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    2015.05.13 従業員エンゲージメント
    従業員エンゲージメントが高ければ、五月病もサザエさん症候群も怖くない?

    新年度が始まり、あっという間にゴールデンウィークも過ぎましたね。4月から異動、就職、転勤などで大きな変化があった方にとっては、ようやく新しい環境に慣れてきた頃でしょうか。でも、五月病にかかりやすいのもこの時期です。

    五月病の原因には色々あります。まず、環境の変化に対応しようと一種の緊張状態になり、心身ともに大きなストレスを感じてしまうというのが一番の原因。他にも、新しい人間関係を築いていかなければならないストレス、職場の雰囲気に馴染めないという悩みなども原因に。また、思ったように自分の経験やスキルを生かすことができない、などのフラストレーションや挫折を感じてしまったり、希望していた部署や会社に所属できたことの達成感によるバーンアウト(燃え尽き症候群)が原因となることもあります。

    実はこの五月病は日本特有のもの。そもそも4月が年度始めというのが日本特有のものというのが一番の理由なのではないかと思いますが、他の国では、落ち込んだりやる気をなくしてしまう時期というのは特定の月に限ったことではなく、人によって異なります。でも、休み明けの月曜日に「また1週間仕事か」と思って憂鬱になってしまう「ブルーマンデー症候群」は多くの国の人が経験したことがある様子。日本で「サザエさん症候群」と呼ばれる現象がこれに相当するでしょうか。

    そんな五月病やサザエさん症候群といったメンタルヘルスの不調を防ぐために個人ができることは色々ありますが、企業はどのようなことができるのでしょうか。

    メンタルヘルスの今

    厚生労働省による「平成25年 労働安全衛生調査」によると、過去1年間においてメンタルヘルス不調により. 連続1か月以上休業又は退職した労働者がいる事業所の割合は約1割で、IT企業では約3割という数字になっています。メンタル不調は「ちょっと立ち止まって休もうよ」と心と体がSOSのサインを発している証拠。だから企業側には従業員が置かれている状況を受け入れ、カウンセラーや産業医などの専門家の力を借りて正しくサポートすることが求められます。

    今年12月からはストレスチェックの実施が事業者に義務化されるため、これまで「取り組み方がわからない」「必要性を感じない」とメンタルヘルス対策を行っていなかった企業も、本気で対策を打たなくてはいけません。

    従業員エンゲージメントを強化して心身の健康を促進!

    ストレスチェックなどを行うことで、従業員の今の心の状態を把握し、早めの対策を打つことが可能となります。でも対策が必要なほどストレスを感じている従業員を見つけることに注力するより、心身ともに健康な従業員を育成することに注力した方がずっと効率も生産性もいいはずですよね。そこで、メンタルヘルス対策の前に、従業員エンゲージメントの強化に取り組んでみてはいかがでしょうか。

    このような研究/調査結果があります。オランダとスペインの心理学者が共同で行った研究によると、エンゲージメントの高い従業員は、そうでない従業員に比べて心身の健康状態が高い傾向にあることが分かっています。また、タワーズワトソン社の調査によると、従業員エンゲージメントの高い企業の営業利益率は、そうでない企業と比べて3倍高かったことも分かっています。

    では従業員エンゲージメント強化のためには、どうすれば良いのでしょうか? まずはじめに「従業員共感」を獲得することが必要となります。そのためには、企業のビジョンやミッションを従業員にしっかりと伝え、浸透する努力が求められます。? 同時に、従業員に自社を好きになってもらうこと、すなわち「従業員愛着」を獲得するために、優れた従業員体験を提供することが必要です。これは、この会社で働いてよかったと思えるような制度を構築したり、社員が一丸となれるようなイベントを行うことです。

    従業員エンゲージメントの測り方

    従業員エンゲージメントを強化する前に、まず現状を把握しなければいけません。従業員エンゲージメントの計測には、Net Promoter Score® (NPS®) が最適です。アップル、アマゾン、フェイスブックなど、全米売上上位500社のうち35%の企業が採用しているNPS®。もともと「自社の商品やサービスを周りにすすめる可能性はどれくらいあるか」という顧客ロイヤリティを測るために開発されたものですが、非常にシンプルで分かりやすい指標のため、最近では従業員のエンゲージメントレベルを見るために活用している企業も増えています。従業員がただ満足しているだけではなく、友人や家族に「うちの会社って最高!」と思わず言いたくなるほどであれば、エンゲージメントが高い証拠。

    エンゲージメントの高い従業員というのは、幸福度や健康度が高くなるため、メンタルヘルス上の問題が起こりにくくなります。また、モチベーションと生産性の高さに加えて、会社から求められる以上の仕事をしようと努力をするため、会社にとってなくてはならない”人財”となります。

    エンゲージメントの向上=メンタルヘルスの向上+企業の成長 です。生き生きとした個人と組織づくりのために、今注目すべきは、エンゲージメントではないでしょうか。

    SHAR

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