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    2023.11.13 エンゲージメントカスタマージャーニー顧客体験
    NPS調査とはなにか?計算方法についても紹介

    NPSとは何か?その計算方法についてもご紹介

    NPS調査とは何か

    NPS(Net Promoter Score)は、2003年にフレッド・ライクヘルドによって考案され、彼の共同研究者であるベイン・アンド・カンパニーとサトメトリクスとともに開発されました。彼らは、多くの企業が顧客満足度調査に依存しているにもかかわらず、それがビジネスの成長や顧客の忠誠心との間に強い相関関係を持つことが難しいという問題を認識していました。

    彼らはこれに対する解決策を模索し、NPSという単純だが強力なツールを開発しました。NPSは1つの質問、すなわち「あなたは我々の会社、製品、またはサービスを友人や同僚に推奨する可能性はどの程度ですか?」に対する顧客の回答に基づいています。回答は0から10までのスケールで評価され、その結果をもとに顧客をプロモーター、パッシブ、ディトラクターの3つのカテゴリーに分けます。

    NPSは顧客ロイヤルティの指標として広く受け入れられ、多くの企業が顧客体験とビジネスパフォーマンスを評価するために使用しています。そのためNPSは「究極の質問」として呼ばれています。この方法で、企業は顧客の声を直接聞くことができ、それをビジネスの改善につなげることができます。

    NPS調査の方法とスコアの算出

    NPS調査は、顧客に一つの質問を投げかけます。「あなたは私たちの会社を友人や同僚に推薦する可能性は何点ですか?」この質問に対する回答は0から10までのスケールで与えられます。スコア9または10をつけた顧客は「プロモーター」とされ、スコア7または8をつけた顧客は「パッシブ」、6以下をつけた顧客は「ディトラクター」となります。NPSスコアは、プロモーターの割合からディトラクターの割合を引くことで算出され、最終的なスコアは-100から+100の範囲になります。

    NPS調査の利点

    NPS調査は顧客満足度を超えて、顧客のエンゲージメントとロイヤルティを評価します。これは、推奨する行動が会社の成長に直接的な影響を与え、新規顧客獲得、顧客保持、口コミによるブランド認知度向上を通じてビジネスパフォーマンスを向上させるからです。NPS調査はこれらの要素を捉えるための効率的な方法を提供します。

    NPS調査はビジネスにおける重要な判断基準の一つとなります。なぜなら、顧客のロイヤルティを計測し、顧客満足度を向上させるための施策を打つための鍵となるからです。以下、具体的なNPS調査の利点をいくつか挙げてみましょう。

    顧客の満足度把握

    NPS調査を通じて、顧客があなたの企業、製品、またはサービスにどれほど満足しているかを定量的に把握できます。これは顧客が次回も購入する確率や、他人への推奨の可能性を示す重要な指標となります。

    改善点の特定

    NPS調査は顧客満足度の高い点と低い点を明らかにします。これにより、何が顧客に喜ばれているのか、また、何が顧客の不満を引き起こしているのかを特定できます。これらの情報は製品の改良やサービスの改善に直接活用できます。

    業績の予測

    一般的にNPSスコアは企業の成長率と相関があるとされています。つまり、高いNPSスコアを持つ企業は、長期的な業績向上の可能性が高いとされています。これは、推奨者(Promoter)が新規顧客を増やし、さらにリピート購入を行う可能性が高いからです。

    競合との比較

    NPSスコアは業界標準と比較することも可能です。これにより、競合他社と比較して自社の位置を知ることができます。この情報を活用することで、自社の強みと弱みを理解し、競争力を維持するための戦略を策定することができます。

    これらがNPS調査の主な利点であり、これにより企業は顧客体験を改善し、経営をより効率的にすることが可能となります。したがって、NPS調査は企業にとって重要なツールとなります。

    NPS調査の限界と対策

    しかし、NPS調査には限界もあります。一つの質問から得られる情報は限られており、なぜ顧客がそのスコアをつけたのかの理由や背景を把握することは難しいです。また、全ての顧客が推奨行動に同じ価値を置くわけではないため、文化や業界による解釈の違いも存在します。これらの限界を克服するためには、NPS調査を他の定性的なフィードバック手法と組み合わせることが推奨されます。たとえば、オープンエンドのフォローアップ質問を使用すると、顧客が特定のスコアをつけた理由を深く理解することができます。

    私達は数値だけでは、測れない部分をNPSの第2設問として「NPSでつけたスコアの理由を教えてください」という自由回答をいただいています。

    こうすることにより、勧めてくれる理由や勧めない理由が明確にすることが可能なります。

    NPS調査の成功事例

    アップルはNPS調査を活用した企業の一つで、その成功事例はよく引用されます。アップルは製品だけでなく、Apple Storeでの顧客体験にも注力しており、これが高いNPSスコアにつながっています。彼らは、NPS調査から得られるフィードバックを元に、顧客体験を常に改善し続けています。

    NPS調査でよくいただく質問

    Q.なぜNPSは11段階での評価なのか?

    A.NPS(Net Promoter Score)が11段階(0から10)でスコア化される理由は、その精度と表現の幅を確保するためです。スコアが高いほど幅広い範囲の感情をカバーでき、顧客が自身の満足度をより正確に表現できます。

    また、11段階スケールは統計的な理由から選ばれることもあります。中心点が存在しない偶数スケール(10点スケールなど)とは異なり、11点スケールには中心点(5)が存在します。これにより、顧客はポジティブな評価とネガティブな評価の間で「中立」を選択することができます。

    また、NPSの質問においては、スコア7や8を選んだ顧客を「パッシブ(中立)」と分類することで、本当にビジネスを推奨する(スコア9~10のプロモーター)顧客と、ビジネスを推奨しない(スコア0~6のディトラクター)顧客をより明確に区別します。 以上のような理由から、NPSでは11段階のスコア化が行われています。

    5〜6の評価は批判者ではないと考えます。なぜ批判としてカテゴライズすべきなのか?

    その通りで、NPS(Net Promoter Score)の評価スケールは国や文化によって異なる感じ方をする可能性があります。特に、日本人は一般的に控えめであり、評価の表現が他の文化よりも低めになる傾向があると言われています。NPSのスケールについては、あくまで基準値として設定されており、そのスコアの解釈は文化的な背景や業界の特性によって異なります。日本国内では、NPSはマイナスに振れやすくなります。

    ただ重要なのは、NPSは単なる数値ではなく、顧客の声を理解し、そのフィードバックをビジネスの改善につなげるための手段であるということです。それは、顧客がどのように感じ、どのように行動するかを理解することに焦点を当てています。

    そして、NPSの数値だけを追求するのではなく、顧客からのフィードバックを深く掘り下げ、それに基づいて具体的な改善策を検討することが最も重要です。それにより、顧客満足度を向上させ、長期的なビジネスの成功につなげることができます。

    NPSと業績に相関関係は本当にあるのか?

    NPS(Net Promoter Score)と業績の相関性については、多くの研究で確認されています。フレッド・ライクヘルドが「The Ultimate Question」で初めてNPSを紹介した際に、彼は多くの企業でNPSスコアが高いことが高い成長率や収益性に直接関連していると提唱しました。その理論は以来、多くの企業や研究者によって検証され、多くの場合において支持されています。

    しかし、NPSと業績の相関性は必ずしも全てのビジネスや状況で当てはまるわけではありません。業界や市場の特性、競争状況、商品やサービスの性質など、多くの要因が結果に影響を及ぼします。また、NPSはあくまで顧客の感情や行動傾向を示す一つの指標であり、それ自体が直接的な収益を生むわけではありません。NPSのスコアを改善するための具体的なアクションや改善策を実行することが、最終的な業績に影響を及ぼす要素となります。

    したがって、NPSはあくまでツールであり、それを適切に使い、顧客のフィードバックに対して適切なアクションを起こすことが重要です。その上で、顧客のロイヤルティを高め、ビジネスの持続的な成長を実現するための戦略的な指標としてNPSを活用することが可能です。

    自社でのNPS調査の導入と活用方法

    自社でNPS調査を導入するには、まずは正しい質問を設定し、それを顧客に提供する方法を決定します。これは通常、メール調査、ウェブサイト上のポップアップ、アプリ内の通知などを通じて行われます。次に、得られたフィードバックを解析し、アクションプランを策定します。NPSスコアが低い場合は、問題の原因を特定し、それを解決するための改善策を立案します。また、高いNPSスコアを維持するためには、良い体験を提供し続けることが必要です。

    NPS調査と他のCXマトリクス

    NPS調査は、他の顧客体験(CX)メトリクスと組み合わせることで、より深い洞察を得ることが可能です。たとえば、顧客満足度(CSAT)調査や顧客エフォートスコア(CES)調査といった他のメトリクスと組み合わせることで、顧客体験の全体像をより詳細に把握することが可能になります。 顧客体験(Customer Experience, CX)を評価するために使われる指標には、NPS(Net Promoter Score)以外にもいくつかあります。以下にその主なものをいくつか挙げてみます。

    顧客満足度(Customer Satisfaction Score, CSAT)

    これは、顧客が特定の製品、取引、またはサービスにどれだけ満足しているかを測定する指標です。通常、顧客に「あなたは私たちの製品/サービスにどの程度満足していますか?」と尋ね、5点または7点スケールで評価を求めます。

    顧客エフォートスコア(Customer Effort Score, CES)

    これは、顧客が特定のタスクを達成するためにどれだけの努力を必要としたかを測定する指標です。一般的には、「問題の解決にどれだけ努力を必要としましたか?」といった質問を7点スケールで評価します。

    顧客存続率(Customer Retention Rate)

    れは、一定期間内に顧客を保持できたかを測定する指標です。この数値が高いほど、顧客体験が優れていると言えます。

    顧客解約率(Churn Rate)

    これは、一定期間内に失った顧客の割合を測定する指標です。この数値が高いほど、顧客体験が不十分である可能性があります。

    顧客ライフタイムバリュー(Customer Lifetime Value, CLV)

    これは、顧客がビジネスにもたらす総利益を予測する指標です。高いCLVは、長期的な顧客関係と高い顧客満足度を示すことがあります。

    これらの指標はそれぞれ異なる視点から顧客体験を捉えるため、具体的な目標や課題に応じて適切なものを選び、複合的に使用することが推奨されます。

    まとめ:NPS調査の重要性

    そして最後に、NPS調査の重要性を強調します。NPSは、企業が自社の顧客体験を評価し、それがビジネス成果にどのように影響しているかを理解するための有効なツールです。これにより、どの部分がうまくいっているのか、どの部分で改善が必要なのかを明確に把握することができます。

    NPSスコアが高ければ高いほど、顧客は企業の製品やサービスを他の人々に推奨しやすくなり、その結果、新規の顧客を獲得する可能性が増えます。また、NPSスコアが低ければ、それは顧客体験の何らかの側面で問題が存在することを示し、改善のための手がかりを与えます。

    しかしながら、NPS調査だけで全てを判断するのではなく、他の指標と合わせて使用することが重要です。CSAT(顧客満足度)、CES(顧客エフォートスコア)などといった他の指標と組み合わせて分析することで、より広範で深みのある顧客体験の理解につながります。

    最後に、NPS調査はただ行うだけではなく、その結果をどのように活用し、改善策をどのように実行するかが重要です。NPSのスコアは、企業の指導力、組織の体制、従業員の教育など、企業全体での取り組みを必要とします。

    以上、顧客体験とビジネス成果を向上させるためのNPS調査の重要性について説明しました。企業が顧客からのフィードバックを重視し、それを改善のための行動に移すことで、持続的なビジネスの成長と成功につながることをお忘れなく。

    SHAR

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