2025.08.17
体験価値
界隈消費と体験価値 — “好き”でつながる時代のブランド戦略

界隈消費とは何か
近年、SNSの発達と共に注目されている「界隈消費」という言葉があります。自分は最近知りました。これは、ある趣味・推しや価値観を共有するコミュニティ(界隈)内で盛り上がり、その中で消費行動が活発に行われる現象を指すようです。アイドルのファンコミュニティや、特定ジャンルのスポーツチーム、マンガ・アニメの推し文化などが代表的です。昔からあったコミュニティを、レトロ感のある「界隈」という言葉を使うことで、リブランディングできたようです。
界隈の中では、「好き」という感情が購買の原動力となり、金額や利便性だけでなく、その行動自体がコミュニティ内での“共感”や“承認”につながります。ここで重要なのは、消費の目的がモノやサービスそのものよりも、その体験を共有することにシフトしているという点です。
体験価値が界隈を支える理由
界隈消費が持続しやすい理由のひとつに、「体験価値」の存在があります。例えば、推しのライブに行く行為は、音楽を聴くこと以上に、会場で同じ熱量を持つファンと空間を共有することに価値があります。
そこでは、「その場にいた」という体験自体がブランドへのロイヤルティを高め、SNSでの発信や友人との会話を通じてさらに広がっていきます。企業にとって、この体験価値は単なるプロモーションイベントではなく、顧客が自らブランドアンバサダーになってくれる仕組みです。
特に現代は、情報が氾濫し差別化が難しい中で、体験を通じて得られる感情的つながりこそが「差異化」を生みます。
界隈消費を生み出すための企業アプローチ
界隈消費を戦略的に活用するには、「売る」前に「共感」を醸成することが必要です。
具体的には、①顧客と価値観を共有できるコンセプトを打ち出す、②コミュニティが自主的に交流できる場を設ける、③リアルとデジタルの両面で体験を提供する、という3つのポイントが重要です。
例えば、ナイキはランニングクラブを世界各地で展開し、商品購入よりも先に「一緒に走る仲間」というコミュニティ体験を提供していました。また、スターバックスは店舗空間を「第三の場所」として設計し、コーヒー以上の交流価値を提供してきました。
これらの取り組みは、界隈消費を自然発生的に育て、長期的なブランドロイヤルティを築いています。
まとめ
界隈消費は、一見ニッチなコミュニティに見えますが、そこに参加する顧客は非常に熱量が高く、継続的な消費を行うロイヤル顧客になりやすい特徴があります。
そして、その基盤となるのが体験価値です。企業がこの価値を理解し、顧客同士のつながりを促進する体験設計を行えば、短期的なキャンペーンでは生み出せない“持続的な愛され方”をブランドにもたらすことができます。
今後のマーケティングは、「どんな商品を売るか」だけでなく、「どんな界隈を育て、どんな体験を提供するか」が成功の鍵となるでしょう。
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