2014.11.07
エンゲージメント
従業員エンゲージメントを国策にまでしているのはどこの国?
エンゲージメント先進国と言われる欧米ですが、その中でも特に欧州のある国は、従業員エンゲージメントが政策にもなっているというから驚き! その前に従業員エンゲージメントについておさらいしておきましょう。
従業員エンゲージメントとは?
従業員が自分が勤める会社のビジョンやミッションに共感すると共に、会社に対して愛着を感じることで、自社の存続・成長に積極的に関わっていこうとする姿勢のことです。こうした従業員の姿勢から生まれる行動は接客などのサービス向上をもたらし、それに比例して顧客満足度が向上し、持続的な売上の安定・伸長につながります。すると従業員のモチベーションがさらにアップし、より高い意識を持ってイキイキと仕事に取り組むというポジティブな循環が生まれます。
<従業員エンゲージメントフロー>
上記フロー図にもある通り、従業員エンゲージメント強化には、ビジョンやミッションをしっかり浸透させて共感してもらうこと、この会社で働いてよかったと思えるような制度を導入するなどして優れた従業員体験を提供するということが欠かせません。
この2つが得られると、サービス品質の向上、従業員からのサービス改善や新商品の提案が自然と増加します。また、離職率も低下し、勤続年数が長くなることにより、知識やノウハウの伝達が可能となり、その分雇用や教育にかかるコストが削減できるようになります。これが従業員エンゲージメントが強化されることでもたらされる効果です。
従業員エンゲージメントの強化は、最終的に顧客数の増大、顧客離反率の低下、売上・利益の拡大と持続的成長という結果につながります。
一点注意したいのは、必ずしも、エンゲージメント=満足度、というわけではないということ。例えば「会社が心地いいから好きだ」と満足度の高い従業員がいたとします。でもそこで終わってしまって、サービス・商品の提案などをしてイノベーションを起こすことができなければ、そこに成長や成功は見込めないですよね。だから従業員満足度が高かったとしても、最終的に企業の業績向上や持続的成長に結びつかなければ、エンゲージメントが高いとは言えません。
首相が訴える従業員エンゲージメントの重要性
さて、従業員エンゲージメントを国策にしている国、それは……
イギリスでした!
2011年3月29日、デーヴィッド・キャメロン首相のもと「従業員エンゲージメント・タスクフォース(Employee Engagement Task Force)」と呼ばれる特別チームが結成されました。従業員エンゲージメントを高めることで、GDPを26億ポンド増加させるのが主な目的だそうです。
このチームのメンバーである民間企業と公共機関のビジネス・経済などのスペシャリストにより、「成功目指してエンゲージメントを高めよう(”Engage for Success”)という運動が始まりました。Engage for Successのホームページでは、従業員エンゲージメントを高めるためのアイディアやツール、事例などが多く紹介されています。さらには「さあ英国のみんな、エンゲージメントを高めよう!(”Come on Britain, get engaged”)というプロモーションビデオを制作(下記参照)、その中で
・従業員一人ひとりが発言できるようにしよう、その声に耳を傾けよう
・僕たちは”人材”じゃなくて”人間”だということを認識してほしいんだ
・職場をみんなが輝きたいと思う場所にしよう
といったメッセージを発信しています。
このチームを結成したキャメロン首相は、
「僕はこのタスクフォースを全力で支援したいと思う。なぜなら従業員エンゲージメントを強化することで、イギリスの持続的成長と、国民の幸福度を増幅させるという、最も大事な2つのことを実現することができるからだ。民間企業と公共機関のスペシャリストが集まったことで、きっと企業の経営者がエンゲージメント強化のためにできることを効率的に学べるはずだ」
とコメント。
日本もGDPを上げようと思ったら消費税や輸出入など、考えなければいけない課題が色々ありますが、イギリス政府のように従業員エンゲージメントの強化に取り組み、国民の幸福と国の成長を促す試みも必要なのかもしれません。
引用:?http://mashable.com/2014/09/17/customer-service-success/
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