2016.11.08
従業員エンゲージメント
データを使用した従業員定着率とエンゲージメントの高め方
50年前に比べ、優秀な人材は雇用市場でより大きなパワーを持つようになってきました。様々な情報へのアクセスが容易になったことや、いわやる名刺交換会と呼ばれるネットワーキングなどが行われるようになったことで、より透明性のある雇用市場が生まれたからです。結果、転職が容易になりましたが、デロイトのシンクタンクの調査によると、この流れにより、今企業の多くの経営者が「定着率とエンゲージメント」を二番目に重要な経営課題として捉えるようになったそうです。
企業に今求められているのは、優秀な人材を確保し、定着させること。いつまでも昔ながらの型にはまった人材マネジメントを行っていたら、感受性や創造性の高い一個人として扱ってほしいと思っている従業員は、「自分のニーズが満たされない」と会社を去ってしまうはずです。
では、現代の企業が、魅力的な組織づくりをするためにできることにどのようなことがあるのでしょうか。現代企業にとってデータの活用はそのビジネスパフォーマンスを左右するものですが、毎日出社が楽しくなる会社をつくるためにも欠かせないものです。経営陣は、従業員が「自分は評価されている」と感じ、エンゲージメントを高めるために活用できるデータを得る必要があります。
従業員エンゲージメントデータを得る方法
多くの企業が今、なぜ従業員がが会社を離れることを選択するのか、また離職を防ぐために何ができるのかを把握するための分析ツールに投資しはじめています。組織の健康状態をリアルタイムで確認できる従業員エンゲージメント調査専用のソフトウェアや、従業員の感情をモニタリングできるアプリなどを活用することで、効率的に職場の雰囲気を知ることができます。
一方、従業員満足度を正確に測定するために無料で活用できる従業員データも存在しています。例えば従業員の定着率、離職率、福利厚生に対する反応、昇給に対する反応などは、従業員のモチベーションを高めるものは何かを知るための大切な情報源となります。加えて、フォーカスグループ(定性調査)を定期的に行い、より“現場に寄り添った”マネジメントを行うことで、実態に即した情報を、人材マネジメントに活かすことができるようになります。これらのデータにより経営者は、企業の目標、エンゲージメント、文化を定義づけることが可能になります。
従業員エンゲージメントデータを活かす方法
従業員エンゲージメントデータを見て経営陣が判断しても良いのですが、ベストなのはそれを社内に公開することです。例えば毎月行われる全社ミーティングなどがあれば、そこでデータを共有することで、改善が必要とされる部門のメンバーから直接フィードバックをもらうことができます。そのフィードバックは経営陣にとって有益な情報になるだけでなく、情報公開をすることで透明性が高まり、従業員がその価値観を分かち合い、会社をよりよくしたいというモチベーションにつながります。
定着率や離職率、福利厚生や昇給などのデータ収集をするのは、企業の上層部が行うべきことではありますが、この数字について従業員と会話をし、改善のために彼らがどんな変化を望んでいるのかを探るべきです。実際どのような変化が可能なのか選択肢を用意し、最終的に従業員に選ばせることで、従業員エンゲージメントもより高まるのではないでしょうか。
※この記事はENGAGE FOR SUCCESSの下記の記事を許可を得て翻訳・転載しています。
http://engageforsuccess.org/using-data-to-improve-retention-and-engagement
ENGAGE FOR SUCCESSとは? 2011年3月29日、デーヴィッド・キャメロン首相のもと、従業員エンゲージメントを高めることで、GDPを26億ポンド増加させるために「従業員エンゲージメント・タスクフォース(Employee Engagement Task Force)」と呼ばれる特別チームが結成されました。このチームのメンバーである民間企業と公共機関のビジネス・経済などのスペシャリストにより、「成功目指してエンゲージメントを高めよう(”Engage for Success”)という運動が始まりました。Engage for Successのホームページでは、従業員エンゲージメントを高めるためのアイディアやツール、事例などが多く紹介されています。 |
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