2014.10.17
エンゲージメント
従業員エンゲージメントが5%上がるだけで、営業利益率が○%も上昇?! 従業員満足度とエンゲージメントの向上は、売上・利益拡大の不可欠要素!
サービス・マネジメント研究の第一人者であるジェームズ・ヘスケットやアール・サッサーなどがハーバード・ビジネス・レビューで発表したのが、サービス・プロフィット・チェーン(Service Profit Chain、以下SPC)の論文。SPCとはサービス業における顧客満足度、従業員満足度、サービス、利益などの因果関係を示した下記のようなフレームワークのことです。
SPCの基本的な考え方としては、従業員が幸せな会社は成長が見込めるということ。上記の図の緑の部分はまさに従業員エンゲージメント、ピンクの部分は顧客エンゲージメントに置き換えることができますが、やはり従業員エンゲージメント強化を最優先で考えることが大事だということが分かります。では従業員エンゲージメントはどれだけ売上・利益の拡大に影響するのでしょうか。
数字で見る従業員エンゲージメントの影響とは?(アメリカの統計・研究参照)
- 調査対象となった2000人以上のうち53%が、上司に認められていると感じた会社では長く働きたいと思うと回答(従業員の定着は雇用・教育コストの削減や、売上・利益の拡大に不可欠)
- 良質な従業員に代わる人を見つけるには、最大150,000ドル(約1600万円)のコストがかかる
- エンゲージメントの高い従業員は、優秀な業績をもたらす可能性が2倍に、さらに、その中の3/4の者が期待をはるかに上回る働きをする
- 従業員エンゲージメントが5%上がると、営業利益率が0.7%上昇する
- 従業員の態度に5ポイントの改善が見られると、顧客満足度に1.3ポイントの改善が生じ、結果収益に0.5%の増加が生じた(アメリカの大手百貨店・シアーズの計測値)
- 従業員エンゲージメントが大幅に増加した支店(5ポイント中0.2ポイント以上)に、16%以上の利益率の伸びが見られた(スタンダードチャータード銀行の計測値)
- 64の企業を対象に行われた調査では、従業員エンゲージメントの高い企業は、そうでない企業に比べて年間純利益が2倍以上に
- エンゲージメントの低い従業員は、高い従業員に比べて離職する確率が4倍高い
こうして見ると、従業員エンゲージメント強化が良い結果をもたらすことは明らかですが、従業員エンゲージメント調査を行っても、結果を確認さえしない管理職の割合が何と27%、そして結果を見ても何の行動も起こさない管理職の割合が52%なのだとか! 調査結果の内容を理解し、従業員のためにアクションを起こし、結果を出すという前提がなければ全く意味がありません。こうして数字でその効果が表れるのにもったいないですよね。
従業員の幸福度を増幅させて、従業員エンゲージメントを強化するには?
●社員一人ひとりを会社の主役にする
→会社側が一人ひとりの貢献を正当に評価する
●他部署で起こっていることを共有し、意見を募る
→会社の歯車ではなく、歯車を動かしているという感覚を与える
●会社で成長する場を与える
→責任のある業務を与えたり、業務に必要な資格試験を受験させる
●情報の透明性を高める
→上司が部下に対して自分の仕事で重要だと思うこと、チームの長期目標、チームの働きが会社にどのように貢献しているかなどを共有する
●帰属意識を持たせる
→チームを作り、それぞれのメンバーに帰属意識を持たせ、ポジティブで生産的なチーム作りを推奨する。例えばザッポスでは、自分のデスクだけでなく、チームの共有部分やチームのエリアのエントランスなどを自由に飾り、そのデコレーションを社内で楽しく競い合う “遊び”を取り入れている。こうすることで、他のチームメンバーとの会話、創造、遊びを楽しみ、きずなが深くなり、より帰属意識が深まる
●世間話を心がける
→頻繁に「飲みニケーション」をしなくても、普段の世間話を心がければOK。週末はどうだったのか? どんな音楽が好きなのか? そんなちょっとしたコミュニケーションを上司から持ち掛け、部下一人ひとりに興味があることを示すことが大事。
従業員を幸せにすることは、会社(管理職)の使命とも言えるかもしれません。同時に従業員を幸せにしようとする管理職側も幸せであることが大事。バランスの良い食生活、適度な運動、十分な睡眠、趣味の時間、家族・友人との時間、瞑想、ボランティアなどで心身を健康に保ち、従業員に還元していきたいですね。
引用:http://www.business2community.com/human-resources/making-employees-happy-save-millions-heres-0801753
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2014/08/19/survey-finds-more-job-dissatisfaction-in-japan/
http://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/003.html
顧客体験(CX)、NPSに
関するご相談
トータルエンゲージメントグループでは、これまで延べ100社以上15,000店舗以上のアパレル・小売流通・飲食宿泊から金融、行政などB2C事業からSaaSやメーカーのようなB2B事業など、様々な業種での支援実績がございます。
CXにおける改善をツール提供だけでなく、全体の戦略をもとに策定・実施まで一気通貫でサポートいたします。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください!
メルマガ登録
Total Engagement Groupの最新ニュースや、CX・NPSの最新トレンドを
メールマガジンにて配信しております。ご登録はこちらから!
人気記事
カテゴリー