2015.08.20
サービスサイエンス
消えてしまうサービスを形に残そう ~感動のサービス体験をお客様は忘れてしまう!
暑い毎日が続きますね。毎年、玄関にビーチサンダルが並ぶ様子を見ると、20年以上前の長女が生まれた夜を思い出すわたちゃんです。
長女が生まれた日も、ちょうど真夏のうだるような暑い夜でした。病院までビーチサンダルと短パンで駆け付け、カミさんの実家のおかーさんと、もちろんカミさんから大目玉をくらったのをよく覚えています。
「形がない」「消えてしまう」のがサービスの特性
サービスの特性の中に「無形性」「消滅性」という特性があります。
文字通りサービスはハードウェアの商品とは違い無形であり、受けたサービスは一瞬のうちに消滅してしまいます。したがって、この特性が強いサービスは、素晴らしいサービスを提供されても時間がたつと忘れられてしまうという状況に陥ることがあり、リピートオーダーに繋がらない場合も少なくありません。
その時は感動した素晴らしいサービスでも、やがて時とともにその感動が薄れてしまうということです。
「無形性」「消滅性」への対策は「形に残すこと」
質の高いサービスを提供することは最も重要なことですが、こうした「無形性」「消滅性」というサービス特性への対応策として、一度受けた素晴らしい体験を呼び起こしてもらうために「サービスの証となる物的要素」を残すという施策があります。
旅の思い出をおみやげを見て思い出してまた行きたくたるといった状況と同じですね。
レストランでいうと、レストラン名が入った小鉢をプレゼントしたり、御礼状にシェフと映した写真を同封して送付する、といったポストサービスにより、レストランでの食事のことを思い出として心に深く留め、また行きたくなる気持ちを醸成させるという施策です。
こうした施策は、当日のサービス内容を忘れ始めている頃に届くと、まあまあだった味も美味しかったんだ、という錯覚も起こしそうになるから有効です。評価は味だけじゃないですしね。
サービスした結果が形に残る場合は要注意
しかし、サービスした結果として形として残るものもあります。
たとえば美容院。美容院のサービスでは「サービスの証となる物的要素」として出来上がった髪型は毎朝鏡の前で登場してきます。そして毎朝、サービスの体験を呼び起こし心に深く留めていくということになります。
したがって、サービスに失敗した場合は、大変なことになります。こんな時に御礼状とか再来店を促すDMとか送付しようものなら逆効果です。変な小手先の施策を打つ前に、サービスの質を徹底的に向上させていくことが重要です。
同じ、サービスでも「サービスの証となる物的要素」の有り無しで対応策を変えていく必要がありますね。
ということで、我が家でも毎年、夏にビーチサンダルが並ぶと、ビーチサンダルで病院へ駆け付けたあの20年以上も前の体験を思い出し、僕は家族中から責められるということになります。「無形性」「消滅性」の高い過去の体験が物的要素により、確実に毎年思い出されていくというわけです。
まあ、今となってはいい思い出となって楽しい話題になってますけど。
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