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    2014.08.28 従業員エンゲージメント
    「クロネコヤマトの宅急便」の誕生秘話に、優れた顧客体験のヒントあり!

    以前ふと、「何の疑問もなく宅急便を使っているけれど、そういえばいつどこでどうやって生まれたんだろう?」と疑問に思い、たどり着いたのが「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親である小倉昌男氏の著書、『経営はロマンだ!私の履歴書』。

    本書で小倉氏のプライベートから宅急便の誕生に至り、その後ヤマト運輸をトップ企業に育て上げるまでの経緯を知り、小倉氏のビジネスセンスと清廉潔白な人柄に、「クロネコヤマトの宅急便」のサービスがきめ細かい理由や、接客と従業員エンゲージメントの原点を見ることができました。

     

    発想の転換とお客様視点で生まれた「クロネコヤマトの宅急便」

    もともとヤマト運輸が専門としていたのが、大口の法人向け配達。でも小倉氏が1971年に二代目社長となると、その道を捨てて個人向けの宅急便という市場を開拓しようとします。それは一体なぜだったのか。理由は2つありました

    1. ヤマト運輸の業績が危険水域に達していた当時、打開策を模索するうち、「大口の荷物を一度に多く運ぶ方が合理的で利益になる」という当時の業界の常識が間違っていることに気づき、小口の荷物をたくさん扱ったほうが利益につながると確信した
    2. 当時個人が荷物を送るためには、制限は6キロまで、しっかり梱包をして紐をかける、荷札を付けて郵便局へ持ち込む、到着日時は不明……など、利便性やサービス品質の高さはなかった。特に当時の郵便局では横柄で雑な対応が大半で接客態度などまるでなかったため、これでは特に主婦は荷物を持ち込むのに恐怖感さえ感じるのではないか、と感じた小倉氏。主婦の視点で見た時、計り知れない潜在的ニーズがあると確信した

    特に②こそが今のクロネコヤマトの宅急便の接客の原点となっているもの。利用者の声に真摯に耳を傾け、利用者の立場で物事を見なければいけないと、顧客満足を第一に考えていた小倉氏。彼の有名な言葉に「サービスが先、利益は後」というものがありますが、当時の常識を覆して宅急便を成功させるには、何よりも利用者の利便性を最優先させることに注力する、そうすれば確実に利用者が増え、利益は後からついてくる、という考えの元に発せられたものです。

    荷物を出すのが苦手という主婦に、安心して気軽に利用してほしい……そんな小倉氏の思いから生まれた宅急便、ドライバーさんの応対が素晴らしいのは、そんな“小倉スピリット”が受け継がれているということに違いありません。

     

    「クロネコヤマトの宅急便」は小倉氏一人では実現しなかった!

    ビジネスの軸を個人向け宅配へシフトしようとしたものの、小倉氏の構想に経営陣は皆猛反対。前述の通り、当時の運送業界では「大口の荷物を一度に多く運ぶ方が合理的で利益になる」が常識だったため、小口の荷物、しかも集荷までして宅配など赤字になるに決まっているなどと言われ、“ボンボンの道楽”だと陰口まで叩かれていたのだとか。

    ところがそんな彼を擁護したのが、労働組合の幹部達。彼らは当時ヤマト運輸の業績悪化に危機感を覚えていただけに、当初は半信半疑だったものの、小倉氏が熱心に提案を続ける「宅急便」を本気で考えてみようと提案。でも彼らが擁護した理由はそれだけではありませんでした。

    以前ヤマト運輸が窮地に追い込まれた時、労働組合員をリストラしなかった小倉氏。それは、労働組合が会社を一緒に立て直す組織だと認識し、リストラをせず、労使間で様々な配慮をすることで信頼関係が築かれると信じていたからでした。その信頼は会社と労働組合が協力し、経営や戦略において一致団結して大きな力につながるとも信じていました。現場の声や信頼関係を大切にする、そんな彼だからこそ、労働組合が真剣に向き合い、宅急便が実現しました。

    またヤマト運輸では、「経営の目的や目標を明確にしたうえで、仕事のやり方を細かく規定せずに社員に任せ、自分の仕事を責任をもって遂行してもらう」という「全員経営」という経営手法をとっています。これにより社員の満足感や帰属意識が高まり、よりやりがいを感じながら会社や社会に貢献できるのかもしれません。

    顧客の利便性向上や社員の幸せを真に願っていた小倉氏。最後に彼の人柄を表す言葉をご紹介です。

    私は従業員と言う言葉があまり好きではない。会社が雇っている人々のことは、必ず社員と呼ぶことにしている。それほど深い意味があって使い分けているわけではないが、従業員の「従」という語感がどうも好きになれないのだ。社長が社員を従業員と呼べば、それは相手を会社の業務に従う者としか認識していないと言うことにもなる。そういうことでは、彼らの人生に対して担っている責任を自覚できないではないだろうか。

     

    SHAR

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