2018.10.31
コラム
勘定的ではなく「感情的」な消費で顧客をファンにする
生活者はどんどん賢くなり、モノを売ることが難しくなっています。川上徹也氏は物を売るバカ2 感情を揺さぶる7つの売り方の中で2つの消費スタイルがあると述べています。
『あなたが「モノ」を買ったり、店で飲食したりする時、大きく2つの消費スタイルがあるはずです。それが「勘定的な消費」と「感情的な消費」です』
「勘定的な消費」とは、「理性」を重視した消費で、私たちは値段や実用性、利便性、知名度などを勘定してモノやサービスを買っているはずです。「価格」と「品質」のバランスを考え、合理的に行動しています。日常の買い物やランチの時には、お勘定を気にしながらお金を使います。「コスパがいい」という言葉が一時期流行りましたが、価格のわりにはお買い得なモノをこのモードの時には探しています。
もう一つの「感情的な消費」について、川上氏は理性で考えると役立つものではないし、ちょっと高かったりするのだけれど、なぜか欲しくなり買ってしまう消費スタイルだと定義しています。趣味に関する買い物などはその典型で、好きなミュージシャンやスポーツチームなどのグッズを買ったりする時には感情で行動しています。
もしあなたが奥さんとの結婚記念日にコスパを追求したら、夫婦喧嘩につながってしまうかもしれません。記念日には、誰もがちょっと奮発しておしゃれなレストランを選びますよね。人へのプレゼントを選ぶ時なども、勘定よりも感情の方を優先する消費になり、相手を喜ばそうと頑張ります。
インスタ映えする消費が話題になっていますが、うちの高校生の娘はケーキを買う時に見栄えを意識します。美味しいを基準にすれば良いと思うのですが、どれだけ綺麗に写真が撮れそうかが判断基準になっています。
先日もマカロンを買ったのですが、パッケージを開ける権利は親にはなく、高校生の娘が写真を撮り終わるまでは、食べられないというルールが我が家では徹底されています。
レストランなども価格や味に加え、インスタ映えで話題になっている店も増えています。インスタ映えするなら少しくらい高いお金を払おうとしている生活者がいるのなら、彼らの感情を揺さぶる動きを取り入れないとファンを獲得できません。インスタで宣伝してくれる高校生を軽視する店が多いと娘は嘆きますが、彼女たちを大事にすることで店が話題になり、売り上げが上がる可能性は大いにあります。
本書には感情を揺さぶる7つの要素「エモ売り7」について書かれていましたが、その中にもインスタ映え(Instagenic)にページが割かれていました。
「エモ売り7」とは
- 体験(Experience)
- 心動く(Moved)
- 世界観(Outlook on the world)
- 共創・協創(Together)
- インスタ映え(Instagenic)
- ここにしかない(Only one)
- 懐かしい(Nostalgia)で人の感情を揺さぶる売り方です。
和菓子の「本家長門屋」の切り分けるたびに絵柄と味が変わる「羊羹ファンタジア」の物語性は多くのユーザーを虜にして、インスタで話題になっています。買って切るとつい写真を撮りたくなる和菓子、購入後のカスタマージャーニーをしっかりと描いていて、好感が持てました。自社のストーリーをしっかりと伝えることで、生活者の感情が揺さぶられ、購入に繋がるのです。
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