2022.09.27
顧客満足度
大人気のコメダ珈琲が顧客体験に力を入れる理由
皆さんは、コーヒーお好きですか? 目覚めの一杯、食後の一杯、おやつタイムの一杯など、コーヒーを楽しむことが生活の一部となっている、という方も少なくないはず。最近ではスターバックスのようなセルフ式カフェもすっかり定着し、2015年にはサードウェーブコーヒー(1杯1杯を丁寧に淹れたコーヒー)の代表格とも言われるブルーボトルコーヒーが日本に出店して話題を集めましたが、最近ではフルサービスの喫茶店の人気が高まっていると言います。
その中でもいまや全国区となったコメダ珈琲は、売上・店舗数が右肩上がりで、温かみのあるログハウス風の内装、朝11時までにコーヒーを頼むと無料でついてくるトーストとゆで玉子などのモーニング、ボリュームのある食事メニュー、豊富に取り揃えられた雑誌や新聞、程良い距離感を保った接客など、居心地の良さやおもてなしを提供していることで、特にシニア層、主婦、サラリーマンに人気のようです。最近、私も近所にあるコメダ珈琲によく行くようになりました。
でも他にもこのような業態の喫茶店は多くありますが、コメダ珈琲が地域の人に愛される理由は、サービス向上のため行っているというミステリーショッピング(覆面調査)にもあるように思います。
そもそもミステリーショッピングとは?
もちろん最近ではSNSなどからお客様の感想をリアルタイムで得られるようになりましたが、企業がどれだけ最高の接客・カスタマーサービスを提供しようと研修や設備投資に力を入れたとしても、それがどれだけ現場に反映されているのかを完全に把握するのは難しいものです。
企業はお客様が目にされる細かいミクロの部分に目を向ける必要があるわけですが、それを追及するのがミステリーショッピング。調査で得た結果からどのような改善が必要なのか、お客様が本当に求めているのは何かなど、サービスや製品に対する正しい課題抽出ができるため、行動に移しやすいのが特徴です。
VOC(お客様の声)を聞く調査方法には、アンケートやSNSでの感想などももちろん役に立ちますが、ミステリーショッピングのポイントはミクロの視点で得た声であるということ。根本的な課題を抽出し、その改善進捗を確認しながらサービス向上に努めたいということであれば、ミステリーショッピングは非常に有効な調査方法です。
実際にミステリーショッパー(覆面調査員)になったつもりでコメダ珈琲に行ってみました
コメダ珈琲では、ミステリーショッピングのチェックリストに50近い項目があると言います。以前「ヒルナンデス」でその項目が一部紹介されていましたので、先日ミステリーショッパーになったつもりである店舗を訪れ、各項目を確認してみました。
①店の外が清掃されているか
→ゴミもなくキレイに清掃されていました。
②店内でゴミが落ちてないか、ホコリがないか
→店内にゴミはなく、見る限りは全てキレイに磨かれていて清潔感に溢れていました。
③メニューが形崩れしていないか
→メニューはどれも新品のようにキレイで、はがれやかすれなどもありませんでした。ただ二人席だとメニューがテーブルを覆ってしまっていて、騒がしい感じがしました。
④注文時お客の細かな要望も確認するか、サンドイッチなどのカットの仕方を変更してくれるか
→コーヒーのミルクのことはもちろん確認してもらえましたが、プラス100円で1.5倍の「たっぷりブレンドコーヒー」でなくてもよいかの確認してもらえました。また、名物メニューの「みそカツサンド」を頼んでみたところ、通常は三等分にカットされているようなのですが大きいとのことで、女性なら四等分、もしくは六等分や八等分がオススメです、との提案を受け、四等分で注文してみました。量がかなりボリューミーで半分残してしまったので、ハーフサイズの提供などもあると良いなと思いました。
⑤接客サービスや盛り付け方
→入店時にオープンキッチンにいたスタッフも含め、皆で挨拶をしてくれたのが好印象でした。また、注文を取る時にもにこやかな笑顔でずっと目を見て対応してくれたのも◎でした。みそカツサンドの盛り付けは特に問題なかったのですが、欲を言えば下記公式HPの写真のように、カツの切り口やみそダレがかかっている様子が見えたら、より食欲をそそるのでは、と思いました。
出典:珈琲所コメダ珈琲店
⑥食器のロゴがお客さんの正面にくるように置いているか
→お水もコーヒーもちゃんと食器のロゴが私の方を向いていました。おまけでついてくる豆菓子は嬉しさプラスですね。
⑦コーヒーカップに汚れがないか
→特に気になる汚れはなし、ソーサーも含め真っ白でピカピカだったのが印象的でした。
⑧料理の提供時間
→コーヒーを何口か飲み、リラックスした頃にみそカツサンドが運ばれてきたのでちょうど良いと感じました。
⑨水が無くなったら、店員はすぐ補充しにくるか
→こちらは残念! 店員さんの目につきやすいように飲みほしたグラスをテーブルの角に置いてみたのですが、結局最後まで気づかれることはありませんでした。
⑩雑誌・本が整とんされているか、新聞の日付が古くないか
→基本的にキレイに整とんされていましたが、多くの方が雑誌、本、新聞などを読まれていたせいか、横や後ろを向いている雑誌や本が数冊ありました。新聞はその日の日付のものだけが並んでいました。
⑪トイレは清潔に保たれているかどうか、トイレットペーパーのスペアはあるか
→トイレはまるでプロの方が清掃したかのようにキレイでした。そしてトイレットペーパーのスペアも3つほどありました。店員の皆さんの意識の高さが感じられました。
以上、いかがでしたでしょうか。ミステリーショッパーの視点で見ると、色々な気づきを得るものだと実感しましたが、各地ですっかり市民権を得ているコメダ珈琲でも、より良いサービスや商品につなげられるヒントがまだあるということも分かりますよね。こうした点を客観的な目で定点観測しながら、改善や今後の経営上の施策につなげられるのがミステリーショッピングの魅力です。売上が伸びたから、店舗数が増えたからとそこでやめるのではなく、コメダ珈琲のように、「継続は力なり」と根気よく長期的に続けることが大切です。
ただし、ミステリーショッパーの声は、一般のお客様のそれとは異なるので、どちらか片方だけではなく、両方の声を活かすと良いと思います。そして、改善点だけにフォーカスすることなく、お客様からのお褒めの言葉も共有してモチベーションアップを図り、従業員の顧客満足を大切にする心を育むことで、より効果が表れやすくなるのではないでしょうか。
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