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ブリヂストンスポーツ株式会社
商品企画本部 販売促進部
堀井大輔様
<池田>
まずは堀井様の社内での役割を教えていただけますか。
<堀井様>
販売促進部の部長をしております。いわゆる商品全般の宣伝をしている部署です。
弊社ではゴルフボールはとても好調なのですが、クラブは苦戦している状況です。業界の動きとして、2000年代初頭までは国内メーカーが強かったのですが、後半になってから海外ブランドが台頭してきました。おそらくスマホやSNSが一般化したことで、海外スポーツの情報が手軽に入るようになり、価格の安さやスタイリッシュなイメージが後押しして一気にシェアを伸ばした形です。別のスポーツでも同じような現象は起きているのではないでしょうか。
そのため市場では、どうやって国内ブランドをもう一度盛り上げるかという動きが起きております。弊社も例外ではありません。
<池田>
そういった市場背景があったのですね。
<堀井様>
そうですね。ブランド再興のためにさまざまな施策を打つ中で、NPSを始めたのが2020年です。当時の上長が本を読んで取り入れたいという意向があり、まずは当時つながりがあった調査会社で実施してみました。ただとった結果をどう分析して活用すれば良いかがいまいち掴めなかったんです。その調査会社もレポートは出してくれたのですが、それをどう読みといて、どういう戦略に落とすかの提言がなかったため、施策に落とし込むことができなかった。そこで分析パートナーを探す中で、トータルエンゲージメントグループのウェブセミナーに参加をしたことがお取引のきっかけです。
<池田>
最終的にお取引を始めたのはどのような要素が大きかったのでしょうか。
<堀井様>
セミナーに参加して、アウトプットの例を見せていただきました。それがとても踏み込んだ内容で、自社が求めていた施策につながる提言をいただけるイメージが沸きました。いわゆる数値的な部分だけを扱うシンクタンクとは違い、TEGは現場に近い提案をもらえる印象でした。データを活用して施策が現場に生かされて回っていくイメージがとても持てました。
<池田>
そのような期待値で取引を始めていただき、ご満足度はいかがでしょうか
<堀井様>
実際にお取引を始めてからは、業界をしっかりと知っていただき、現場を実際に見ていただくなど理解を深めていただきました。自社が向かっている方針を理解した上で、お互い議論しながら進めさせていただいております。リサーチャーとしての専門性は当然ながらとても高いので、客観的に見る目と、現場感に合わせて提案してくださるアナログの温かみの両面を持った上で並走いただけるので、パートナーとしてとても心強いです。
<池田>
ワンチームとしてパートナー的な関係を築けているのですね。ありがとうございます。具体的な取り組みを教えていただけませんでしょうか。
<堀井様>
まずはリレーション調査を行いました。実は2020年から中期戦略でブランドの見直し、商品構成の見直し、売り方の見直しを図っていたのですが、その方向性が間違っていなかったという後押しになるような調査結果がとれました。
例えば、国内ブランドとして海外ブランドにどう対応していくかという中で、自社の強みであるフィッティングノウハウを生かした「ゴルファーズドック」というサービスを始めていました。
30分ほど受講いただいて、その方にあったクラブをご提案するサービスなのですが、それを受けた方と受けない方のNPSで大きな差が出たんです。受講者は非常に数値が高かった。この施策は社内でもどこまで効果が出るのか半信半疑な部分もありました。認知度もなく、受講いただける数も限られる。かつ過去に同じような施策を打って解体された経緯もありました。それがNPSで数値化されたことで、社内でもこの施策に自信を持って、ブーストをかけていこうという後押しになりました。これを推進していけば会社に良いサイクルが生み出せるという道筋が見えたんです。
<池田>
社内での重点施策の意思決定材料として効果的だったのですね。
<堀井様>
そうですね。さらにゴルファーズドックの強みを伸ばしていくために、受けた方へのトランザクション調査を実施し、そこから見えた課題の改善策を講じるという「ファクトベースドワークショップ」を実施することで、より改善を図っていきました。
ゴルファーズドックの満足度は継続的に高く、受講したお客様のリピートや紹介など、確実に広がりを見せています。また直接的な因果関係が見えづらい部分はありますが、着実に市場における自社商品のシェアも伸びてきています。
私としては、海外ブランドに対応するために、自社の強みを生かした施策としてゴルファーズドックは一つのカギになると考えていました。会社の意思決定の後押しが出来たことと、今の成功につながった要因としも、間違いなくNPS調査の分析結果は大きな影響がありました。
<池田>
堀井様としては、今後の展開はどのように考えられていますか。
<堀井様>
自社のフィッティングという武器をより活用していきたいと考えております。現状のフィッターがついて実施するスタイルですと、どうしても提供できる数が限られてしまうので、昨年リリースしたGolfer’s Dock Ball & Clubアプリなど、デジタルの力を使いながらお客様一人一人のニーズに、お答えしていく形を広げていきたいと考えています。その時にはアプリ使用者向けのNPSなど活用にも広がりが出てくる可能性がありますので、TEGには引き続きパートナーとして伴走いただければと考えております。
<池田>
これからゴルファーの体験が変わっていくことは、スポーツ好きな自分にとっても大変興味深いです。本日はありがとうございました。