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    2015.11.17 顧客エンゲージメント
    「おもてなし企業選」選出の株式会社なすびは、徹底した顧客志向で地域に愛される企業だった

    出典:株式会社なすび

    経済産業省が平成24年度から主催している「おもてなし企業選」。これは価格競争に陥ることなく、顧客のニーズに合致したサービスを継続的に提供し、「顧客」のみならず、「社員」、「地域・社会」から愛される経営を実現している企業を選出するものです。

    平成26年度のおもてなし企業選で、選出企業全国22社のうち、静岡県から唯一選出された、株式会社なすびへ実際足を運び伺ったお話を、2回にわたりご紹介します。第一回目はお客様に対する同社の考え方や活動をご紹介。サービス事業に携わる皆さんの経営のヒントとなるお話があると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

    【お話を伺った方】株式会社なすび専務取締役 藤田尚徳さん

    株式会社なすび専務取締役
    藤田尚徳(フジタ ヒサノリ)さん

    昭和50年10月9日生まれ
    東京経済大学経営学部卒業
    平成11年4月 サッポロビール株式会社 入社
    平成13年10月 株式会社なすび 入社

    とことん地域思いであることが伝わってくる、社名の由来に関するエピソード

    同社の主な事業は和食を中心としたレストランの経営及びケータリング。「地域に必要とされるお店であり続けること」を目標に、静岡市内を中心にコンセプトの違う店舗を14店構え、さまざま世代やシチュエーションに合わせた料理、サービス、空間の提供を行っています。

    日々「お客様にどうしたら喜んでいただけるのか」を考え、静岡のものを静岡で消費してもらうことをずっと大切にしてきた同社は、今でこそ当たり前となった「地産地消」に創業当時(昭和50年)から取り組み、行政が力を入れている食材などを中心としたお料理で、お客様をもてなしてきました。地元の方はもちろん、県外から訪れる観光客にも昼食処として立ち寄っていただくなど、自分達が県外でお店を出すのではなく、お客様に静岡に来てもらうことにも力を入れてきました。

    とても地域思いな同社の姿勢がよく伝わってくるのが、社名の由来にも関係するエピソード。

    「株式会社なすび」という名前は、初夢に見ると縁起が良いとされることわざ「一富士二鷹三なすび」の「なすび」に由来しています。この三つは徳川家康が最も好んだ「富士山・鷹狩り・初物の茄子」を指し、なかでも「初物の茄子」で家康が一番好んだのが「折戸なす」と呼ばれる、静岡市清水区三保・折戸地区のものだったそう。(世界文化遺産の三保の松原がある場所なので、縁起もよさそうですね!)

    徳川家康が愛した折戸なす
    丸くテニスボールほどの大きさの折戸なす 出典:株式会社なすび

    ただいつしか流通量が激減してしまった折戸なす。忘れられてしまった土着の食材の掘り起こしなどに注力してきた同社では、何とかそのおいしさを地域の皆さまに紹介したい、生産量を増やすことで地域活性化に貢献したいと、JAや生産者と協力をして復活に取り組んできました。今では地元の大手スーパーにも出荷できるくらいの生産量となり、同社のレストランでも期間限定で提供しています。

    このようなさまざまな取り組みが新しい食文化の創造や地域経済の活性化に貢献し、地元のお客様の「なすびは地元を大切にしている会社だ」という評価と信頼につながっています。

    これぞ神対応? ロイヤリティが高まりファンが増える株式会社なすびの顧客対応術

    同社は接客時、お客様とコミュニケーションをとったり、お客様がお帰りの際にアンケートを手渡ししたりするなどして、お客様の声をよりよい店づくりに生かしたいという姿勢を示しています。ただし、お客様が不満を口にされた時には、たとえそれがどんな些細なものだったとしても、「まずお客様のお話をよく聴き、心情を理解した上でお詫びを伝え、原因・事実確認を行い、解決策を持って、最終的にお客様のご自宅まで伺い、面と向かってお詫びの気持ちを伝える」ということを24時間以内に行うことを心がけています。「わざわざ来なくても大丈夫だよ」と言ってくれるお客様も多いそうなのですが、これ以上誠意のある対応もあまりないですよね。

    お客様のご意見というのは氷山の一角に過ぎないので、このような迅速丁寧な対応はとても大切です。ただし、「迅速」というのは、決して「謝り倒して、てっとり早く終わらせる」という意味ではありません。話をしている相手の心は、表情、口調、態度などから読み取れるものです。だからこそ、同社のように、どんな小さなことでもお客様の気持ちを大切にし、お客様の立場に立った対応がファンを生むのではないでしょうか。

    また例えば、「ラーメンが食べたい」とメニューにないものをお客様からリクエストされたら、違うものを提案するか、他の店舗から用意してお出しするなど、絶対NOとは言うことはありません。これらの対応は同社が掲げる「なすびの約束12ヶ条」(次回詳しくご紹介します)の1番にある「絶対『No』と言わない!」が浸透しているからできることだと思います。

    リピートのお客様が来店された時には手書きのメッセージや手土産をお渡しするなどの対応をしたり、本社から社長や役員が店舗に出向いて挨拶をするといったこともあり、それがお客様に「自分は大勢の客の一人ではなく、大切な存在なんだ」という特別感を味わっていただくきっかけとなり、ロイヤリティのさらなる向上に貢献しています。お客様は満足しても「ああ満足」で終わりですが、ロイヤリティが高まるとファンとなり、リピートや口コミをしてくださるので、ロイヤリティ向上の鍵となる「期待値を上回るサービス」をどうやったら提供できるのか、皆さんも同社の例を参考に考えてみてはいかがでしょうか。

    最後にご紹介したいのが下記、ひと工夫もふた工夫も凝らした同社の名刺です。

    meishi.jpg

    アコーディオン状に広がる名刺には、同社が経営する全てのレストランの情報と、「なすびのお気持ち券」と書かれた特別優待券がついています。これは何度も見てしまいますし、「お店に行ってみよう」という気持ちにもなります。ファンを増やすのにぴったりのツールですね。ナイスアイディアです!

    次回は従業員に対する同社の考え方や活動をご紹介します。ここにも思わず真似したくなるアイディアが盛り沢山ですので、どうぞお楽しみに!

    SHAR

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