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    2016.03.29 その他
    長所は最初に伝えよう! 第一印象がアップする自己紹介のちょっとしたコツ

    突然ですが、”Don’t judge a book by its cover”を日本語に訳すとどうなるでしょう? 直訳すると「本の中身を表紙で判断しないで」ですが、より私たちになじみのある日本語にすると、「見た目で人を判断しないで」になります。思わず「なるほど」とつぶやいてしまう言い回しですよね。

    もちろん、見た目で人を判断しないように気を付けたいとは思いますが、人間というのはどうしても見た目で人を判断する生き物でもあります。

    例えば野生動物は、何かが自分に近づいてきた時、敵なのか味方なのかを一瞬で判断して行動しないと命の危険にさらわれる可能性があります。これと同じく人間にも敵か味方か、快か不快か、などを一瞬で判断する能力が備わっているそうです。

    ということで、やはり第一印象に影響する表情や仕草、身だしなみなどの外見や、声のトーンや話し方などにもできるだけ気を配りたいものです。特に接客業に携わる方は、お客様と初めて接するその一瞬で印象が決まってしまい、それがお店の満足度にも影響しかねないので、普段から意識をして十分に気を付けたいですね。また、新しい出会いの多くなる新年度も、第一印象には気を配りたいものです。

    そこで本日は、少し意識をするだけで、第一印象のアップにつながるコツをご紹介します。

    最初に与えられた情報が印象に影響する?

    社会心理学のパイオニアであるソロモン・アッシュ氏が行った実験では、最初の一言で、受け手の印象が変わるということが分かりました。

    アッシュ氏が行なった実験では、まずAグループとBグループに分かれた参加者に、下記のような空想の人物の特徴が書かれたリストが渡されました。

    Aグループのリスト:
    知的→仕事熱心→衝動的→批判的→頑固→嫉妬深い(ポジティブからネガティブへ)

    Bグループのリスト:
    嫉妬深い→頑固→批判的→衝動的→仕事熱心→知的(ネガティブからポジティブへ)

    これをもとに、人物像を表現してもらったところ、ポジティブな特徴から始まるリストをもらったAグループの方が、ネガティブな特徴から始まるリストをもらったBグループより、ずっと好意的な表現をしたそうです。

    例えば、Aグループの参加者は、「この人は自分の知性を仕事に活かして努力している人だと思います。批判的や頑固というのは、自分の意見をもっているからそう思われているのではないでしょうか」と全体的に肯定的な評価をしたのに対し、Bグループの参加者は、「いくら知性的で仕事熱心でも、嫉妬深さや頑固さ、衝動的な部分が邪魔して、成功するのは難しいのではないでしょうか」と否定的な評価に。

    アッシュ氏は、下記2つの自己紹介を参加者に聞かせるという実験も行いました。

    ①「私は明るくおおらかな人間です。優柔不断なところもありますが、周りには慕われています。ただしいい加減で調子に乗りやすいところがあります」。

    ②「私はいい加減で調子に乗りやすいところがあります。優柔不断なところもありますが、周りには慕われていますし、明るくおおらかな性格です」。

    ほとんどの人が、①からは「多少の欠点はあるけれど、基本的には明るくおおらかな人だ」とポジティブな印象を受け、②からは「いい加減で調子に乗りやすくて、優柔不断だ」というネガティブな印象を受けるという結果に。基本的には同じことを言っているのに、ここまで印象が違うなんて面白いですよね。

    これらの実験から明らかになったのは、前述の通り、最初に与えられた情報が印象に最も影響を及ぼすということ。アッシュ氏はこれを、”Primary Effect”(初期効果)と名づけました。

    ”初期効果”がもたらす興味深い現象とは?

    初期効果の面白いのは、長所を先に聞くと短所もポジティブな特徴の一部として解釈されるのに、短所を先に聞いてしまうと長所があっても全体的にネガティブな特徴として捉えられてしまうということ。

    こちらの例が分かりやすいかもしれません。以前、私の友人がお付き合いを始めた男性のことを、「彼って変わり者だけど、優しくて真面目なところが魅力なの」と話していました。後日その彼に会う機会に恵まれたのですが、「彼は変わり者だ」という先入観を持ってしまっていたことに気づきました。これぞまさに初期効果です。

    せっかく魅力的なところが多いのに、自己紹介のせいでネガティブな印象を持たれてしまったらもったいないですよね! ぜひこの機会に初期効果を活用し、より良い人間関係を築くきっかけにつなげてみませんか?

    SHAR

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