2025.08.24
組織文化
【コラム】スタバの茶色のエプロンに学ぶ、EX設計とCXの極意

みなさんもよく行かれると思うスタバですが、エプロンの種類の話は聞かれたことがるかと思います。スタバのエプロンで茶色のエプロンの種類があるのは知っている方いらっしゃいますか?
実は茶色のエプロンがあるんです。
エプロンに込められた意味
スターバックスに入店すると、まず目に入るのは緑色のエプロン。これは最も一般的なパートナー(スタッフ)が着用する標準色です。クリスマスシーズンなどでは赤があったりします。そして、社内試験「コーヒーマスター」に合格した、一部の専門性の高いバリスタのみに授与される色です。全体の約10%程度がこの資格を所持し、コーヒーについて非常に深い知識と技能を持つ証とされています。
そして”コーヒーを使って染められた茶色のエプロン”——。
最上位「アンバサダーエプロン」とも呼ばれ、年に1度の全国バリスタコンテスト「アンバサダーカップ」で優勝したトップバリスタ1人(もしくは極めて限られた人数)だけに授与される超レアな称号です。約3~6万人のバリスタの中でも1人だけが着用でき、スタバの象徴的な“頂点”バリスタの証です。
この「色の違い」は単なるユニフォームのバリエーションではなく、従業員体験(EX)の設計そのものです。自分の努力や成果が「色」というわかりやすい形で表現され、仲間やお客様に一目で伝わる。つまりスターバックスは「エプロンの色」で、従業員の成長や誇りを可視化しているのです。
茶色のエプロンの人との出会い
先日、プライベートでご一緒した方が、実はその「茶色のエプロン」を獲得した経験のある方だと知りました。数万人の中から一人しか選ばれない存在が、目の前にいる。驚きとともに、深い納得がありました。
なぜなら、その方は知識や技術に秀でているだけでなく、物腰が柔らかく、謙虚で、優しさを持ちながら、同時に厳しさも兼ね備えていたからです。数回しかお会いしていないにもかかわらず、「この人は只者ではない」と感じていました。その背景に「茶色のエプロン」という物語があったと知ったとき、人物のあり方とEX設計の関係性がはっきりとつながったのです。
ただコーヒーを提供するのではなく、“誰が”その一杯を淹れるのか。その方の努力や姿勢そのものがスタバの顧客体験の代表として全社員に示されいる。この具体的な人物像を介して、会社はスタッフに手本を示し、スタッフはそれを眼の前のお客様に提供し、豊かな体験価値をにしていく——。私はその瞬間、EXが人の在り方を磨き、その輝きがCXを生み出すのだと実感しました。
EX設計がCXを変える
多くの企業では「顧客満足度」を高めるための施策は行いますが、「従業員の誇りや成長をどう設計するか」までは踏み込めていないケースが少なくありません。スタバのエプロン制度は、従業員にとってのモチベーションであると同時に、顧客にとっての体験価値を増幅させる仕組みです。
これはまさに、体験価値経営の象徴的なモデルだと言えるでしょう。EXを磨き上げることでCXが自然に高まり、ブランド全体の魅力が強化される。エプロンというシンプルな仕掛けの裏に、従業員と顧客双方に働きかける戦略が息づいています。
まとめ
「茶色のエプロン」の人との出会いは偶然でしたが、その体験は「この一杯を特別にしてくれる人がいる」という深い印象を残しました。茶色エプロンは、コーヒーに関する知識・技能だけでなく、接客やプレゼンテーションの総合的なスキルが認められた“スターバックスの顔”とも言える存在に与えられる称号でした。また、流石だなあと思うのは、「コーヒーを使って染められた」特別製のエプロンで、その胸元には、歴代アンバサダー全員の名前が刺繍されているというしっかりとしたストーリーもあるということです。
従業員が誇りを持ち、顧客が感動する。その両輪を設計しているからこそ、スターバックスは世界中で支持され続けているのでしょう。
企業がCXを高めたいなら、まずEXの仕組みをどうデザインするか——スタバのエプロンが教えてくれるのは、そのシンプルかつ普遍的な真理です。
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