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    2025.08.11 顧客体験
    「おまかせ」に宿る、日本流おもてなしの本質
    〜体験価値がブランドを創る〜

    「おまかせ」と「おもてなし」

    かつての日本のおもてなしは、「察する」「空気を読む」といった抽象度の高い文化の中に根付いていました。お客様の表情や仕草からニーズを察知し、先回りして叶える——これが長くサービス現場の美徳とされてきていました。

    抽象的なおもてなしから、誰にでも伝わるおもてなしへ

    サービスの現場での、作業がマニュアル化したことにより、一人ひとりの工夫よりも均一なサービスが日常になっています。また、訪日外国人(インバウンド)の急増や価値観の多様化により、その前提は通用しづらくなっています。文化や言語が異なるお客様には、従来の“察し合い”だけでは十分に価値が伝わらず、期待通りの満足を得てもらえないケースも増えています。

    今、必要とされているのは、誰にでもわかる形で体験として組み込まれた「おもてなし」です。視覚・聴覚・会話など、あらゆる接点で「何を大事にしているか」を見える化し、ストーリーとして伝える設計が欠かせません。

    世界で評価される「おまかせ」という体験価値

    こうした変化の中で、海外でも注目を集めているのが寿司店の「おまかせ」です。“Omakase”という言葉は今やそのまま世界で通用し、ニューヨークやロンドン、シンガポールなどにも人気店が次々と登場しています。先日、NY在住の友人から聞いた話では、NYで流行っている寿司店では、一人1000ドルでも予約で埋まると言われています。

    そが人気の理由は、寿司自体の美味しさはもちろんですが、「Omakase」です。
    訪れるお客様は、単に順番に料理を出してもらうために来るわけではありません。一貫ごとに込められた大将の意図、その日の素材や気候に合わせた工夫、握る所作や盛り付けの美しさ、そしてカウンター越しに交わされる会話——これらが一体となって特別な体験をつくります。

    もしこれらの要素が欠ければ、体験は「ただのコース料理」に変わり、再来訪や推奨意向は低下します。逆に、背景にストーリー性や季節感、職人の哲学が織り込まれることで、顧客は単なる食事を超えた「物語の一部」を体験し、深いロイヤルティが生まれるのです。

    「おもてなし」の再定義とCX経営への示唆

    「おまかせ」が世界で新鮮かつ革新的に受け止められている背景には、日本が長く培ってきた「相手を思い、心を尽くす」文化があります。

    寿司店に限らず、旅館や料亭、観光施設、小売店舗など、あらゆる業態で「商品やサービス」×「おもてなしの体験価値」の掛け算は唯一無二のブランド体験を生み出します。そしてそれは、推奨者やリピーターを増やし、長期的にブランドの資産となります。しかし、マニュアルベースのサービスだけですと、それは相手にもその価値が伝わります。

    特にCX(顧客体験)経営においては、提供価値を五感やストーリーで構築し、それを現場で一貫して伝え続けることが不可欠です。「Omakase」の本質は、「お客様が何を受け取るか」ではなく、「現場がどのように体験を設計し、感情を動かすか」にあります。

    マニュアルとしてのサービス品質と、その先にある「おもてなし」をしっかりと区別して価値提供することで、付加価値の高い素晴らしいサービスを提供が可能になります。

    この視点こそ、インバウンド需要が伸びる中で、世界に誇れる日本ブランドを育てる鍵になるのではないでしょうか。

    SHAR

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