2013.11.22
顧客エンゲージメント
NPSアンケート結果発表!シンクーセミナー(宣伝会議サミット デジタルマーケティングフォーラム2013)
シンクーが協賛した「宣伝会議サミット2013 デジタルマーケティング・フォーラム」は2013年11月20日、ANAインターコンチネンタルホテルにて開催され、3千名を超える来場者でにぎわいました。
当サミットにおいて、シンクーは
『顧客エンゲージメント超入門~リピート率を飛躍的に高めるコミュニケーション~』
と題したセミナーを開催。シンクー エンゲージメント・フォーラムCEO (Chief Engagement Officer)、松尾が「顧客エンゲージメント」、分かりやすく言い換えると、お客様との「きずな」を作り、強化する方法についてお話させていただきました。
当セミナーはおかげさまで満席となり、124名の方にご出席いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
セミナーへのご出席、誠にありがとうございました。
さて、セミナーに出席された皆様にはNPS(Net Promoter Score)アンケートへの回答をお願いしましたが回収数は84枚に達し、67.7%という高い回収率となりました。アンケートにご回答くださった皆様に改めてお礼申し上げます。
当記事では、このアンケート結果を包み隠さずお伝えするとともに、NPSをどう集計・分析し、活用するのかということについて初歩的なレベルではありますが、実データを利用した事例としてご紹介したいと思います。
NPSアンケートは以下の2問です。
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Q1 お客様との「きずなづくり」に興味・関心のある友人・知人に対して、本日のセミナーをどの程度勧めたいとお感じになりますか?10点満点(0点:勧めない ~ 10点:ぜひとも勧めたい)でご評価お願いします。
Q2 上記のようにお答えになった理由を自由回答にてお聞かせください!
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要するに、10点満点で評価してください、その理由を教えてください、というものですね。
NPSの方法論では、まずQ1の回答結果から、以下の3つの評価者カテゴリーに分類します。
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1 プロモーター(推奨者):10点、または9点と評価してくださった方
2 パッシブ(中立者):8点、または7点と評価してくださった方
3 デトラクター(批判者):6点以下と評価してくださった方
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そして、以下の簡単な計算式によってNPS(Net Promoter Score)、すなわち、正味推奨者スコアを算出します。
NPS = 全体に占めるプロモーターの構成比(%) - 全体に占めるデトラクターの構成比(%)
単に、プロモーター(推奨者)の構成比率を見るのではなく、デトラクター(批判者)の構成比率を引くことによって、正味の推奨者構成比をみるのがNPSです。なぜなら、どんなにプロモーターが多くても、デトラクターが多ければプロモーターの効果(口コミなど)がそれだけ相殺されてしまうからですね。
したがって、NPSがプラスの数字で大きければ大きいほど、プロモーターが多く、デトラクターが少ないことを意味します。
?では、シンクーセミナーのNPSを正直にお伝えしましょう。
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宣伝会議サミットでのシンクーセミナーのNPS:-19.1
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がーん、、、残念ながらマイナスの数字でございました。計算式で示すと以下の通りです。
NPS:-19.1 = プロモーター構成比(20.2%) - デトラクター構成比(39.3%)
プロモーターの方、すなわち10点、9点をつけた方が20.2%であったのに対し、デトラクターの方、すなわち6点以下の方が39.3%を占めていたため、NPSは-19.1となっています。
ここでプロモーター、パッシブ、デトラクターの3カテゴリーの構成比をグラフでご覧ください。<サンプル数(n)=84です>
こうして3カテゴリーで構成をみると、パッシブ(中立者)の方も40.5%いらっしゃることがわかります。
パッシブ(中立者)は、10点満点の8点、または7点をつけた方です。NPSの方法論ではこのような基準で3つのカテゴリーに分類するルールになっています。
しかし、10点満点の中間値は5点ですから、8点、7点というのは生の数字としてはそれほど悪い評価ではないように思えます。
一方で、プロモーターは、10点満点、または9点と評価した方で、これは極めて高いハードルに感じますよね。
実際高いハードルなのですが、こうした極めて高い評価を与えてくれるお客様を増やすことが、実際の収益向上につながることがこれまでの実証研究からわかっています。
したがって、シンクーとしてもこの数値を謙虚に受け止め、どのようにセミナーの内容やプレゼンスタイルを改善したら、プロモーターを増やせるか、同時に、デトラクターを減らせるかをとことん考え抜きたいと思っております。
次に、Q1の10点満点評価を点数別構成比のグラフで見てみましょう。構成比ですから、全体で100%となりますが、どこが多いかが判断しやすいよう、あえて横棒グラフにしています。<サンプル数(n)=84です>
このグラフを見ると、一番多い点数は7点(21.4%)、次に多いのが8点(19.0%)であることがわかりますね。この点数をつけてくださった方々が「パッシブ(中立者)です。
10点満点の方は4.8%でした。これに、9点の方の15.5%を足すと、プロモーターの構成比20.3%となりますね。(なお、四捨五入の関係で、前掲の円グラフと数値がずれてしまっています。)
6点以下がデトラクターです。0点、1点の方はさすがにいらっしゃらなかったですが、2点の方は6.0%いらっしゃいますね。ごめんなさい。
このように、NPSNの3分類(プロモーター、パッシブ、デトラクター)でデータを解釈するだけでなく、個別の点数で詳細に分析することで全体の分布をより精密に把握することができます。
さて、このようにデータを分析した上での今回のセミナー改善の基本方向を考えたいと思いますが、基本的には「デトラクター(批判者)を減らす」ことを重視する方向で取り組みます。
というのも、パッシブ(8点、7点)の方が4割を超えていたことから、全体としてはそれほど悪い結果ではないと判断でき(都合の良い解釈ですいません)、むしろデトラクターを減らすための課題を明らかにし、それらをつぶすこと、つまり不満体験の解消を優先することで、NPSの数値の向上が見込めるからです。
では、デトラクターを減らすための課題発見のため、6点以下の方の評価理由を見てみましょう。
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●デトラクターの方の評価理由(自由回答)
・NPS自体に興味はあるが、セミナー内容に興味がもてなかったため
・ファジーな部分もあり、もう少し具体的な結果をいくつか知りたかったため
・初心者向けでした
・印象に残るポイントが無い様に感じました
・超入門なので知らない人、始めての人にはOK。
・考え方は理解できたが、ネット上の話と誤解していたため
・知っている内容のため
・勉強になるから。時間がかかりそう。
・少し入門編すぎたかなと思います。
・もう少し深い所まで聞けると良かったかも・・・と思います。」けれども良い大話を聞かせて頂けたと思います。
・もう少し具体的な手法についてお話をおうかがたかった。
・テーマが大きすぎるのでしょうか、漠然としたお話でした
・もう少し、具体的な事例も多く見たかった。BtoBの事例もあるとよかった。
・教科書にものっているような内容
・特段目新しい話ではなかった為。(入門編ということでしょうがないかと思いますが)
・もう少し、解決型(どうする)の講習が聞きたかった!なので、価値あるか?の判断が出来なかった。
・NPSに関して具体的事例が欲しかった。プレゼンシートが欲しかった
・リアルよりでした。ECについての言及が少ない様な気がします。
・NPSについてもう少し深い話が聞きたかった
・内容が少し基本的に感じました
・NPSのネガティブな要素はスコアに影響しないのか。キライは好きの裏返し。無視が最もネガティブ
・概要ばかりで具体的な話がなかった
・NPSに興味はあるが、少し概要的すぎる。
・新しく感じたことがあまりなかったため
・当たり前のはなしだから
・ざっくりしていて、書籍類で足りる内容のように感じてしまう。もう少し深い話をすべき。
・お話されていることは理解できるのですが、自分の持っているもの以上のものが得られなかった。
・具体的な打ち手につながる話が無かった。もう少し深い話が欲しかった。
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上記の自由回答から、いくつかの切り口が見えてきます。
・出席者の事前期待との適合度
・内容を深めるか
・抽象性と具体性のバランス
ここで細かく課題を詳述することは避けますが、例えば、出席者の事前期待との適合度について言えば、「初心者向けであった、入門編過ぎるといった評価があったことから、タイトル「顧客エンゲージメント超入門」だけでなく、紹介文にも「初心者向けの内容となっています」といった但し書きを付けるべき、といったアイディアが出てきます。
しばしば、セミナーの紹介文で、「このセミナーは●●を学びたい人を対象としています。●●はカバーしておりませんのであらかじめご了承ください」といった文章が書かれているのは、参加者の事前期待を適切に調整するためのものです。同様の配慮をシンクーセミナーでもしていきたいと考えております。
最後に、プロモーターの方、およびパッシブの方の自由回答の内容もご紹介しておきます。
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●プロモーターの方の評価理由(自由回答)
・会社の指標がバラバラ、たくさんあるので、指標にしたいと思ったからです。
・本日は有難うございました。改めて顧客エンゲージメントについて学ばせていただきました。好意→愛情→愛着など今後考えに使っていきたいと思います。
・純粋に感動しました。こういう話を自社の商品で今後したいなー、と思いました。・以前からメルマガで拝見しておりますが、コンパクトに内容まとまっていました。今後NPS広める際の参考にしたいと思います。
・「エンゲージメント」という言葉をわかりやすく教えて頂けたので
・原理・原則が理解できた
・ポイントがまとめられていてとても分かりやすい講演でした。更に詳しく聞いてみたい、知りたいという気持ちにさせられました。
・共感できました
・社内でもNPSの考え方を理解できる人を広めたいから
・ビジョン・ミッションをどう伝えていくか悩んでおり、明確な方向が示されており、他にも伝えやすくプレゼンをされていました。☆excellentです。
・考え方が理解しやすかった。事例も具体的かつ実体験もふまえていてわかりやすかった。
・企業を立て直そうとしている友人がちょうど近くにいるので、自社の哲学を、明確に、多くのお客様にコミュニケーションすることが重要だと伝えたいです。情報内容は知っていることだけでしたが、素晴らしいご講演でした。ありがとうございます。
・全員がWin-Winの関係になるから。
・仕事だけでなく身の周りにも生かせそう。話をきくと納得できるし、改めて気づきを得られるから
・形のない商品を販売しています。だからこそ、エンゲージメントが大切だと思っています。どうやってエンゲージメント体験を提供するか、悩ましいですが。
・短時間の中でのキーとなるポイントが分かりやすかった。もっと先を聞いてみたくなった。
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●パッシブの方の自由回答
・共感や愛着の分解や事例など、わかりやすくまとまっていた
・NPSという指標をはじめて知りました。ありがとうございました
・自社ブランドの育成を図っていきたいと考えているため
・明確でわかりやすい。もっと深い内容なら10でした。
・わかりやすい説明、事例がよかった
・短い時間のため大枠の説明で終わってしまいちょっと物足りない気がしました(それが作戦かもしれませんが)でも示唆に富んだ興味深い視点でした。ありがとうございました。
・NPSの導入を検討しており、非常に興味深い話でした。まず最後に紹介のありましたブックを参考にさせていただこうと思います。事例も多く非常に分かりやすかったです。
・コミュニケーションしない企業は生き残れないとうことで、何をすればよいかある程度せつめいしてもらったので。BtoBも知りたい
・内容は満足するものだったが、進行が早かった
・リピーターの確保が難しい中、きずなという視点で取り組むことができると感じた。
・下の社員以上に、上役にこの必要性を伝えたい。(または、必要だと思っている役員がいなくて困っている)
もう少し掘り下げた内容をききたかった。(短い時間なので仕方ないかもしれませんが)
・ききやすく、POINTがわかりやすかった
・SI様におけるエンゲージメント作りの考え方はむずかしいため
・企業フィロソフィーを伝える重要性を知ることができました。社内で話してみたいと思いました。ありがとうございました。
・話はよく分かり、NPSに興味をもった
・事例紹介が多く、わかりやすかったです。もう少しじっくり伺いたいと思いました。
・新しさを感じなかった
・事例の紹介など分かりやすくイメージしやすかった。そのベースとなる理論付けがもう少し欲しかった。
・より具体的なところを含めてもう少し聞いてみたいと思った。エンゲージメントだけでは分かりづらいものが、共感、愛着という言葉で分解されていて分かりやすかった。
・後半NPSのお話が参考になりました。
・根本としてエンゲージメントを高めることはすごく大事なので
・わやりやすい内容でしたが、いま一歩ふみこんでいないため
・NPSという言葉を初めて知りました。
・もっと深掘った内容をしりたいから
・短い時間の中で、エンゲージメントを高めるポイントがよくわかった。超入門なので仕方ががないが、もっと話を深い所まで聞きたかった。
・基本・入門となる理論・考え方を理解できたから
・物を買ったり売ったりすることの基本の方針になると思う。ぜひ立ち帰って、初心を思い出していきたい
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あらためて、宣伝会議サミットでのシンクーセミナーへのご出席ありがとうございました!
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トータルエンゲージメントグループでは、これまで延べ100社以上15,000店舗以上のアパレル・小売流通・飲食宿泊から金融、行政などB2C事業からSaaSやメーカーのようなB2B事業など、様々な業種での支援実績がございます。
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