2015.12.02
その他
ハーバード・ビジネス・レビューの調査で分かった、口コミよりも消費者の購買意欲を刺激するもの
レストランで知人と同じものを注文しみたり、知人が実際使ってみて「よかった」と勧めるものを買ってみたり、ということはよくありますよね。私も例に漏れず、友人が使用している化粧品を試してみたり、友人が通っているというレストランに足を運んでみたり、といったことが多々あります。
何かを購入・利用する時、もちろん価格.com、アットコスメ、食べログ、トリップアドバイザーなどの口コミサイトも参考になりますが、ネット上の他人の口コミよりも、実際に知人や友人から使っているもの、利用しているもの、に心ひかれるような気がします。
米ハーバード・ビジネス・レビュー誌の調査によると、口コミ(Word-of-mouth)よりも、自分の周りにいる人が実際に使用しているところを見る(Peer Observation、以下「ピア・オブザベーション」)方がずっと購買意欲に影響を与えるそうです。その影響力は企業広告と同じくらいということで、相当ですよね。
ではなぜ消費者の購買意欲は、ピア・オブザベーションにより大きく高まるのでしょうか。 それは、消費者は基本的に“面倒くさがり”だからだそうです。小さなことから大きなことまで、消費者は日常生活の中で日々たくさんの決断を迫られています。そんな“決断疲れ”から、「自分で調べて購入して使ってみて後悔」というプロセスをなるべく避けたいと考え、「他の人が使っているならいいに違いない」という考えに落ち着く傾向にあるようです。
「百聞は一見にしかず」ということわざや、「行動は言葉より多くを語る」(Actions speak louder than words)という格言がこの消費者の行動を表しているということでしょうか。
目次
消費者の購買意欲を高めるために、企業ができる4つのこと
企業はこの消費者の特徴を活用し、ピア・オブザベーションを通して、購買意欲の向上につなげることができます。
1. 個人ではなくグループで考える
一つの商品・サービスを一人のお客様に販売するのではなく、どうやったらよりお客様が共有したくなるか、共有しやすいかを考えて販売してみると良いと思います。例えば、受験生が「きっと勝つ」と読んだという話から生まれた受験生へメッセージを送ることができるキットカットなどはいい例だと思います。
米コカ・コーラが行っているボトルのカスタマイズサービス、”Share a Coke?”も、グリーティングカード代わりに気軽にカスタマイズして渡せるところがウケて大人気だそうです。
2. 十分な差別化を行う
ここはプランナーやデザイナーの力が発揮されるところです。商品・サービスを通して提供する価値が、他にはない十分に差別化されたものであることが、購買意欲に大きな影響を与えるからです。例えばiPodの人気が高まった時、広告にも使われていた白いイヤホンはブランドの象徴でした。白いイヤホン=iPod=ステータス、となり、あの白いイヤホンを求めてiPodを購入する人が増えました。
3. 目に見えない消費者を可視化する
2014年まで楽天が行っていた共同購入のシステムのように、現時点で何人くらいの人が購入しているのかを分かるようにすると、「他の人が買っているから私も」と売上の増加につながるそうです。ホテルでタオルをできるだけ再利用してほしいと思ったら、何パーセントの人が再利用しているかを分かりやすく書いておくと、再利用する人の数が増えるそうです。人間の心理、面白いですね。
4. ユーザーを活用して露出度を上げる
香港の携帯会社が新機種を発売した時、同社のスタッフが夕方のラッシュアワーの電車に乗り込み、その機種を社内で使う……というPRを試したそうですが、これが発売後の売上増加に大きく貢献したそうです。やはり自分の目で他の人がその製品を使っているのを見るのは、効果があるということですね。
口コミよりも消費者の購買意欲を高めてくれるピア・オブザベーション、上記4つのことを参考に、皆さんも何ができるかぜひ考えてみませんか?
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