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2022.10.07 事例顧客体験
観光地での顧客体験調査でCX向上の道筋が見えてくる!

宇治観光

~公益社団法人宇治市観光協会さま~

「CX(Customer Experience)向上に取り組みたいとは思うけれど、何から手を付けたらよいか分からない…」。そんな方も多いのではないでしょうか? 確かに、CXを向上させるためには様々なプロセスがあります。それらをすべて実施し、大きな成果を出そうとするなら、それなりに時間も必要です。

しかし、すべてのプロセスの基盤となる「顧客体験調査」――これをやるだけでも、CX向上を目指す企業さまは、手軽に、大きなベネフィットを手に入れることができます。現状、抱えている課題を、数値化しながら整理し、課題克服の方向性を絞り込むことができるからです。

当コラムでは、公益社団法人宇治市観光協会さまが、顧客体験調査を実施した事例をご紹介します。調査の結果、新たに得られた知見や、それを踏まえた対策の方向性についてもご紹介していますので、CX向上にご関心がある皆さまは、ぜひご覧ください。

 

「顧客の声」を見える化するシステムを導入

調査は2022年4月~7月末にかけて行いました。宇治市を訪れた観光客の皆さまに、アンケートに答えてもらうため、当社が提供している「Your Voice」をお使いいただきました。

「Your Voice」はNPS(※)に特化したアンケートツールで、回答者(=宇治市を訪れた観光客さま)はスマートフォンで回答することができます。回答結果は即時にクラウド上に反映され、利用者(=宇治市観光協会さま)はいつでも確認することができます。ユーザインターフェイス、ユーザビリティを工夫することにより、一見分かりにくいNPSと顧客体験調査の相関性が、ひと目で分かるようになっています。

(※1)NPS=Net Promoter Score。自社あるいは自社製品・サービスに対する顧客の総合的な評価を表す指標。NPSは企業の業績との相関性が高いことが明らかになっています。

宇治市内にある3つの拠点、JR宇治駅前案内所、京阪宇治駅前観光案内所、宇治市観光センターに、アンケート協力を依頼し、案内所を訪れた観光客の方にお声がけをいただきました。チラシに印刷されたQRコードをスマホで読んで、ご回答いただく仕組みです。


市内3カ所にアンケート協力チラシを設置しました。写真は設置場所の一つ、宇治市観光センター

YourVoiceダッシュボードで表示

アンケートには当社の「Your Voice」を使用。観光客は、チラシに印刷されたQRコードをスマートフォンで読むことで、回答ができます。アンケート用紙に記入してもらう方法と比べて、回答者への負担が少なく、回答率を上げる効果があります

アンケートは1つ目の設問が、「あなたは宇治観光を友人・知人にどの程度薦めようと思いますか?」というもので、10点(とても薦めたい)から0点(全く薦めたくない)まで11段階で答えてもらいます。続いて、宇治市を訪れた目的、どのような体験が良かったかなど、7つの設問が続きます。基本的に選択回答式の設問ですが、自由回答ができるものもあります。

今回の顧客体験調査によると、観光客から見た宇治市のNPSは30.0という結果になりました。内訳は推奨者20名、中立者25名、批判者5名でした(※2)。

(※2)推奨者は9点・10点の回答者、中立者は7点・8点の回答者、批判者は0点~6点の回答者。NPS=推奨者の構成比(%)-批判者の構成比(%)として計算します。

 

宇治はリピート観光客の拡大が課題

 

宇治市観光協会の渋谷さま、上野さまにお話を伺いました。


今回、インタビューさせていただいた宇治市観光協会の渋谷さま(左写真)、上野さま(右写真))

Q.今回、顧客体験調査を実施するまでの経緯や、ご苦労された点を教えていただけますでしょうか?

A.これまでの調査でも、宇治市は観光地としては有名ですが、良くも悪くも半日程度で観光することができ、リピーターは多くありませんでした。さらに、宿泊施設が少なく、夜間に街歩き・食べ歩きができるスポットも極端に少ないことが課題でもありました。そこで、京都・大阪から近いこともあり、①来られる目的(何に満足されるか?)、②観光地として他の都市にはない宇治市ならではの魅力、③訪れる際の交通手段やルートなどを確認したかった。そういった、実際の観光客の声を確認することが目的でした。

当協会では【宇治イラスト・マップ】という観光マップを発行しており、当初はこのマップにQRコードを掲載し、連携を行うという案もありました。しかし予算不足のため実施できず、今回の方法に落ち着きました。

Q.実際に調査が始まってから苦労なさったことはございますか?

A.当協会では観光センターを含む各案内所を管理しています(全4カ所)。アンケートのQRコードを掲載したチラシを印刷し、3つの案内所に配布しました。チラシの在庫管理が必要なのと、日々交代するスタッフに、今回の調査について引継ぎし、安定的に運用できるようになるまで少し時間を要しました。人によって意識や捉え方が異なり、改めて個々にお願いをしたり、念押しする必要がありました。

一方、観光客の皆さまとって今回のアンケートは、基本的にその場ですぐに行うものではなく、ご自身の都合の良いタイミングで回答できるものなので、比較的チラシを受け取っていただききやすかったです。

 

調査によって改善のヒントが見えてきた

Q.顧客体験調査の回収数とNPSについてのご感想はいかがですか?

A.回収数が少なく、偏りがある可能性もありますが、おおよそ予想通りの数字になりました。満足度は低くないが、決して高くはない(つまりリピート率が低い)というところは、まさに予想していた結果に近いと感じました。お客さまにさらに興味を持っていただくためには、対応・施設・食事で突出したものが必要か? など、協会としても課題と捉えてきました。 そんな中、【食べ歩き】について高評価を頂いたのは予想外でした。近年、“映える”ような飲食店が増えていることもあり、関係してるのかと思います。

アンケートにも改善の余地があるかもしれません。例えば、回答してくれた方に特典を差し上げることができれば、もっと回収率が上がったかもしれない。アンケートの設問について、「分からない」「回答しにくい」と感じたお客さまがいたかもしれず、この辺りは分かりません。

回答していただいた方からは高評価が多く、批判的な内容はほぼありませんでした。調査をさらに深めるため、チラシの配布数を増やすのはもちろん、回収数を増やす方法、アイディアを考えていかなければならないと感じました。今後、実施していくのであれば、批判的評価も頂けるような規模数、設問にも工夫をしていきたいです。

 

Q.顧客体験調査から分かったことと、今後の取り組みについて教えていただけますか?

A.TEG(トータル・エンゲージメント・グループ)にご指摘いただいいた通り、お客さまから見た宇治市観光は、「現状、特に不満はないが、オススメできるほどでも無い」という状況。その点をどのように改善していくかが、改めて今後の課題となりました。プラスアルファの接客を検討していくこと、そのためには何をすべきかを、話し合っていきます。

現在の弱点(リピーターの確保、夜の観光)の改善を、アンケート調査によって浮き彫りにし、まだまだ私どもが知り得ていない「街の魅力」や「リピーター化」へのポイントを発見したいですね。


宇治市は観光資源が豊富です。CX向上の観点から棚卸を行い、戦略を詰めていけば、必ず課題を解決できるはずです(上写真は、例年7月1日から9月30日に開催される「宇治川の鵜飼」。下写真は観光客でにぎわう町並み)

 

目標を数値化することで具体的な戦略が立てられる

 

今回お話を伺うにあたり、調査結果を踏まえ、当社から宇治市観光協会さまに次のようなご助言をさせていただきました。

  • NPS 40.0を目標に

調査の結果、NPS 30.0となりましたが、これは観光地としては低い数値です。例えば、観光地として代表的な京都市などのNPSは外国人ベースでは53.0(京都市観光協会は2018年の京都観光総合調査)、日本人客では16.7となっています。宇治市観光協会さまは、数値目標としてNPS 40.0を目指し、そこに向けた戦略を立てるのが良いと考えられます。

https://yamatogokoro.jp/inboundnews/pickup/33666/
  • 中立者を推奨者化することに注力を

推奨者20名に対し、中立者は25名と、より多いことが分かりました(批判者は5名と少数)。NPSを上げるためには、数多くいる、この中立者を推奨者に変えることにフォーカスし、戦略を立てると良いでしょう。

  • 人的接触時の好印象化がポイント

CX向上のためには、観光客の皆さまと、地元で観光に従事する人たちとが接触する瞬間がカギとなります。その時のサービス内容や対応次第で、観光客が宇治市に抱く印象が、大きく変わるからです。「宇治市にはリピート観光客が少ない」「宿泊客が少ない」というお話があった一方、調査結果では、「食べ歩き」について高評価が付くという、予想していなかったことも分かりました。例えば、観光客の皆さまに宇治市内で宿泊していただくため、食事をより強化するといった施策も考えられそうです。そのような人的接触の機会に、観光客の皆さまに好印象を抱いてもらうことができれば、CXが向上し、NPSの数値改善につながると考えられます。

以上、宇治市観光協会さまの顧客体験調査について、ご紹介しました。初めの“小さな一歩”を踏み出すだけで、“大きな進捗”が得られることが、ご理解いただけたかと思います。企業や組織のCX担当者さまは、まず、顧客体験調査から始めてみてはいかがでしょう。

 

 

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