2015.07.10
従業員エンゲージメント
事務の王様「キングジム」の型破りだけど参考にしたい経営術
「キングジム」と聞くと、テプラやファイルを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。普段オフィスで当たり前のように使っているこういった製品ですが、そこには必ず会社や開発者の思いと情熱があってはじめて私たちは込められているものです。
テプラやファイルにとどまらず、数多くのユニークな商品を世に送り出しているキングジムは、その開発術や考え方もとてもユニークでした!
絶対に曲がらないキングジムの信念が生み出すもの
キングジムはもともと1927年(昭和2年)に、「名鑑堂」として創業。その後創業者の宮本英太郎氏の「事務の王様になりたい」という思いから「キングジム」に社名変更したのだとか。
独創的な商品を開発し、あらたな文化の創造をもって社会に貢献する
という経営理念の下、文字入力のみに特化した電子メモ帳「ポメラ」(下記画像)や、マウス型スキャナ、オフィスで使える超小型洗濯機など、理念に掲げる通りの独創的な商品を生み出しています。

それはなぜなのか? キングジムは、開発会議で参加者の大半が反対したとしても、1人が賛成すれば商品化されるからです。これは、9割の人がいらないと思っても、1億2000万人の日本人人口の1割が欲しいと思えば1200万台売れるという考え方に基づいたもの。
例えば前述のポメラ、当初販売に賛成したのは1人、さらに実際文字しか打てないということで、街でその必要性について聞いてもほとんどの人が「いらない」と回答。でもふたを開けてみれば、2014年の時点で累計約30万台を売り上げる大ヒット商品に。ポメラを愛用している人の中には、芥川賞受賞作家の津村記久子さんがいますが、津村さんはノートパソコンだとネットやメールをチェックしてしまい執筆に集中できないので、「書くだけ」のポメラが創作活動に欠かせないのだとか。ポメラがなくなったら困ると、一台予備で買ってあるほどだそう。
さらには「市場調査はしない」というスタンスをとっているキングジム。これは、世の中にないものを市場調査で聞いてもわかるはずがないから。世の中にないものを作って売り出していくこと、アイデアのある新しい商品を作ることにやりがいを感じているキングジムだからこその姿勢と言えるでしょうか。
そういえばアップル創業者の故スティーブ・ジョブス氏がマーケティング調査に関する質問を受けた際、「マーケティング調査? 世の中にないものを作ろうとしているのに、ユーザーに聞いて何か良いものが出てくるかい?」と答えていましたが、同じスタンスですね。
結局、良い製品を生み出すためには、周りの声に惑わされることなく、自分達の信念に耳を澄ませ、その信念に従う勇気を持つことが大切なのではないでしょうか。決して簡単なことではありませんが、成長を続ける企業に共通するのはそこなのかもしれません。
従業員と共に成長するキングジム
成長する企業が大切にすべきは“人財“です。キングジムが開発する製品の多くは万人受けするものではありませんが、キングジムがニッチな市場を開拓できているのは、歴代の社長が皆、従業員一人ひとりがチャレンジ意欲を高めて、能力を最大限に発揮できる雰囲気を作るのが自分の役割だと考えているからだと思います。
創業者の孫であり現社長の宮本彰氏も、「いいんですよ、確率なんか低くて。僕『1割』って大好きなんです。打率1割でも必ずホームランを打つなら、すごいバッターじゃないですか」と、祖父のDNAをしっかりと受け継いでいる様子。
また宮本社長は社員がほしいと思うものを作ることにこだわり、商品開発を担当する社員に「上司や周りに惑わされることなく、自分を信じて自分の欲しい製品を作れ」と声をかけ、発売した商品が思ったより売れなくても彼らに責任を取らせることはないのだとか。
企業理念をしっかり貫き、会社が従業員に全幅の信頼を寄せるからこそ、キングジムの従業員は、会社に対する共感や愛着を抱き、貢献したいと願う強い気持ちを持って自発的に動き、更なる改善や新しいサービス・商品等を生み出すことができるのではないでしょうか。下記従業員エンゲージメントフローにもある通り、従業員の共感や愛着はエンゲージメントを高め、持続的成長をもたらすものです。

キングジムのエンゲージメントを高める企業文化、そのまま真似するのは難しいかもしれませんが、参考にできるところは多くあるのではないでしょうか。
参考:
http://www.kingjim.co.jp/company/concept
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20150507.html
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