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    2014.08.29 エンゲージメント
    世界で3,000万部を販売した『7つの習慣』から学ぶ「信頼残高」の6つの増やし方

    1996年に出版されて以来、世界で3,000万部、日本国内でも180万部(2013年10月現在)と、ビジネス書では史上最高の売上を記録している『7つの習慣-成功には原則があった!』。著者のスティーブン・R・コヴィー博士(2012年没)は、英『エコノミスト』誌で「世界で最も大きな影響力を持つ経営コンサルタント」と呼ばれていたほどの存在でした。

    さて、本書のタイトルともなっている「7つの習慣」とは、アメリカ建国以降の200年間に成功した人々の習慣に加え、考え方や物事の捉え方をコヴィー博士が調査してまとめたものを、次の7つに体系化したものです。

    第1の習慣:主体性を発揮する(自己責任)
    第2の習慣:目的を持つ(自ら立つ)
    第3の習慣:重要事項を優先する(自己管理)
    第4の習慣:Win-Winを考える(人間関係)
    第5の習慣:理解してから理解される(感情移入)
    第6の習慣:相乗効果を発揮する(創造的な協力)
    第7の習慣:刃を研ぐ(常時向上システム)

    組織を人間関係の面から改善できるようなアプローチは、どの業種でも適応可能となっていますが、特に本書の中で印象的なのが「信頼残高」という言葉。これは人間がコミュニケーションを取り関係を築き上げていく上で基本となる信頼関係に関する概念で、コヴィー博士は信頼関係を銀行口座の残高に例えて「信頼が増える」ことを「預け入れ」、「信頼をなくす」ことを「引き出す」と表現しています。その内容は、顧客エンゲージメントと従業員エンゲージメントにおいて、お客様もしくは従業員との「きずな」を形成するために欠かせない、「共感」と「愛着」を高めるためのものとなっています。ここでまずコヴィー博士の提唱する【信頼残高をつくる6つの大切な預け入れ】を見てみましょう。

    【信頼残高をつくる6つの大切な預け入れ】

    1. 相手を理解する
    「本当に人を理解しようとすることは、最も重要な預け入れのひとつであり、すべての預け入れの鍵である」

    2. 小さなことを大切にする
    「小さな心遣いと礼儀は、とても大切である。小さな無礼や不親切、無神経は、大きな引き出しになる。人間関係において、小さなことは大きなことである」

    3. 約束を守る
    「約束を守ることは大きな預け入れであり、破ることは大きな引き出しである。相手にとって大切なことを約束しておきながら、それを守らないことほど大きな引き出しはないだろう」

    4. 期待を明確にする
    「人間関係におけるほとんどの問題は、役割と目標を取り巻くあいまいな期待、あるいはお互いの期待像の相違に端を発している。仕事で誰が何をするかという問題にせよ、部屋の掃除や、誰が魚に餌を与え、誰がゴミを出すかという問題にせよ、不明瞭な期待像が、誤解・失望・信頼の引き出しに結びついていることは間違いない」

    5. 誠実さを示す
    「個人的な誠実さが信頼を築き、様々な預け入れの基礎になる」

    6. 引き出しをしてしまったときは、誠意をもって謝る
    「信頼残高を引き出してしまったときには、誠意をもって謝らなければならない。 誠心誠意をこめた言葉は大きな預け入れになる」

    銀行では、お金を預け入れたり、預け入れたお金の利子で口座の残高が増えていきます。残高があれば引き出して使うこともできますが、預け入れることなく引き出してばかりだったり、高額を引き出してしまったらほとんど口座に残額がなくなってしまいます。

    信頼残高も同じで、相手を思いやり誠実な対応を続けていれば蓄えができ、さらにはそこに利子がついていきます。例えば顧客エンゲージメントなら「友人・知人への推奨」という口コミ、従業員エンゲージメントなら「改善や新商品開発提案増加」がこの利子にあたると言えます。また普段誠実な対応をして信頼残高を増やしておけば、時に小さな失敗をして残高を引き出しまったとしても信頼は残っているものです。誠意を持って謝れば、それは失敗を上回るような預け入れになることもあるはずです。

    逆にたとえそれが小さなことであったとしても、普段から不誠実な対応ばかりしていたり、社会的信用にかかわるような大きなミスをしてしまったとしたら、当たり前のことですが信頼残高はゼロになってしまいます。信頼を築く(蓄える)のには時間がかかるからこそ、日々意識してこの6つをコツコツ預け入れていきたいですね。そして、どのような行動がお客様と従業員に対する信頼残高をプラスにするのかを考えることも大切です。

    尚、本書はビジネス書という位置づけではありますが、自分自身や人間関係を見つめ直したいという方なら、どの年代でも適応可能な内容になっています。ビジネスにおいてのお客様や職場の人間関係だけでなく、家族、親子、友人、恋人とのよりよい関係づくりに役立ててみてはいかがでしょうか。

    引用①:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%B3%E3%83%BBR%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BC
    引用②:http://news.mynavi.jp/news/2013/10/29/038/

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