2014.11.25
その他
住民へのサービス向上と経費削減に成功したハワイのお役所サイト、取り入れたのはゲーム要素だった!
多くの日本人にとって、ハワイは地上の楽園とも呼べる場所。特に人気のオアフ島は、観光やショッピングが充実していますが、美しいビーチで何もせずゆっくりとハワイ時間を楽しむのも醍醐味ですよね。
そんなハワイ、私達にとってはバケーションを楽しむ場所ですが、住民や地元企業にとっては当たり前ですが、生活をする場所、商売をする場所です。その上で、税金を支払ったり、様々な申請をしたりと、市役所ならぬ、”州役所“にお世話になることも多いはず。
ただ世界のどこに行ってもお役所の体質は同じなようで、何かを調べようとサイトへ言っても分かりにくかったり、実際役所へ出向いても待ち時間が長かったりと、サービスに不満を持ったことがある人も多いはず。民間企業とは違い、役所というのは決して利益を追求するわけではないので、“顧客満足”にそれほど力を入れる必要がない、ということなのでしょうか。
でも税金で運営している役所にとって、住民や地元企業は顧客のはず。彼らの声に耳を傾け、ニーズを読み取り、サービス向上に努めることで、ユーザーの満足度や幸福度が増幅するのはもちろん、民間企業のように売上・利益の増大とはいかなくとも、業務の効率化や経費削減につなげることができますよね。そんなことを実施したのが、ハワイ州政府でした。
ハワイ州が公式サイトに取り入れた”ゲーミフィケーション”の要素
ハワイ州の公式サイトを見てみると、洗練されていながらもシンプル、使い勝手がよさそうで、明らかにお役所のイメージからはかけ離れています。
リニューアル時にハワイ州が取り入れたのが、ゲームの要素が盛り込まれた“ゲーミフィケーション”という手法でした。
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ハワイ州公式サイトのゲーミフィケーションは、このようなものでした:
・役所に出向くまでの時間、役所に出向いてからの待ち時間をどれだけセーブできたかの可視化
・書類ではなくオンライン申請をすることで、どれだけ紙を節約できたかの可視化
・オンライン申請を行った住民(ユーザー)へのバッジの提供やランキングの表示
そしてこれらをサイトに導入する際に参考にしたのが、『For the Win: How Game Thinking Can Revolutionize Your Business』という書籍でした。ゲーミフィケーションに加え、住人や地元企業にあったサービスを届けるパーソナライズサービスや、より迅速に対応できるようなフィードバックシステムを設け、モバイルにも対応することで、お役所とのやり取りを「面倒くさい」「つまらない」から「楽ちん」「楽しい」へ変える努力をしました。結果、リニューアルから5か月間で本サイトの利用率は20%アップし、登録ユーザは40万人を超えたのだとか。
ゲーミフィケーションは、継続的に「利用したい」と思ったり、思わずハマってしまったり……という、人間の心理面に働きかけるもの。ハワイ州はその利点を最大限に活かしたサイト運営に成功したようです。
おまけ:日本企業のゲーミフィケーション事例
ゲーミフィケーションはエンゲージメントを高める施策として多くの企業が取り入れています。ここで皆さんが普段よく使うであろうサイトを2つ取り上げ、それぞれどのような手法を用いているかご紹介いたします。
▼レベル(ランク、グレード)事例
「買う」という行動でポイントが溜まり、そのポイントに比例してユーザーのレベル(ランク、グレード)がアップするシステムは、ゲーミフィケーションでよく取り入れられていますが、楽天がいい例だと思います。楽天にログインすると表示される「〇〇会員になるためには、あと〇〇ポイント」と現在の位置を伝えるメッセージと、ビジュアルで見せるプログレスバー。これを見ると、達成するために買い物しよう! という気になるから不思議です。
▼ランキング事例
食べログはユーザーのエンゲージメントを高め、サイトを活性化させるため、自分とライバルのアクセス数の状態をこのように可視化しています。このランキングもサービスを定着させるためによく使われるゲーミフィケーションの手法の一つです。
ゲーミフィケーションは取り入れるだけでエンゲージメントが向上する、というものではありません。自社の業態にあった手法は何なのか? をじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
参照元:http://www.govtech.com/internet/Hawaii-Gamified-to-Drive-Up-Online-Adoption.html
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