メルマガ登録

    CXの最新情報をお届けいたします。

    console.log("postID: 113");console.log("カウント: 511");

    2017.02.01 ロイヤルティ
    価格競争にならないためのブランドの在り方とは?

    photo by *suika *?

    我が国は欧米とほぼ同様の成熟社会になったことは誰しも異論がないと思います。成熟社会になると、これまでの高度経済成長期やバブル期のようにはモノが売れなくなりました。モノがまったく売れないわけではありませんし、ヒット商品も毎年それなりに生まれていますが、売れ方がまったく異なるようになりました

    高度経済成長期やバブル期は、まだモノが十分に行き渡っていない状態でしたし、技術的にも開発途上でもありました。そのため、新製品が出るごとに爆発的に売れていました。新製品と機能向上はほぼイコールだとみなされていましたし、実際その通りでした。?新しい商品は機能性が高まっている。だから「良い商品」という認識で消費者は新商品を次々と購入しました。家電しかり自動車しかり洋服しかりです。

    しかし、2005年を越えるとそういう買い方はされなくなりました。これが長らく続く消費不振の原因の一つでもあります。もちろん、画期的に素晴らしい新機能の搭載された商品は注目されますが、従来品のバージョンアップ程度ではそれほど注目されることはなく、消費者の購買意欲もかき立てられなくなっています

    バブル期の成功体験が通用しない時代へ

    多くの企業、ブランドの経営陣は50代~60代で、バブル期に第一線で働いてきた人々です。いまだにその当時の認識が頭から離れません。この世代に限らず、誰でも人間は自分が若いころの経験から逃れることはできません。今の20代、30代もいずれは老人となり若いころの経験に縛られるようになりま す。

    バブル期の経験が頭から離れない指導者層を頂く企業やブランドが多く、そのため、彼らは機能性を高めた新商品を開発すればいまだに売れると考えています。

    価格競争におちいった「4Kテレビ」の値崩れ

    その典型が家電メーカーといえます。家電メーカーはいまだにテレビを主力商品の一つとしていますが、テレビ自体はバブル期ほど売れなくなりましたし、買い替え需要もなくなりました。

    理由はさまざまあります。まずインターネットの普及によってテレビ番組を見る人が減ったということです。若い人を中心にテレビ番組を見るよりは自分の好きな番組や映画のネット動画を見るという人が増えており、テレビの必需品度合いはこの10年間で相当に低くなったと感じます。ぼく自身もテレビ番組をほとんど見なくなりました。

    テレビが売れなくなると、家電メーカー各社は死活問題ですので何とか売ろうと新製品を開発します。そしてその新製品の目玉が常に新機能の搭載」「画質の向上」です。現在、テレビ番組の放送はハイビジョン放送で、昔と比べてかなり美しい画像になっています。個人的な満足度でいえば、現在で十分です。

    しかし、現在と同じ機能では売れないとメーカー側では思い込んでいますから、鳴かず飛ばずに終わった「3D (立体的)画像テレビ」だとか、ハイビジョンのさらに上を行く高画質の4Kテレビだとか8Kテレビを開発しました。

    ところが、まだ4K放送が始まってもいないのにすでに4Kテレビは値崩れを起こし始めています。従来の大手家電メーカーに加えて、DMMなど新進のメーカーも市場に参入して、10万円以下の低価格4Kテレビを投入しています。

    機能性だけの訴求は、過度の「価格競争」をひきおこす

    家電メーカーが「高画質」とか「4K」といった「機能性」のみを重点的に消費者にアピールするとどのようになるでしょうか?多くの消費者はこう考えます。

    「同じ機能なら安い方がお得」と。

    こうなると、残されているのは最早、価格競争か機能性競争しかありません。最後に勝ち残るのは、低価格で高機能の商品になります。

    この構図、どこかで見たことはありませんか? 洋服の業界でいうなら、低価格高品質を武器に国内売上高7800億円にまで到達したユニクロが覇を唱えた構図と同じだといえます。

    イオンやイトーヨーカドーなどの大手総合スーパー、中間価格帯の大手アパレル企業などはみんなユニクロに敗れ去りました。百貨店やファッションビルを主要販路としていたワールドやファイブフォックス、イトキンなどといった大手アパレル企業もユニクロの前には敗れ去り衰退を余儀なくされています。

    彼らが衰退し、凋落した原因の一つに素材品質、縫製仕様などのスペックを全面に打ち出した売り方が長く続いたことが挙げられると感じています。「〇〇産地で織った生地を使用しました」とか「丁寧な〇〇縫いで仕上げました」とか「希少な〇〇素材を使用しています」いうアピールがアパレル業界ではポピュラーですが、ユニクロに限らず低価格ブランドが同じスペックを持った商品を発売したらどうなるでしょうか?多くの消費者は低価格品を選ぶでしょう。その一例が98年に起きたユニクロのフリースブームといえます。高額なフリースという素材を使った上着を1900円で発売したから消費者が飛びついたのです。

    今日まで続く衣料品デフレもこの延長線上にあるといえるのではないでしょうか??

    価格競争を脱する鍵は、ブランドの「付加価値」化

    では、百貨店・専門店ブランドが価格競争から抜け出すためにはどのようにすれば良いのでしょうか。

    品質が良いことは当然として、それ以外に、わかりやすいコーディネイトの説明だとか、商品やファッションに関する知識や情報だとか、そういうことをお客様にお渡しする必要があるのではないでしょうか? 品質競争ではなく、価値ある情報や説明を提供することを心掛けてみてはどうでしょうか? その際、よくあるカタカナだらけのファッション用語の羅列ではなく、一般大衆にも伝わるような言葉遣いが求められることは言うまでもありません。それこそが、ブランドの「付加価値」化ではないかと思います。

    SHAR

    • line
    • facebook
    • facebook
    • はてな
    • facebook

    顧客体験(CX)、NPSに
    関するご相談

    トータルエンゲージメントグループでは、これまで延べ100社以上15,000店舗以上のアパレル・小売流通・飲食宿泊から金融、行政などB2C事業からSaaSやメーカーのようなB2B事業など、様々な業種での支援実績がございます。
    CXにおける改善をツール提供だけでなく、全体の戦略をもとに策定・実施まで一気通貫でサポートいたします。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください!

    メルマガ登録

    Total Engagement Groupの最新ニュースや、CX・NPSの最新トレンドを
    メールマガジンにて配信しております。ご登録はこちらから!

      CXの最新情報をお届けいたします。

      コメントを書く

      コメントはこちらで承認の作業を行うまでは表示されません。ご了承ください。

      © 2022 Total Engagement Group Inc.
      All Rights Reserved.