に「その店特有の成功要因」と「横展開可能な要因」を切り分けることが大切です。立地・客層・スタッフ構成の違いを無視して全店同じ施策を展開すると、効果が出ない店舗でのモチベーション低下につながります。パイロット店舗で実証した後、横展開の優先順位を数字で判断するプロセスが有効です。

    施策導入前後の測定・KPI設定方法

    どんなに良い施策も、測定しなければ改善できません。リピート率向上の取り組みを「感覚値」から「データ」に変えるためのKPI設計の基本を解説します。

    リピート率改善の基本KPI一覧

    KPI指標 定義・計算方法 計測頻度 目安・改善目標
    2回目来店率(FRS™) 初回来店顧客のうち90日以内に再来店した割合 月次 業種ベンチマーク値との比較
    NPS(推奨意向) 推奨者(9〜10点)割合 – 批判者(0〜6点)割合 月次〜四半期 業種平均+10ポイント以上
    平均来店頻度 対象期間内の来店回数 ÷ アクティブ顧客数 月次 前期比+0.3回/月
    顧客LTV 客単価 × 平均来店回数 × 継続期間(月) 四半期 前年同期比+15%
    アンケート回答率 回答数 ÷ 配布数 × 100 配布毎 30〜50%を維持
    離脱率(チャーン) 90日以上未来店になった顧客の割合 月次 月次で前月比マイナス推移を維持

    PDCAサイクルの回し方

    KPIを設定したら、月1回のレビュー会議をルーティン化することをお勧めします。前月の数字を確認し、想定より低いKPIに対して「なぜそうなったか」の仮説を立て、翌月の施策に反映する。このPDCAを12週間継続することで、データに基づいた改善文化が組織に根付いてくるということです。

    弊社のFactBase Workshopは、まさにこの12週間のPDCA伴走型ワークショップとして設計されており、KPI設定から施策実行・振り返りまでを専門チームが伴走します。「何をどう測ればいいかわからない」という段階の店舗・企業でも、スモールスタートで仕組みを作ることが可能です。

    測定ツールの選び方

    計測ツールは機能よりも「スタッフが実際に使い続けられるか」を最優先に選ぶことが重要です。高機能なCRMツールを導入しても、入力が面倒で使われなければデータが蓄積されません。まずはPOS連携・簡易アンケートツールから始め、データが貯まるに従って高度な分析ツールへ移行していくステップが現実的です。

    まとめ:リピート率向上は仕組みで実現する

    店舗ビジネスのリピート率改善は、特別な才能や属人的なスキルではなく、再現性のある仕組みの構築によって実現できます。本記事で紹介した10施策を振り返ると、まずは「サービス品質の向上」という土台を固め、その上で「顧客との接触の仕組み化」「フィードバックの活用」へと積み上げ、データが蓄積されるに従ってデータドリブンな改善サイクルへと進化させていくロードマップが見えてきます。

    重要なのは「やりっぱなしにしない」こと。施策を実行したら必ずKPIで効果を測定し、次の打ち手に活かしていく。この循環を体得した店舗・企業が、長期的に顧客から選ばれ続けるビジネスを作り上げているということを、弊社は多くの現場で実感しています。

    弊社・株式会社トータルエンゲージメントグループでは、NPS専門のデータドリブン改善アプローチにより、店舗ビジネスのリピート率・顧客満足度の向上を支援しています。YourVoice NEXT・FRS™・FactBase Workshopなど、御社のフェーズに合ったサービスをご提案することが可能です。まずはお気軽にご相談ください。よくある質問

    Q. リピート率を上げるためにまず何から始めればよいですか?
    A. 最も根本的な土台として、まずスタッフの接客品質標準化に取り組むことをお勧めします。サービス品質が安定していなければ、どんなリピート促進施策を加えても効果は限定的です。その上で、来店後72時間以内のフォローアップ連絡と次回予約の店内クロージングを仕組み化することで、来店体験の記憶が薄れる前に再来店の動機をつなぎとめる効果が期待できます。
    Q. NPS調査はどのように実施すればよいですか?
    A. 「この店を友人・知人に勧める可能性はどれくらいですか?(0〜10点)」という1問を紙のアンケートや来店後のデジタルアンケートで収集することから始められます。回答が蓄積されたら、9〜10点(推奨者)・7〜8点(中立者)・0〜6点(批判者)に分類し、批判者から寄せられたコメントを施策改善に活かすPDCAを回します。継続的な計測の仕組みとしてはYourVoice NEXTのようなAI駆動のツールを活用することも有効です。
    Q. 小規模な1店舗でもリピート率の数値管理は必要ですか?
    A. スタッフが2〜3名の小規模店舗でも、2回目来店率(FRS™)とNPSの2指標を月次で確認するだけで、改善の方向性が明確になります。細かなCRM管理より、まずこの2指標をノートやスプレッドシートで記録し始めることが重要です。数字として「見える化」することで、スタッフ全員が共通の目標に向かって動ける環境が生まれます。
    Q. リピート率を上げるためにポイントカードの見直しは必要ですか?
    A. 既存のポイントカードが「作ったが使われていない」状態であれば、見直しは効果的です。特典到達までの来店回数を短くする・デジタル化してデータを蓄積できるようにする・特典の魅力を顧客ニーズに合わせて再設計するという3点を中心に改善してみてください。ただしポイント制度はあくまで来店動機を補助するものであり、接客品質・体験価値の改善と並行して取り組むことが重要です。
    Q. 複数店舗での施策横展開で失敗しないためのポイントは何ですか?
    A. パイロット店舗で施策を実証し、FRS™やNPSで数字として改善を確認してから横展開する順序が重要です。「感覚で成功した」施策を全店に展開すると、店舗ごとの顧客特性・立地・スタッフ構成の違いから効果が出ないケースがあります。横展開の際は各店の担当者が実行責任を持つ体制と、進捗を共有できるKPIダッシュボードの整備をセットで行うことをお勧めします。

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    池田 順一
    代表取締役池田 順一

    経営は最高の自己成長の場——この信念のもと、30年間走り続けてきました。
    IT・マーケティング・CX-EXの三層を一人でつなぎ、2社の事業売却を完走。現在は株式会社トータル・エンゲージメントグループのCEOとしてIPO準備を進めながら、経営者の伴走も続けています。「リーダーシップ」と「マネジメント」を体得すれば、経営は驚くほど楽しいものになる。その実感を、あなたにも届けたい。趣味はアイアンマン、トレラン、SUPやヨットなどの外遊びと浅草在住のため昼飲みが大好き、ジャックラッセルテリアの愛犬家

    Career Timeline
    1994:(株)ガリレオゼスト 設立 ITマーケティングの世界へ
    2000:(株)PIM を Yahoo! Japan へ売却 1社目のイグジット完走
    2006:(株)ガリレオゼスト をセプテーニへ売却 2社目のイグジット完走
    2010:(株)シンクー 設立 CX-EXコンサルタントとして独立
    現在:株式会社トータル・エンゲージメントグループ CEO IPO準備中・経営者伴走メンタリング継続

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