console.log("postID: 2481");console.log("カウント: 311");

2022.11.17 NPS
「金融資本主義」から「顧客資本主義」へ

待望のフレッド・ライクヘルド氏の著作が、日本語化されました。氏はNPSの生みの親で、40年に渡ってNPSを発展に貢献されております。

NPS3.0とは?

原書タイトルはWinning on Purpose: The Unbeatable Strategy of Loving Customersでしたが、日本語タイトルは『「顧客愛」というパーパス<NPS3.0>』https://amzn.to/3hJjx9iです。若干ベタではありますが、この「顧客愛」が詰まった内容になっています。多くの事例とともに具体的アクションも盛り込まれており、まさに3.0へ昇華された内容になっていました。

顧客体験などの仕事をしている一人として、氏の「顧客愛」への想いに感動すらしてしまいます。

もうご存知かもしれませんが、NPSの歴史からちょっと振り返ってみたいと思います。

ネットプロモータースコア(NPS®)は顧客ロイヤリティを測定する指標としてロイヤリティマーケティングの権威であるFred Reichheld(フレッド・ライクヘルド)により開発されました。2006年に、ライクヘルド氏の著書「ネットプロモータ経営(The Ultimate Question)」にて、カスタマーロイヤルティを計測する指標として紹介されています。今でいうと1.0です。

NPSの歴史は、15年以上の時を経ているんですね。それ以前にも顧客ロイヤリティを測定するサーベイは存在していましたが、設問設計が複雑で質問数が多い、業績向上と結びつかないなど様々な問題を抱えていました。

それに反して、NPSの質問は以下のシンプルな2つの質問。「○○を友人や同僚にすすめる可能性はどのくらいありますか?」「その理由は何ですか?」

そして、この2つの質問から構成される「顧客ロイヤリティを測定」が明確にわかるNPS®の開発につながっていきます。

NPSの歴史について、もう少し知りたい方はこちらhttps://www.total-engagement.jp/1461/

その後、NPS2.0 でネットプロモータースコアを「スコア」から「システム」に読み替えて、指標というよりも改善活動までを含めて語られていました。

そして今回のNPS3.0とは、改善活動から企業のパーパスにまで昇華させています。

目次

イントロダクション パーパスを知る――そして実践する
第1章 愛をもって導く――無敵のパーパス
第2章 偉大さを目指す――誰でも偉大になれる
第3章 顧客を愛する――顧客資本主義の本質
第4章 チームにやる気を起こさせろ――意義と奉仕の人生を送るために
第5章 投資家を尊敬する――勝つのは顧客ロイヤルティが高いときだけ
第6章 黄金律を重んじる――だが、まずは理解しよう
第7章 期待を超えた感動を届ける――単なる満足に終わらない差別化
第8章 こだわり続ける――強い企業文化を醸成するシステムを構築する
第9章 謙虚であれー-ネット・プロモーター3.0と、その先へ
第10章 日本企業も「顧客愛」で成長を遂げられる
付録A ネット・プロモーター3.0チェックリスト
付録B プロモーター獲得成長率を計算する

「顧客愛」って?

ライクヘルド氏は「顧客愛」に基づいて成長を遂げる企業は、「顧客ロイヤルティを燃料に、成長エンジンを動かすという考えに基づくリーダーがいる企業が、優れたキャッシュフローを生みす」ということを事例を事実を踏まえて説明しています。

私も好きなジム・コリンズ著作の「ビジョナリー・カンパニー2」。この書籍は成功した会社から共通事項を見つけなしており、多くの経営者が読んでいる書籍です。この「ビジョナリー・カンパニー2」の代表的企業と、氏の著作「ネットプロモーター経営」で扱った代表企業の10年後の累積総株主利益率などの比較では、10倍近く差が生じていることなどを紹介しています。このことを「金融資本主義」と「顧客資本主義」として対比させることにより、経済インパクトを中々語れなかった部分を明確に示しています。これまでの企業の中で顧客体験の推進者にとっては朗報です。

黄金律の実践は?

顧客体験を実践する中で「自分がしてもらいたいことを、他人にも行いなさい」ということを考えますが、いろいろな誤解が現場に生じます。そのことを氏は丁寧に事例を交えて、読者の理解を深め本当の意味での黄金律を伝えようとしています。相手の問題を解決し、笑顔に変えることができるチームを顧客は応援します。このことは顧客だけでなく、仲間を大切に思う気持ちもつリーダーがいる会社の成長を意味します。 強い企業はチームメンバーが顧客を大切に扱い、顧客からも愛されることで成長することになります

そして、まとめられた宣言文が以下のです。

■ネット・プロモーター(顧客資本主義)宣言

人々が充実した、素晴らしい生活を送れれば、世の中は良くなる。偉大な企業はその支援を行う存在であり、偉大なリーダーはそうしたコミュニティを構築し、維持する。すなわち、単に満足のいくサービスを提供するだけでなく、創造性にあふれた、思いやりのある、心のこもったサービスを通じて顧客に喜びを与え、顧客の生活を豊 かにするサービスを提供する。その結果として、チームメンバー自身も意義と目的のある生活を送れるよう、彼らの背中を押す。偉大なコミュニティを形作るのは人間関係であり、その基礎となるのは「自分の愛する人にしてもらいたいように他の人にしてあげなさい」、もっと純粋な言い方をすれば「己の如く、汝の隣人を愛せよ」という原則である。この黄金律は、人間関係における最高水準の基準を確立する。企業がコミュニティのメンバー全員が従うべき方針や手順、文化、規則を作成し、黄金律に則った正しい行動を取れるようになると、ロイヤルティという言葉に値する人間関係の基盤ができあがる。企業が愛のある対応で顧客をもてなすことで、顧客ロイヤルティが向上する。それは、顧客が再び来店したり、友人たちを連れてきたり、より良い関係を築こうと 貴重なフィードバックを提供したりといった行為に現れる。こうして、愛がロイヤルティを生み、それが持続的で利益ある成長の原動力となって、会社、チーム、チームメンバー一人ひとりに栄光への道を照らし出す。黄金律の基準を最も忠実に順守するコミュニティは、このシステムによって経済的繁栄を享受するのである。したがって、偉大さを目指すすべての組織の第一のミッションは、顧客の生活を持続的に豊かにすることを第一のパーパスとし、メンバー全員が黄金律に従って扱われる(そして、黄金律を守る責任を負う)コミュニティの構築であるべきだ。リーダーは、このミッションを果たすために次のことをしなければならない。

以下は要約になりますが、最初の2点は特にリーダーが意識することで、それ以外はチームメンバー(全社員)が取組んでいくことが必要になる。

●第一のパーパスを受け入れる

●愛をもって導く

●チームを鼓舞する

●NPSを適切に算出するための環境を整える

●絶え間ない学びを育む

●プロモーター獲得成長の経済性を定量化する

●「感動」を定期的に再定義する

これらが出来ている会社が、書籍の中にもでてくるが、以下のような会社だ。業界は様々だが、イノベーティブな活動が共通している。それだけ「顧客資本主義」実践企業と言えよう。

・Apple

・Amazon

・T-Mobile

・Enterprise Rent-A-Car

・Costco Wholesale Corporation

・Warby Parker

・Peloton

・Chewy

「顧客愛」の先にあるもの?

NPSを使うことで、企業は顧客のパーパスに対する達成度合いを測定できます。NPSが高い会社は顧客第一というパーパスを実現していることになります。書籍内では「ネット・パーパス・スコア」という表現もでてきます。

氏は「顧客愛」を理解し、顧客資本主義を実践している企業、つまり顧客の利益を第一に考える企業が、持続的な偉大さを達成する可能性が最も高いと考えています。

「顧客の生活を豊かにすること」こそ、ビジネスが長期的に繁栄し、あらゆるステークホルダーに利益を与えるパーパスだとしています。

このことは従業員の生活を豊かにすることを目指す企業は、給与や福利厚生が充実しているだけでなく、従業員が顧客のために素晴らしいことを実現し、意義や目的のある人生を歩むことのできるようにすることこそが、働きがいのある会社になる条件です。意義あるパーパスを実現するために、真剣に働く人をより多く集めることで、企業は成長できるようになります。

文中にある「顧客の生活を持続的に豊かにすることが第一のパーパスとし、メンバー全員(全従業員)が黄金律に従って扱われるコミュニティ(組織)の構築」は、偉大な組織を目指す第一歩になることは間違いないでしょう。

巻末にはNPS3.0 チェックリストとプロモーター獲得成長率の計算の仕方まで記載されており、今後の普及が楽しみもあります。

当社としては、国内企業が導入するに当たり、多くの障害に直面することをみてきています。そこで国内企業での導入・定着までをご支援させていただいております。

お気軽にお声がけください。

NPS関連の過去記事をもっと読みたい方はこちら

NPSの究極の質問で、業績アップをさぐる!https://www.total-engagement.jp/0727/

NPSと顧客満足度(CS)との違いを知っていますか?https://www.total-engagement.jp/4204/

NPSとは何か?NPSの指標を改めて見直そう!https://www.total-engagement.jp/0725/

  • facebook
  • facebook
© 2022 Total Engagement Group Inc.
All Rights Reserved.