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    2014.04.17 NPS
    <セミナー開催レポート3>NPS?認定コース講師によるNPS入門講座(2014/03/25)

    シンクーでは、NPS(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)の開発元である米Satmetrix社から認定コース講師、Lenna Russ氏を日本に招へい。日本初の本格的なNPSセミナーとなる「NPS入門講座」を3月25日に開催しました。

    前回、前々回の記事に続いて、今回も講義内容のポイントをお伝えします。

     

    ベストプラクティス~信頼に足るデータ

    ・「信頼に足るデータ」とはどんなものか?顧客の意識や行動が正確に反映され、かつ代表性のあるデータとして収集されたとき、それは「信頼に足るデータ」と言える。

    ・信頼に足るデータは、あらゆるプログラム(施策)の基盤である。NPS(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)などの評価データに基づいて、店舗などでの接客・サービスを改善し、顧客満足度、顧客ロイヤルティ向上に取り組む際に、そもそもそうした評価データ自体の信頼性が低い場合、以下のようなことを十分に行うことができない。

    -役員の支援を得る

    -組織全体の承認を得る

    -事業成果と結びつける

    -効果的なアクションを行う

    ・まずは、NPSと共に他のKPI(Key Peformance Indicators)の貴社における有効性を検証すべきである。貴社の事業(の特質)、目的、そして対象オーディエンスを考慮してNPSなどのKPIを検証する。

    ・初期のNPSの有効性検証のための調査研究においては、6つの産業分野において、再購入や好意的な口コミなどの顧客ロイヤルティ行動と、推奨意向であるNPSとの関連性を検討したが、すべての産業においてNPSは必ずしも最高の指標ではなく、他の指標がより優れている場合もあった。

    ・NPSを始めとするKPIが自社事業において有効な指標であるかは、以下の3つの視点で検証する。

    1 企業活動の変化に敏感に反応するか?

    企業行動の変化に敏感に反応するかどうか。例えば、商品配送時の梱包素材の変更が、顧客になんらかの不便さや不快感を与えてしまうものであった時、それがNPSの低下としてすぐに現れるようであれば、迅速な改善のための打ち手が可能になる。そうした企業活動の変更に対する顧客の反応の変化が敏感に現れるようなKPIが有効な指標である。

    2 顧客の行動との関連性が強いか?

    NPSの数値の向上が、継続購入、継続取引といった実際の顧客側の行動と関係性が強い場合(相関が高い場合)、NPSの数値改善を目標として、企業活動を管理・コントロールすることは意義のあることになる。

    3 顧客の将来の行動が予測できるか?

    顧客(セグメント)のNPSがある数値の場合、それは将来の再購入や契約更新につながる確率が何%くらいになるのかをある程度高い精度で予測可能であれば、先回りのプログラムを立案、実行することで、リピート率を向上することができる。

    ネットプロモーターの測定方法:リレーションシップアプローチとトランザクショナルアプローチ

    ・NPSは、顧客とブランド(会社)との関係性を測定するものであり、それは、当該ブランド(自社)の今後の成長を予測するものとなる。

    ・NPSを測定する目標としては以下の3点がある。

    -全般的な関係性を測定する

    -貴社顧客の代表的なプロフィール(顧客特性)を知る

    -企業の財務的評価と結びつける

    ・NPSを測定する方法としては具体的には、「リレーションシップ調査」と「トランザクショナル調査」の2種類がある。この2つのアプローチを企業の事業特性や顧客特性、目的などに照らして適切なものを採用する。

    ・「リレーションシップ調査」は年に1-2回程度行い、既存顧客を対象に行う全般的な関係性を把握するものである。

    ・「トランザクション調査」は、特定のイベント(1回毎の来店、サービス利用など)において、そのイベント毎における顧客体験を評価してもらう調査である。

    ベストプラクティス~輪を閉じる

    ・NPS調査を通じて知った顧客が抱える問題は、実際にその解決を図ることによって“輪が閉じられ(Close Loop)、結果としてNPSの向上⇒業績改善へとつなげていくことができる。

    ・輪を閉じるプロセス設計は以下の5つの視点で行う。

    -Which どの顧客がフォロー(問題解決のためのフォロー活動)を受けるべきか

    -When いつ、フォローを行うべきか

    -Who 企業組織内の誰がフォローを行うべきか

    -How フォローはどのように行われるべきか

    -What フォローの結果として何が起きるべきか(どうやって、組織全体の学習につなげるか)

    ベストプラクティス~成功のためのロードマップ

    ・NPSを活用した企業活動改善は長期的なコミットメント(執着)が必要である。業務レベルの改善だけでは、顧客ロイヤルティの向上は頭打ちになる。戦略レベルでの改善を行ってこそ、さらなる顧客満足度向上、ロイヤルティ向上が可能となる。

    ・「輪を閉じる」、すなわち顧客の満足度を低下させる問題を解決するための取り組みは、業務レベル、戦略レベルなど、企業組織の様々なレベルにおいて行われなければならない。

    ・企業改善の取り組みは、組織全体を一挙に変えてしまう「ビッグバンアプローチ」と、小規模に始めて、組織全体に徐々に広げていく「段階的アプローチ」がある。どちらを採用するかは、企業が置かれた状況による。

     

    さて、3回にわたって、日本初の本格的なNPS入門講座のポイントをお伝えしてきました。

    「概念的にはまあ理解できた。しかし、自社では具体的にどうやればいいのだろうか?」

    とお感じの方もいらっしゃるかもしれません。

    NPSの本格的な導入は日本ではこれからというところであり、まだまだ事例を通じた具体的なノウハウの積み重ねが必要な時期であると私は思います。

    引き続き、エンゲージメントフォーラムの記事にご注目ください!

    (執筆者)

    松尾順

    松尾 順

    株式会社シンクー

    エンゲージメントフォーラム CEO(Cheif Engagement Officer)

    SHAR

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