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    2015.02.05 従業員エンゲージメント
    従業員エンゲージメントに必要な管理者の”人間観”

    みなさま、これから、「エンゲージメント・フォーラム」にて原稿を執筆していく高見俊介と申します。

    2009年夏、ソーシャルリスニングのプロジェクトで、ある米系外資系クライアントの支援を行っていたときのこと、筆者は「ソーシャルメディア上の口コミを分析することが重要なのは分かるが、決して安くはないコストをかけてまで、なぜここまで熱心に分析するのか」ということを疑問に感じていた。そのような中でクライアント担当者から「米国本社でNPSを指標とした顧客ロイヤルティマネジメントを行っており、ソーシャルメディア上のレピュテーションマネジメントはその一環である」ということを聞いた。(なお、当時の日本にはまだ、「ソーシャルメディア」や「リスニング」といった言葉そのものが認知されていなかった。)

    このことがNPSに関心を持つきっかけとなり、2010年2月にニューヨークで行われたトレーニングプログラムに参加し、NPS認定資格を取得した(ちなみに、日本人として初の資格取得者となった)。

    現在は株式会社エンパスリンク代表取締役としてNPSを用いた顧客ロイヤルティマネジメントのコンサルティングサービスを行っており、従業員エンゲージメントの領域においては、トータル・エンゲージメント・グループ社と協業し、クライアントへの支援を行っている。本稿では、「NPSと従業員エンゲージメント」について、考察していきたいと思う。

    *   *   *

    顧客ロイヤルティ指標として利用企業が増えつつある「NPS(ネット・プロモーター・スコア)」。導入かつ、成果を挙げている企業に共通しているのは、「従業員エンゲージメントの強さ」がある。

    その傾向はとくに対人接客を基本とするサービス業において顕著だ。

    サービス業ではヒト(接客)・モノ(商品)・ウツワ(施設・空間・環境)という3つの要素で顧客が感じる価値を構成すると言われるが、この中でもとくにヒト、すなわちスタッフと顧客との間のインタラクションが感動体験を創出する役割を担うことが多い。感動体験は顧客に近い現場で創出される。

    全国のトヨタ販売会社の中で顧客満足度ナンバーワンの評価を得ているネッツトヨタ南国相談役である横田英毅氏は、サービス業において顧客を感動させる要因について自身の著書『会社の目的は利益じゃない(あさ出版)』でこう述べている。

     

    私はお客様がどのような違いに気づき、感動されているのかできるだけ詳細にインタビューしました。(中略)

    そして私が納得させられたのは次の二つの言葉です。

    「笑顔がいいですね」

    「みなさんやらされてないですね」

    そうか、内側から沸き上がってくるサービス精神でやりがいをもって働く人々がお客様を感動させるのだと、このとききづかされました。

     

    この例からもわかるように、サービス業務において従業員エンゲージメントが重要な理由はここにある。

    島津明人氏の著書『ワーク・エンゲージメント』(労働調査会)によると、「ワーク・エンゲージメントは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力、熱意、没頭によって特徴づけられる」としている。エンゲージした従業員は、情熱と創意工夫を伴った顧客対応を行うため、顧客に感動体験を提供する可能性が高まる。

     

    管理者の心構え

    筆者も従業員エンゲージメントを目的としたプロジェクトに参画することがあるが、従業員エンゲージメントについて議論するとき、従業員の動機づけの方法論に関する議題に終始し、一方で管理者の心構えを見落としてしまっていることが多い。しかしながら、エンゲージした従業員を作りたいのであれば、まず先に管理者の心構えを変える必要がある。

    従業員エンゲージメントを強化するに際し、経営層やミドルマネジメントが従業員の存在をどのように認識しているかが決定的に重要だ。ここでダグラス・マクレガーの「X理論Y理論」という考え方を紹介したい。

     

    X理論Y理論とは、1950年代後半にアメリカの心理・経営学者ダグラス・マクレガーによって提唱された人間観・動機づけにかかわる2つの対立的な理論のこと。

    マズローの欲求段階説をもとにしながら、「人間は生来怠け者で、強制されたり命令されなければ仕事をしない」とするX理論と、「生まれながらに嫌いということはなく、条件次第で責任を受け入れ、自ら進んで責任を取ろうとする」Y理論とがあるとその理論を構築している。

    X理論においては、マズローの欲求段階説における低次欲求(生理的欲求や安全の欲求)を比較的多く持つ人間の行動モデルで、命令や強制で管理し、目標が達成出来なければ処罰といった「アメとムチ」によるマネジメント手法となる。

    Y理論においては、マズローの欲求段階説における高次欲求(社会的欲求や自我・自己実現欲求)を比較的多く持つ人間の行動モデルで、魅力ある目標と責任を与え続けることによって、従業員を動かしていく、「機会を与える」マネジメント手法となる。

    (ウィキペディアより)

     

    この「X理論Y理論」で隠された重要なメッセージは、「人はそのように扱えばそのようになるという原則」があるということである。つまり、「部下は管理者の人間観の鏡である」ということだ。よって、部下をどう管理するかという方法論以前に、「管理者自身の人間観が重要」ということになる(図表)。

    図1

    管理者の姿勢が従業員を変える

    顧客接点において感動が生まれるのは、従業員の情熱や創意工夫が顧客に伝わるからである。

    従業員は単純作業を行うだけの「労働者」でも、多少高度化された作業を正確かつ効率的に行う「機械」でもない。パスカルの“考える葦”ではないが、自発的に創意工夫を行う「人間」である。

    従業員エンゲージメントを単なる掛け声に終わらせないためには、管理者が従業員を人間として大切にするという発想を持つことが必要とされる。

    SHAR

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