2024.11.11
顧客体験
【コラム】これまでのCSとCRM、そしてこれからのCXM:顧客体験の進化と企業戦略の変革
アイキャッチの写真は、当社が2011年に作ったTシャツのタグラインに入れていたことです。
だいぶ早かったですね。
これまで、企業は顧客満足(CS: Customer Satisfaction)や顧客関係管理(CRM: Customer Relationship Management)に重点を置いて、顧客との関係性を築いてきました。しかし、顧客ニーズが多様化し、デジタルツールが日常に浸透する中で、顧客が求めるのは単なる満足度や関係性の構築を超えた、より深い「体験」となってきています。こうした背景から、顧客体験管理(CXM: Customer Experience Management)が注目されるようになりました。今回は、CSとCRMの役割を振り返りつつ、これからのCXMが企業にとってどのような意味を持つのか、その変化と価値を探ります。
目次
CSとCRM:顧客満足と関係管理
顧客満足(CS)は、企業が提供する商品やサービスが顧客の期待にどれだけ応えられているかを測る基準として長く重視されてきました。CSは、顧客の好意的な反応を促し、リピート購買や口コミ拡散といった行動を促すための基本的な指標であり、企業にとっての成長の基盤です。例えば、アンケートやフィードバック収集を通して、商品やサービスに対する満足度を調査し、CS向上を図ることは、多くの企業が行っている取り組みでしょう。
一方、CSに加えて、顧客との関係性を長期的に育むために「顧客関係管理(CRM)」が導入されるようになりました。CRMは、顧客の購買履歴や問い合わせ内容、趣味や嗜好といった静的なデータを一元管理することで、顧客ごとのニーズに合わせたアプローチが可能になります。CRMによって、企業は顧客を「個人」として理解し、一人ひとりにパーソナライズされた情報を提供することができるようになりました。この仕組みによって、顧客との信頼関係が深まり、ロイヤルティ向上やリピート購入の増加といった成果が期待できるようになりました。
CXMの登場:顧客体験全体の管理へ
今日、顧客が求めるのは「満足」や「関係」を超えた、ブランドとの深い一貫性ある体験です。そこで、CSやCRMの先にある「顧客体験管理(CXM: Customer Experience Management)」が注目され始めました。CXMは、顧客がブランドと関わる全てのプロセス—認知から購入、使用、アフターサポートまで—を通じて、いかに価値ある体験を提供できるかに焦点を当てています。CXMのポイントは、顧客との接点を単なる情報交換の場とするのではなく、あらゆる場面で一貫したブランド体験を提供し、顧客にとって意味のある体験を創り上げることにあります。
CXMは、マーケティング、営業、カスタマーサポートといった部門間でのシームレスな連携が重要です。例えば、あるEC企業は、顧客がサイトを訪れた際の行動データをもとに、一貫した体験が提供されるようリアルタイムでパーソナライズされたコンテンツを出しています。さらに購入後も、顧客の使用状況に基づいて適切なサポート情報を提供するなど、全てのプロセスで顧客に寄り添った体験が提供されています。このように、CXMは顧客の体験全体を通じて長期的な関係構築とロイヤルティ向上を目指しているのです。部門最適というよりも、全社で顧客体験の向上を目指すことになります。
これからのCXM:データとAIを駆使したパーソナライズ体験
CXMが目指す「体験の一貫性」を実現するためには、データとテクノロジーが不可欠です。顧客一人ひとりに合わせた最適な体験を提供するために、企業はビッグデータやAIを駆使し、リアルタイムでのパーソナライズされたコミュニケーションを強化しています。AIは、膨大な顧客データを解析し、それぞれの顧客に対する最適な対応や提案を導き出すことで、従来のCSやCRMでは難しかったきめ細やかな対応を可能にしています。このようなことは、大きな投資が可能な企業が取れる方法です。
TEGが考える理想的なCXMの使われ方:全社による顧客体験向上
CXMにAIが実装されることは、当社ツールでもロードマップに入っており、早晩大きくの企業が使われるかと思います。TEGが考えるCXMは、全社員で現在の顧客体験がリアルタイムに見れて、どうすれば喜んでいただけるかを考えるようになることが、最もパワフルな使われ方だと考えます。それはAIでは出来ず、常時仕事を通してお客様に喜んでいただこうと思っているスタッフからクリエイトされると思います。
まとめ
これまでのCSとCRMは、顧客満足や関係性の管理に重きを置いてきましたが、現代の顧客が求めるのは、企業との関わりにおいて全体を通じた「体験の価値」です。そのため、今後はCXMの導入が企業にとって重要な要素となっていくでしょう。CXMは、顧客とのあらゆる接点を一貫性ある体験として管理し、データとAIを活用することで、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズされた対応が可能です。
CXMを実現することで、企業は単に顧客に対して価値ある体験を提供するだけでなく、長期的な信頼関係を築き、顧客ロイヤルティを向上させることができます。これからの企業に求められるのは、CXとEXの両軸で顧客と従業員が共に良い体験を享受できる環境の整備です。CXMはその中心に位置する戦略であり、企業の成長を支える重要な基盤となるでしょう。
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