2025.11.08
従業員エンゲージメント
【コラム】“声を出す社員”が増える会社
─心理的安全性のCX効果─
目次
心理的安全性とは、そして“声を出す”社員の価値
ここ数年でHR業界では「心理的安全性(Psychological Safety)」という言葉はだいぶ浸透したのではないでしょうか。
社員が意見を述べたり失敗を報告したりする際、恥ずかしさや罰を受ける恐れなく行動できるという信念をチーム内・組織内で共有している状態を指しています。
特に体験価値(CX)を高める企業においては、スタッフが「お客様の声をそのまま言っていい」「この場で自分の意見を言って反映される」と感じられるかどうかが、ブランドに大きな差を生む要因となっています。
なぜなら、顧客との接点を持つ現場社員が自ら課題を発見し、改善の声を出せる文化があれば、CXは単なるプラン通りの体験ではなく、“進化する体験”へと変化するからです。
実際、Deloitteは高性能チームを育てるプログラムの中で「心理的安全性を組織文化に組み込む」研修を実施し、リーダーがまず意見を聞き、社員が安心して声を出せる環境づくりを進めています。
また、Ally Financialでは、心理的安全性を測定指標として取り入れ、社員がマネージャーに対して意見を述べやすい環境整備を推進しています。
こうした“声を出せる環境”がある企業では、顧客接点での改善スピードが早く、体験価値を高め続ける構造が築かれています。
“声を出す文化”がCXに生む3つの好影響
企業が心理的安全性を高め、社員が声を出すようになると、CXに対しても次のようなポジティブな影響が現れます。
① フィードバックの質と速度向上
社員が気付いた接客上の違和感や顧客の“言いづらい声”を上げられる環境では、改善サイクルが速く回ります。アルバイト・パート・現場スタッフも「自分の声が価値になる」と感じることで、微細な体験のズレを報告しやすくなります。
店舗ごとでは、スタッフ間のコミュニケーションに特に強く現れており、心理的安全性が低い店舗では離職率も高くなっております。
② 顧客体験の“リアル化”と個別最適化
声を出す社員が増えれば、マニュアル外の“本音・気付き”が上がりやすくなります。これがCX設計に活きれば、「この人にはこの接客」というレベルまでサービスを個別最適化できます。
③ ブランディングとしての“共創体験”化
社員が顧客の声を反映させて体験を改善している姿が浸透すれば、顧客にも「このブランドは私の声を聞いてくれる」と感じられます。それ自体がロイヤルティを生む“体験価値”となります。
これらは当社のクライアント先の調査でも裏付けられており、心理的安全性の高い組織では離職率低下・生産性向上・イノベーション創出といった成果が出ています。
心理的安全性を“声が出る文化”に変えるための3ステップ
では、企業がどのようにして「声を出したくなる社員」をつくるのか。以下に実践的ステップを示します。
ステップ A:リーダーの“聞く姿勢”を可視化する
例えば、あるクライアントの取り組みでは、リーダー自身が「自分も意見を出す側」であることを率先して示しています。
リーダーから「聞かせてほしい」「意見を歓迎する」と発信し、初期段階では社員の声をフィードバックして反映された事例を社内で共有することが有効です。
ステップ B:声を出しやすい仕組みを設計する
アナログ、デジタルどちらでも構いませんが、社員が「報告」「提案」「失敗共有」ができる簡易な場を設けましょう。例えば、週次ミーティングの冒頭5分に“今週気になった顧客接点”を共有する習慣など。心理的安全性の高いチームは、このような“発言機会”を日常化しています。
毎日の朝礼や申送りのタイミングなどで、習慣化することをおすすめしています。
ステップ C:顧客体験(CX)改善と連動させる
社員の声が上がったら、それをCX改善に繋げる仕組みを明確にします。例えば「提案から◯日以内に対応」「改善内容を次号社内報で紹介」など、声→アクション→結果の流れを可視化する。これが「自分の声が体験価値を変えた」という実感を生み、さらなる声を促します。
まとめ:声を出す文化が、顧客体験を進化させる
「声を出す社員」が増えるということは、ただの意見数の向上ではなく、CXを進化させるための “現場からのリアルなインサイト” が流れ込む組織になるということです。
そして、そのインサイトを顧客体験に反映していくことで、ブランドは単なるサービス提供者ではなく、「顧客と共につくる体験の場」へと変化します。
これこそが、EX(従業員体験)を起点とし、CX(顧客体験)を持続的に高める、TEGが提唱する体験価値経営の核心です。
今、経営者・CX担当・人事・現場マネジャーの皆さまには、ぜひ「声を出せる文化づくり」から次の一歩を踏み出していただきたいと思います。
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