2015.12.21
エンゲージメント
「車を売らない」ショールーム、「メルセデス ミー 東京羽田」の試みとは?
車のショールームに入る時、どうしても私はためらいを感じてしまいます。あの待ち受けている感じのショールームに入って、どうやって自然に振る舞おうか、強烈に営業されるのではないか、いろいろオプションを勧められたらどうしよう… そんなことを考えると、自然に身構えてしまいます。購入を考えている時ですらこの有り様なので、買う予定の無いときはそもそも店に近寄らないという方も多いのでは。
?そんなショールームの敷居の高さを克服しようとしているのが、メルセデスです。なんと、「車を売らない」、「仕切りの無い」ショールームを羽田空港に開店。お客様とショールームの関係を根本から変えようとする「メルセデス ミー 東京羽田」の取り組みについて、同店のストアマネージャーの末重さんと広報担当の木下さんにお話を伺いました。
新感覚のショールーム
「メルセデス ミー 東京羽田」は、メルセデスが展開する新たなオンラインサービス「メルセデス ミー」の一環として、今年7月に開店しました。ドイツ、イタリアにつづく世界3番目、アジアでは初の常設店です。
同店の最大の特徴は、お店が一切仕切りで囲まれておらず、オープンスペースになっていることです。京急線の駅からエスカレーターで上がってくると目の前に、ステージがあり、その上に展示されている最新モデルの車がドンと目に入ってきます。通常は、最新車種を展示していますが、ついこの間まではF1カーを展示していたのだとか。他にも、実際に試乗できるメルセデスが2台ありました。
車に強い関心の無い人にも気軽にブランド体験をしてもらうため、クリスピー・クリーム・ドーナツ、エッグセレント・バイツの2つの飲食店を用意していることも特徴的で、羽田店限定のスターマーク入りの商品を揃えています。さらには、自分で自由に見積もりが作れるデジタルサービスも用意していました。
今までにはない斬新なショールーム。なぜ、メルセデスは羽田にこのようなお店を開設したのでしょうか…?
より多くの人にメルセデスとの出会いを
きっかけは、5年前のこと。当時メルセデスは、新たに価格帯の安いコンパクト車を導入したところで、今までのメルセデスとは異なるターゲット層を呼び込めるショールームを求めていました。そこでメルセデス・ベンツ日本は、2011年六本木にメルセデス・ベンツ・コネクションというショールームを開設しました。車の販売を一切行わず、カフェで飲食を楽しみながら気軽にメルセデスに触れあえる場所を世界で初めて作り上げました。
来場者数や満足度の点などから成功を収め、ベンツに対するカジュアルイメージの浸透や若い層の取り込みに大きく貢献しました。同店の成功は本国でも認められ、アジア初の「メルセデス ミー」出店へとつながりました。
そこでの成功を受け、「メルセデス ミー 東京羽田」は主に2つの目的を持って設立されました。1つ目は、お客様と車との距離を近づけること。店をお客様が自由に見て回りやすいオープンスペースにしただけでなく、お客様主体のサービスを徹底しています。「お客様が望むときに望むサービスを提供するため、こちらからのセールスは一切行なっていません。」と末重さんは話します。
2つ目は、今まで顧客で無かった人々にメルセデスに触れてもらうことです。出店規制の非常に強い空港にあえて出店したのも、空港は様々な年齢層や職業、地域の人が車以外の目的で訪れる場所だったため。実際同店には、平日は30代から50代のサラリーマンの男性、休日には家族連れが多く訪れ、ベンツを持つ人も持たない人も気軽に見て回っていくそうです。「メルセデスなどの輸入車のショールームには特に行きにくいと思いますが、この店がメルセデスとの出会いの場になってくれれば。」と木下さんは思いを語っていました。
これからのメルセデス ミー 東京羽田
開店から5か月程経ちましたが、同店はすでにその効果を発揮しています。飲食利用も含め1日約500人が訪れる同店では、今まで得ることのできなかった潜在的な顧客の情報がどんどん集まってきています。
現在同店の取組の一つに、メルセデス・ベンツによる「羽田空港送迎(ショーファー)サービス」があります。運転手付きの送迎サービスで最高の移動時間をご提供しており、今後、オンラインでの予約もできるように準備を進めています。今後の同店の方針として、末重さんは「現在羽田の取り組みは世界的に注目を集めているので、日本発のサービスを発信していきたい。東京オリンピックに向け、『日本らしさ』をアピールできれば。」と抱負を述べていました。
日本一ベンツに気軽に触れられるお店、「メルセデス ミー 東京羽田」。羽田空港に訪れる人は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
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