2019.11.25
従業員エンゲージメント
従業員満足度と従業員エンゲージメントの違いを理解することが大切な理由とは
エンゲージメントという言葉が頻繁に取り上げられるようになったことで、「従業員満足度と従業員エンゲージメントはどう違うのか?」という疑問を投げかけられることが多くなってきました。そこで今回は、この両者の違いについてまとめてみました。似たような言葉なので、厳密に区別する必要もないと感じている方もいませんか?
もちろん、言葉の意味そのものを明確に記憶することよりも、もっと重要なことがあります。
それは、経営者が従業員との関係をどのように捉えているかということです。従業員のためを思った施策が従業員の働く喜びに結び付いているか、それが離職率との関連性があるかどうかが大事ですよね。経営者の立場で考えたら、言葉の定義よりも、会社の課題解決につながるかどうかが大切ですよね。
この記事では、「従業員満足度と従業員エンゲージメント」の違いの説明から、会社の課題解決につながる考え方までを紹介したいと思います。
従業員満足度と従業員エンゲージメントの違いとは
この二つについて明確に定義づけられているわけではありませんが、次のように定義づけをすると比較的理解しやすくなると思います。
- 従業員満足度・・・従業員が、組織やマネジメント、仕事内容、職場の物理的環境や人間関係などについて、どのくらい満足しているかを示す指標。
- 従業員エンゲージメント・・・従業員が、企業や職場の同僚などに対して愛着、共感、信頼感を抱き、積極的に貢献したいと考えている度合い。
両者の違いをより浮き彫りにするために、少々大胆に表現するとすれば、次のように言い換えられるかもしれません。
「前者が、会社の様々な要素や機能に対して、どれだけ“頭で満足”しているかを測定する指標であるのに対して、後者は、それらの要素や機能を超えて、どれだけ“心で満足”しているかを測定する指標である」
これからは“情緒価値”が大切な時代と言われていますが、まさに従業員エンゲージメントが高い状態というのは、従業員の会社や組織に対する“情緒価値”が高い状態だと言えます。
従業員エンゲージメントが高い組織の場合、給与や残業など、待遇面での満足度が仮に高くなかったとしても、会社への愛着心や共感が強いために、より高い意欲を持って主体的に働く可能性が高いのです。
アミューズメントパーク業界でディズニーランドが競合他社を圧倒し続けているのも、コーヒーチェーン業界で、スターバックスが圧倒的なブランドを確立しているのも、従業員満足よりも、従業員エンゲージメントを高めることに注力しているからと言えば、イメージがしやすいかもしれません。
従業員エンゲージメントは効果的な打ち手がみえてくる
もう一つの違いは、従業員満足度調査よりも、従業員エンゲージメント調査の方が、その後、効果的な対策を打ちやすいということです。
従業員エンゲージメント調査の場合は、「従業員エンゲージメント総合指標【eNPS(Employee Net Promoter Score)】」という絶対指標があり、その絶対指標とそれぞれの調査項目との相関関係が明確にすることで、どの因子から改善するべきかの優先順位をつけやすいからです。
eNPSとは、世界のトップ企業5000社以上が導入する顧客ロイヤルティ指標「Net Promoter Score(NPS)」をベースに、従業員のロイヤルティ計測を目的として開発されたもので、「究極の質問」と呼ばれる二つの設問に対する回答から、従業員を3つの層に分けて分類するものです。
「究極の質問」は、
「いまの職場を、友人や親族に働く場所としてオススメする可能性はどれくらいですか?」
「会社が提供する商品やサービスを、友人や親族にオススメする可能性はどれくらいですか?」
の2問です。
この2つの設問の平均値が9点以上なら「推奨者」、7点から9点未満なら「中立者」、7点未満なら「批判者」とセグメントし、推奨者率から批判者率を引いた数値がeNPSの値となります。
そして、この2つの設問と同時に、「何をもって薦めたいのか?」という要素を挙げてもらうため、eNPSという絶対指標とそれぞれの調査項目との相関関係が浮き彫りになるという仕組みです。その結果、eNPSとの相関関係が高くて満足度の低い項目は、いち早く改善策を打つべき項目であることがわかります。
従業員エンゲージメント調査の時の質問は以下のように項目に分けることができます。
- 経営メッセージ・・・経営理念や社会性などに対する共感度を問う
- コミュニケーション・・・情報をオープンにする文化があるかを問う
- 組織体制・・・制度やルールの公正さなどを問う
- 関係性・・・会社と自分やチームと自分の関係を問う
- 成長・育成・・・能力発揮の風土があるかを問う
調査後、どこに課題があるのかを見つけ出し、改善すべき項目の優先順位を明確にし、一つ一つ対策を実施していけば、効率的に成果を上げていくことができるでしょう。
中堅中小企業にとっては、社員の流出を何としてでも食い止めたい時代。
リソースに限りのある条件面を充実させるよりも、従業員に“情緒価値”を感じてもらうかに注力をすべきではないでしょうか。
いち早く従業員エンゲージメント調査を実施し、課題を解決していきましょう!
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