2025.02.15
従業員エンゲージメント
【コラム】従業員が辞めない会社の共通点:EXを高める具体策
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企業の成長において、従業員の定着率は重要な指標の一つです。私達のでこれまでの経験からも、離職率の高い会社は同業者の中でも利益が低くなっております。そこで従業員調査を行い、不満の順位の高い報酬などをすぐに見直そうとする例をよくみます。しかし、賃金を上げることにより、当初は満足度は高まるのですが、1年もしないうちにまた同じように満足度は下がります。このことから処遇も大切なのですが、それ以上に大切なことがあります。それは「なぜ働くのか、だれと働くのか、どう働くか」など、従業員の方の立場で考えることが重要です。
高い離職率に悩む企業が多い一方で、「社員が辞めない会社」には共通する特徴があります。それは、単なる給与や福利厚生の充実だけでなく、従業員体験(EX: Employee Experience)を向上させ、働く環境そのものを魅力的にしていることです。
EX(従業員体験)は、従業員が企業との関わりの中で感じるすべての体験を指し、職場環境や人間関係、成長機会、働きがいなどが含まれます。EXの向上に成功している企業では、従業員のモチベーションが高まり、生産性が向上するだけでなく、結果的に企業の競争力も強化されます。
「従業員が辞めない会社」の共通点を整理し、EXを高めるための具体的な施策について紹介します。
「心理的安全性」が確保された職場環境
社員が安心して意見を言い、挑戦できる環境が整っている会社では、定着率が高まります。近年、多くの企業が「心理的安全性」を重視する理由は、働く人が不安なく仕事に取り組める環境が、パフォーマンスや組織の成果に大きな影響を与えるからです。
EX向上のための施策
• オープンなコミュニケーションの推進
• 1on1ミーティングを定期的に実施し、上司と部下が本音で話せる場を作る。
• 上司からの一方的な指示ではなく、従業員の意見を尊重するカルチャーを醸成する。
• 「失敗を許容する文化」の形成
• 新しいチャレンジが評価されるような制度を導入し、社員がリスクを恐れず挑戦できる環境を整える。
• 失敗した際の学びを共有することで、同じミスを繰り返さない組織文化を作る。
心理的安全性を確保することで、従業員は会社に対する信頼を持ち、結果として定着率の向上につながります。言うのは簡単ですが、行うのは相当覚悟が必要になります。
「成長機会」を提供し、キャリアの選択肢を広げる
従業員が辞める大きな理由の一つに、「この会社では成長できない」という不満があります。特に、意欲の高い人材ほど、学び続ける環境を求める傾向にあります。
EX向上のための施策
• スキルアップのための支援制度
• 研修制度や資格取得の補助を充実させることで、社員が自己成長を実感できるようにする。
• 社外のセミナーやカンファレンスへの参加機会を提供し、新しい知識を得られる環境を整える。
• 社内異動やプロジェクト参加の柔軟化
• 1つの部署に長くとどまるのではなく、希望に応じて異動や新規プロジェクトに参加できる仕組みを作る。
• 「挑戦したいことがあれば社内で叶えられる」という環境を整え、優秀な人材の流出を防ぐ。
従業員が「この会社でなら長く働ける」と思えるような成長環境を整えることが、EX向上の鍵となります。特にZ世代などではキャリアデザインを考える習慣もあり、転職に対するハードルも下がっています。
「働きがい」を生み出す企業文化
「給与や福利厚生が充実していても、働きがいを感じられなければ人は辞める」というのは、企業の人事担当者にとって共通の課題です。働きがいを感じるためには、「自分の仕事が会社や社会にどう貢献しているのか?」を実感できる環境を作ることが重要です。
EX向上のための施策
• 企業のビジョン・ミッションを社員に浸透させる
• 会社の理念や社会的意義を社内で積極的に発信し、社員が自分の仕事に誇りを持てるようにする。
• 例えば、経営陣が定期的に「会社のビジョンについて語る場」を設けることで、従業員の共感を得る。
• 従業員のアイデアを活かせる仕組み
• 「社内提案制度」を導入し、業務改善や新規事業のアイデアを募ることで、社員が主体的に働ける環境を作る。
• 取り入れられたアイデアにはインセンティブを設けることで、従業員のやる気を高める。
このように、社員が「この会社で働くことに意味がある」と実感できる環境を作ることで、離職率を下げることができます。最近ではSDGsなどの社会貢献への取組なども注目されています。
柔軟な働き方の導入
「ワークライフバランスが保てる会社かどうか」も、従業員の定着に大きく影響します。特に、働き方の多様化が進む現代では、フレックスタイム制度やリモートワークの導入がEX向上の重要な要素となっています。
EX向上のための施策
• 柔軟な勤務体系を導入
• フレックスタイム制度を導入し、社員が自分に合った働き方を選べるようにする。
• 週に数日のリモートワークを認めることで、ワークライフバランスを向上させる。
• 業務の効率化を推進
• 会議を短縮したり、ツールを活用することで、無駄な業務を減らす。
• 業務効率が向上することで、社員が「長時間働かなくても成果を出せる」環境を作る。
柔軟な働き方が可能な会社では、社員が「この会社なら長く働ける」と感じるため、結果として定着率が向上します。私などの昭和世代からすると、隔世の感がありますが、これらのテクノロジーや柔軟な考え方を採り入れていく姿勢は非常に重要です。
まとめ:EXの向上が企業の未来を変える
「従業員が辞めない会社」は、単に給与や待遇が良いだけではなく、「心理的安全性」「成長機会」「働きがい」「柔軟な働き方」をバランス良く提供しています。EXを高めることで、従業員の満足度が向上し、結果的に企業の業績やブランド価値の向上にもつながります。
EXを向上させるための4つの施策
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心理的安全性を確保:オープンなコミュニケーションと失敗を許容する文化を作る。
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成長機会の提供:キャリアアップの機会を増やし、従業員が挑戦できる環境を作る。
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働きがいの創出:従業員のアイデアを活かし、企業のビジョンを明確にする。
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柔軟な働き方の推進:フレックスタイムやリモートワークを取り入れ、ワークライフバランスを向上させる。
これからの企業経営において、EXの向上は避けて通れないテーマです。従業員が「この会社で働き続けたい」と思える環境を整えることが、企業の持続的成長を支える最大の要因となるでしょう。中堅中小企業では実行は大変です。これからの成長のためにはCX-EXを充実させて行くことにより、全社員リーダーシップ経営が可能になり、その上での業績向上が不可欠になるのではないでしょうか。
当社ではEX診断に基づき、HRでの現場経験豊富なスタッフが伴走コンサルティングをさせていただきながら、ご支援させていただきます。
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