メルマガ登録

    CXの最新情報をお届けいたします。

    console.log("postID: 4592");console.log("カウント: 175");

    2025.10.05 体験価値
    【コラム】万博に見る“体験価値”の本質─なぜ人は“見に行った”のか?─

    万博

    2025年の大阪・関西万博の閉幕が近づいてきました。

    当初、メディアでは閑古鳥で大変なことになるなど、騒がれましたが結果は大成功と言ってよいのではないでしょうか。

    私の周りの方も多く訪れていたようです。私は残念ながら、70年の万博も行けませんでしたが、今回も参加できずでした。

    万博は“未来の体験”を共有する場だった

    テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。

    これまでの万博も時代ごとの「未来体験のショーケース」でした。

    1970年の大阪万博では、世界初の動く歩道や電話回線によるテレビ会議が話題に。

    私は小学生低学年でしたが、数名の友人は実際に見に行き、話を聞かせてくれました。羨ましかったことを思い出します。

    まだ一般には存在しなかった未来の生活を“体験できる場”だったのですね。

    「見たことのない世界を実際に感じたい」──このワクワク感こそが、最大の体験価値でした。

    しかし、現代ではテクノロジーの進化により、私たちはスマホ1台で世界中の展示を“見る”ことができます。

    だからこそ、2025年の万博に問われるのは「なぜ行くのか?」という問いでした。

    その答えは、“リアルでしか得られない体験価値”にあったのではないでしょうか。

    「体験価値」とは“同時性と共感”を生むこと

    万博のようなリアルイベントが今も人を惹きつけるのは、「同じ時間・同じ場所を共有する価値」があるからです。

    例えば、企業パビリオンでの体験型展示は、単なる情報発信ではなく、“共に感じる”ことをデザインしています。

    トヨタの過去の万博出展では、未来のモビリティを「見せる」のではなく「乗って感じてもらう」形式を取りました。

    また、パナソニックは“いのちをつなぐ技術”をテーマに、生命や自然とのつながりを五感で体験できる空間を構築しています。

    そこには、デジタル情報では再現できないリアルな身体感覚と感情の同期があります。

    「その瞬間、その場にいた」という体験は、データではなく記憶に残る。

    それがまさに“体験価値”の本質です。

    万博の舞台裏に見るEXとCXの関係

    もう一つ、万博が示しているのはEX(従業員体験)なくしてCX(顧客体験)は成り立たないということでしょう。

    来場者が感動する展示の裏には、現場で働くスタッフ・ボランティア・クリエイターたちの情熱と準備があります。

    たとえば1970年の大阪万博では、約7万人のスタッフが半年以上の研修を受け、

    「来場者一人ひとりの笑顔を引き出す」ことを目的に行動していました。

    体験価値は、つくる人の“思い”が伝わった時に最大化します。

    どれだけハイテクでも、接する人の表情や言葉が冷たければ、体験は薄っぺらくなってしまいます。

    報道でも話題になりましたが、会期中に一時的な停電で乗り入れの電車の運転見合わせが発生しました。
    会場から帰宅するための多くの来場者が、会場内に足止めになり、会場内で一夜を明かす事態になったようです。
    その際に会場内のパビリオンのボランティアスタッフが、残された来場者に最新情報を伝えたり、お子様連れや高齢者優先の対応で安全確保に努めた様子がメディアで紹介されていました。

    万博は、まさにEXとCXが融合した「人の力で未来を感じさせるイベント」といえるのではないでしょうか。

    まとめ:未来の万博は、“心が動く体験”の競演へ

    このようなことから、万博は技術の展示という側面だけではなく、“心を動かす体験価値”のイベントと考えるほうがよいでしょう。

    AIやロボット、デジタル技術が発展する時代だからこそ、

    「人が人に与える影響」──それこそが最大のテーマになるのではないでしょうか。

    私たち企業もまた、同じ問いに直面しています。

    “便利さ”ではなく、“感情が動く体験”をどう設計するか。

    2025年の万博は、まさに企業のCX・EX戦略を再考するきっかけになったのではないでしょうか。

    自分としては本当に行けずに、残念でした。

    SHAR

    • line
    • facebook
    • facebook
    • はてな
    • facebook

    顧客体験(CX)、NPSに
    関するご相談

    トータルエンゲージメントグループでは、これまで延べ100社以上15,000店舗以上のアパレル・小売流通・飲食宿泊から金融、行政などB2C事業からSaaSやメーカーのようなB2B事業など、様々な業種での支援実績がございます。
    CXにおける改善をツール提供だけでなく、全体の戦略をもとに策定・実施まで一気通貫でサポートいたします。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください!

    メルマガ登録

    Total Engagement Groupの最新ニュースや、CX・NPSの最新トレンドを
    メールマガジンにて配信しております。ご登録はこちらから!

      CXの最新情報をお届けいたします。

      コメントを書く

      コメントはこちらで承認の作業を行うまでは表示されません。ご了承ください。

      © 2022 Total Engagement Group Inc.
      All Rights Reserved.