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    2025.09.20 体験価値
    【コラム】Apple Storeの“Genius Bar”に見る「共感する力」の体験価値

    GeniusBarに見る顧客体験

    Genius Bar誕生と「共感」の原点

    Apple Storeの象徴ともいえる「Genius Bar」には、知られざる誕生秘話があります。

    リテール構想立案時、当時のリテール責任者ロン・ジョンソンが「技術サポート専用カウンター」をスティーブ・ジョブズに提案しました。ジョブズは「そんなものは成功しない。技術者は人と話せない」と否定しましたが、ジョンソンは「若い世代はテクノロジーに強く、人との接客もできる」と説得。最終的にジョブズは理解し、商標登録を決断しました。

    その後、「ホテルのコンシェルジュ・デスク」から着想を得たホスピタリティが加わり、現在のGenius Barのスタイルが確立しました。単なる修理窓口ではなく、顧客体験そのものを変える存在となった背景には、ジョブズの「付加価値」へのこだわりと、EX(従業員体験)の設計があったのです。

    「共感」が顧客の納得感と信頼を生む

    Genius Barの最大の価値は、スペック説明ではなく「共感する力」にあります。

    「どんな使い方をされていますか?──それは楽しいですね」

    「どの場面で困りましたか?──それは大変でしたね」

    「どのように活用したいですか?──いいアイデアですね」

    スタッフはこうした会話を通じ、顧客の文脈に耳を傾け、自分の言葉で共感を返します。その上で解決策を提示するからこそ、顧客は安心し、納得できるのです。

    同じ修理対応でも、一方的に「パーツ交換です」と説明されるのと、「お客様の使い方なら、この方法がベストです」と共感を踏まえて案内されるのとでは、信頼感は大きく異なります。Appleが世界的にCXを高めている秘密は、こうしたEXの設計に裏打ちされた「共感の文化」にあります。

    日本企業が学ぶべき「共感文化」

    多くの日本企業でもアンケートやNPS調査が導入されていますが、そこに「共感する姿勢」が伴わなければ、本当の課題や期待は見えてきません。

    当社が支援してきた現場でも、数値を追うだけでは改善が停滞しがちでした。逆に、スタッフが顧客に自然に声をかけ、共感を持って会話できるような仕組みを取り入れると、顧客満足度や従業員の誇りが一気に高まるケースが多くあります。

    サポートセンターを単なるコストセンターとみなすのではなく、顧客との信頼を築く「共感の場」と位置づけること。これがCXを変える大きな分岐点になるのです。

    まとめ:EXが支える「共感の力」がCXを磨く

    Genius Barは、サポート終了後に顧客体験をフィードバックで確認し、それをリアルタイムでスタッフに反映しています。そこにあるのは、EXの設計によって「共感の姿勢」を徹底する仕組みです。

    製品やサービスの改善だけでなく、従業員が顧客に寄り添い、共感できる文化をどう根付かせるか。

    それこそがCX時代を生き抜く羅針盤であり、体験価値経営の本質だといえるでしょう。

    SHAR

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