2022.02.01
エンゲージメント
チャーンレート(解約率)とは?下げるために実行すべき3つのこと
最近、注目されているマーケティング用語に「チャーンレート」があります。チャーンレートとは「解約率」のこと。なぜ今チャーンレートが注目されるのか? チャーンレートを下げるためにはどうしたらいいのか? その鍵を握る3つのポイントについて、カスタマー・サクセスという観点から分析してみました。
目次
チャーンレートとは?
チャーンレート(Churn Rate)の意味は、日本語で「解約率」を指します。Churn(離れる、乗り換える)Rate(割合)=解約率という意味に訳されます。
なぜチャーンレートがいま注目されるのか?
大きなきっかけとなったのはSaaS (Software as a Servce)型のサブスクリプションビジネスの台頭です。SaaSの市場は、必要機能だけをインターネット経由で利用できるという利便性からクラウド時代の新しいソフトウェアの提供形態として2015年頃から急拡大しました。
チャーンレートはSaaSやサブスクリプションビジネスで使う指標として、急速に認知が広がった言葉ですが、どんなビジネスであってもチャーンレート、顧客離れを防ぐという概念はとても重要になります。
なぜなら、長期的に購入を継続してくれる既存顧客やファンを維持していくということはLTVの向上につながり、ビジネスを安定させ拡大させるポイントになるからです。
チャーンレートを下げるため実行すべき3つのこと
1)ヘルススコアの的確な活用
ヘルススコアとは、顧客が自社のプロダクトやサービスを継続的に利用をするかどうかを数値化したもので、顧客の健康状態を得点で表します。ヘルススコアがよければ健康=継続が見込めると判断ができますが、ヘルススコアが低い、つまり不健康な顧客の場合は、解約(チャーン)の確率が高いと考えられるために適切な対応が必要になってきます。
カスタマーサクセスが適切に機能していればヘルススコアは上昇することから、ヘルススコアはカスタマーサクセスの状況を正しく把握して、チェックして改善につなげていくことが重要になってきます。
ヘルススコアの確認は、チャーンレートの改善に役立つだけでなく、アップセル・クロスセルをする可能性も高まり、LTVの向上にもつながります。
2)顧客を3つの層に分けてアプローチ
カスタマーサクセスでは、顧客をハイタッチ、ロータッチ、テックタッチという3つの層に分けてそれぞれアプローチの仕方を変えるという考えがあります。
ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチとは、LTV(顧客生涯価値)を軸に顧客を3つの層に分け、それぞれに対して最適なアプローチをとる手法のことです。ハイタッチは、それぞれ手厚い対応ができますが対応できるユーザ数に限りがあり、ロータッチからテックタッチにいくほど多くのユーザに対応できます。
それぞれに段階的なアプローチを取ることで、それぞれの層の顧客に必要なフォローを行うことができます。
ハイタッチは、「最も重要な顧客企業」といえる顧客層に対するアプローチで、個別にフレキシブルな対応を目指します。具体的には、個別の導入サポート、個別の定例ミーティングや勉強会、顧客に合わせたカスタマイズなどがあげられます。
ロータッチは、ハイタッチの顧客層より価値が少し下がる層に対して行うアプローチですが、ある程度効率的なアプローチが求められます。個別ではなくある程度集団的な対応になります。具体的には、電話やメールでの対応、トレーニングプログラムの設置、ワークショップやイベントの開催などがあげられます。
テックタッチでは、人の手を介さないサポートも含めたより効率的なアプローチが必要になります。テクノロジーを使うことでより広範囲に対応していきます。具体的には、操作ガイドや動画での対応、サービスへのチュートリアルの提供、アップデート情報などのメールサポートなどがあげられます。
ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチは、“最高の顧客対応”を、テクノロジーと階層化を導入することでそれぞれの3つの層に効果的にアプローチを可能にしています。
カスタマーサクセスを目指すのであれば、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチを使い分けていくことが不可欠と言われています。そして、この3つの層へのアプローチを正しく行うことは解約(チャーン)レートの改善にもつながることになります。
これまで述べたヘルススコア、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチ、3つの層へのアプローチは、行動のデータと呼ばれています。
そして、これから述べる概念は、感情のデータと呼ばれています。この感情のデータがチャーンレートを改善する最大の鍵となると考えております。
その最大の鍵とは?CX(顧客体験、Customer Experience)と呼ばれるもの。
では、CX(顧客体験、Customer Experience)がなぜ重要なのか考えてみましょう。
3)CX(顧客体験、Customer Experience)とは情緒的な観点で
CX(顧客体験、Customer Experience)とは、顧客が最初に商品やサービスに興味を持った段階から、その商品に対して、調査・検討を経て、結論として購入、使用し、購入後のアフターサポートに至るまでの、顧客が商品に接する流れのなかのすべての体験を指します。
CX(顧客体験)は、商品やサービスの「価格」や「機能性」といった物理的な価値だけではなく、それらを通して得られる「満足感」や「喜び」というような感情や経験の価値も含めた概念です。
とくに顧客が「もう一度来たい」「また買いたい」と思えるような満足感のある経験が得られたのか、という点が重要視されています。
そうしたことから商品や企業のファンを作り継続的なリピーターを生み出し、チャーンレートを減らしていくことに繋がっていく最強の心理的価値を作っていきます。
さらには、CX(顧客体験)を推進していくためには、顧客にとって価値ある体験とはなにか、商品やサービスに関わる全員が突き詰めていくことが必要とされます。
顧客を知って、顧客の目線の体験作りを目指すということは何か?
「顧客のため」に何ができるか?どんな仕事をすることで顧客満足度を高めることができるのか?といった課題を組織一丸となって取り組むことにつながります。
こうしたCX(顧客体験)を推進していくことにより、自分の仕事がより良いCXにつながると実感することができたら、一人一人の仕事に向き合うモチベーションにも繋がり、自然と組織全体のモチベーションも高まっていくでしょう。
CX(顧客体験)を高めることは、顧客のみならず従業員との関係も高めていきます。
チャーンレートを減らし企業のファンを作り、更には従業員のモチベーションも改善されていくCX(顧客体験)は、ビジネスの安定と拡大において、これからますます必要とされていくことでしょう。
顧客体験(CX)、NPSに
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