2019.04.28
エンゲージメント
顧客ロイヤリティ向上に不可欠な4つの“ブランド・プロミス“
目次
数々の感動のおもてなし伝説が日々生まれているディズニーリゾート
このようなストーリーを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
東京ディズニーランドのスプラッシュマウンティンで、母の形見の指輪をなくした方がいました。水の中、発見は絶対無理だと思いました。
後日発見の電話。どうやって見つけたんですか?、と聞くと『ここは魔法の国です』と。裏話ですが、1つの指輪を探すのに、30人のダイバーが潜ったそうです。
-降谷英幸 (@eriashiww) 2011年10月23日
感動のおもてなしだけがファンを満足させているわけではありません。どんなに混んでいても「楽しかった!」と大満足でパークを後にし、何度もリピートをしてしまうのは、このような粋なはからいがあるからだと思います。
パレードが始まる前に場所取りしている人たちで通路が混雑していて、私たちはパレードを見ないのに中々通路を通れないときに、ごみを拾う人が私たちの目の前で水でキャラクターをいくつか書いてくださり、退屈させないようにしてくれたのが嬉しかった♪pic.twitter.com/CB4dJR5Zgm
-ほっこりいい話 (@tsubostsubo)?2015, 4月 21
サービス産業生産性協議会が毎年発表しているJCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)のエンタテイメント部門の常連である東京ディズニーリゾートは、2014年度も「ロイヤリティ」「推奨意向」「知覚品質」のカテゴリで1位を獲得しましたが、この結果には納得です。
ディズニーのおもてなしの原点を学ぶことができるディズニー・インスティテュート
ディズニー流おもてなしを学びたいという人・企業も多いと思いますが、そのノウハウを直接学ぶことができるのが、アメリカ・フロリダ州のディズニーワールド内にある「ディズニー・インスティテュート」。主にビジネスパーソンや企業に向けた顧客サービスに特化したセミナー・ワークショップなどを提供し、そのジャンルはブランドロイヤリティ、エンゲージメント、良質サービス、イノベーション、リーダーシップ/ビジネス・エクセレンスなど多岐にわたります。参加者はディズニーの経営手法を学ぶことができるだけでなく、それぞれが業務に活かすことができるアドバイスも受けられるそう。
マッキンゼーも注目しているというディズニー・インスティテュートは、ハーゲンダッツ、ユナイテッド航空といった大企業や、南アフリカ共和国政府、さらには地方の美容院やレストランなどに至るまで企業の規模に関わらず依頼を受け、コンサルティングを行っています。
アメリカ・フロリダ州にある病院では、ディズニー・インスティテュートの助言を受け、患者の不安を和らげるために、サファリルックのウクレレ奏者が玄関で患者をお出迎え。また、仰向けで過ごすことの多い入院患者が不安な気持ちにならないよう、院内の照明を蛍光灯から間接照明に変えるという配慮も。これはあくまで一例ですが、数々のおもてなしが功を奏し、以前は全米でワースト10%に入っていた患者満足度は、たった1年でトップ10%に入るほど急上昇したのだとか。
高い顧客満足度は顧客ロイヤリティの向上となり、高い顧客ロイヤリティが企業・ブランドの成長へとつながります。多くの企業や個人の救世主となってきたディズニー・インスティテュートは、顧客ロイヤリティに対してどのような考え方をしているのでしょうか。
ディズニー・インスティテュートが考える、“ブランド・プロミス“に大切な4つのこと
顧客ロイヤリティが高い状態とは、ただ単にお客様が商品・サービスをリピートしてくれるということではなく、お客様が自社製品・サービスに対して深い共感と愛着を持ってくれているということ。共感や愛着は前述にあったような心を突き動かされるような感動体験で生まれます。そしてお客様一人ひとりと企業・ブランドの間に絆が育まれ、良好な関係を長期的、継続的に維持できるようになります。
ディズニー・インスティテュートは、「ブランド・プロミス(Brand Promise)」こそが顧客ロイヤリティ向上に不可欠だとしています。ブランド・プロミスとは、ブランド(企業)がお客様に対して提供する製品・サービスの価値の約束。ブランド(企業)の価値を定義づけるもので、機能、感情の両面にわたります。(参考:日比谷花壇のブランド・プロミス、よつ葉乳業のブランドプロミス)
ではお客様の感情に働きかけるために必要なブランド・プロミスの要素とは何でしょうか?
①大切なモノ、コトであるということ
ブランド・プロミスは、自社製品・サービスがお客様にとって大切なモノ、コトであるということを証明するものであるのが理想的です。何故ならお客様はブランド(企業)に対して、自分の時間とお金を費やす代わりに、価値のある見返りを求めるからです。
②信頼できるということ
ブランド・プロミスは、お客様が、ブランド(企業)が約束する製品・サービスが実現可能で確実に手に入るものであると信頼できる必要があります。お客様の気を惹きたいからと言って、非現実的なことや、提供できないものをできると約束するのはやめましょう。
③オンリーワンであること
ブランド・プロミスは、ニッチを狙い、お客様に自分の居場所はここにあると思ってもらうのが理想的です。「全ての人に安く」を提供するのではなく、「1%でも光るもの」を提供し、顧客に「これが欲しい時はあそこに行けばある」と思ってもらえるような商品・サービス展開を考えましょう。
④差別化できていること
ブランド・プロミスは、競合とはっきりとした差別化ができているものであるのが理想的です。差別化があることで、顧客に特別な共感と愛着を持ってもらえるからです。
前述の通り、ブランド・プロミスは、お客様との絆づくりを可能にします。大切なのはブランド・プロミスに一貫性があること。そして、その約束をずっと守り続けるということ。これはブランド(企業)に属する従業員全てがブランド・アンバサダーとなり、ブランド・マネージャーとなり、ブランド・プロミスを日々の行動や決断に反映させることで実現することができます。
ちなみに日本にも、東京ディズニーリゾートの研修・セミナープログラム「ディズニーアカデミー」があります。あくまで企業や学校などの団体向けですが、ディズニー独自の考え方を学べるということで、ぜひ一度受講してみたいものですね。
参考:
In Customer Service Consulting, Disney’s Small World Is Growing
It’s Not Just Luck: 4 Things A Brand Promise Needs to Drive Customer Loyalty
顧客体験(CX)、NPSに
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