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    ミドルウッドのNPS導入と顧客満足度向上への道

    Interview

    株式会社ミドルウッド

    コスト管理部
    高見 光昭

    <高見様>
    コスト管理部の部長をしております。社内のコスト全体を管轄しておりますが、今回の取り組みにおいてのフォーカスは人件費です。サービス業は人の出入りが激しい中で、いかに従業員のやりがいを作るかが大事だと考えております。入社する方は接客が好きで「お客様に喜んでもらいたい」という方が多いので、やりがい向上と、お客様へのサービス向上は非常に密接に関わっていると考えております。

     

    <池田>
    なるほど。そういった流れの中でNPSの取り組みを始められたのですね。

     

    NPS導入の経緯

    <高見様>
    そうですね。始めたのは昨年からとなります。お客様からの満足度を見える化することで、従業員のモチベーション向上に繋げたいと考えた中で、社長がアメリカでビジネスをやっていた際にNPSを活用していた経緯があり、取り入れる流れとなりました。
    せっかくやるのであれば洗練してやりたい。そのために外部の知見を取り入れたいと思っていたところに、懇意にしている取引先からトータルエンゲージメントグループの池田社長をご紹介いただきました。
    社長同席の元で初めてお話をさせていただいた際に、プレゼンテーションがとてもわかりやすく、その場でお願いすることを決めました。

    ミドルウッドの様々な施設

    ファクトベースドワークショップの実施

    <池田>
    具体的にどのような取り組みをされたのでしょうか。

     

    <高見様>
    まずは2館をピックアップして、調査・分析結果を元に改善活動を行う「ファクトベースドワークショップ」を実施しました。
    実際に導入した米沢のホテルの支配人の小林がおりますので、詳細は小林からお話しさせていただきます。

     

    米沢ホテルの具体的な改善事例

    <小林様>
    米沢はとても歴史あるホテルで、建物の経年劣化が進んでいるところがありました。特にお客様から「お風呂が狭くて使い勝手が悪い」という声を以前からいただいていたのですが、今回のワークショップでも同様の声が多々集まりました。以前から大浴場を作ることを検討していたのですが、コロナ禍でもあり、なかなか意思決定ができませんでした。しかし、今回、お客様の要望が明確に可視化されたことで、大浴場を作る意思決定をしました。それを機に、アンケートやサイトでの評価も上がってきており、お客様から直接喜びの声をいただくこともありました。
    また、個室の浴室も5部屋を先んじてバスルームを改装したところ、その部屋に宿泊したお客様からの数字が明確に高く、改めて宿泊における浴室の重要性を実感いたしました。

    米沢ホテルモントビュー

    米沢ホテルモントビュー

     

    <池田>
    調査結果が後押しとなりチャレンジしたことで、満足度の飛躍につながったのですね。

    <小林様>

    そうですね。改善活動と調査を繰り返すことで、実施した取り組みがお客様満足につながっているかを検証できることがとても大きいと感じています。サービス向上はホテルにおいて基本中の基本です。ホテルは流行文化なので、いかにお客様の声を中心にPDCAを回していくのか、そのサイクルを日常業務にどう組み込むかが肝となります。NPS調査を導入することで、現場にその文化を取り入れられたと実感しております。実施した取り組みに対して、お客様の声でフィードバックが取れるようになったので、自信を持って改善活動に取り組めるようになりました。

     

    <池田>

    現場がみずから改善する文化が作れたのですね。今後はどのようにお考えですか

     

    <小林様>

    コロナも落ち着いて海外からのお客様や季節イベントによる観光のお客様が増えております。ですから、この文化はたやさず継続していきたいと考えております。年に数回、強化期間のようなものを設けて、メリハリをつけて実施する形で継続していきたいです。

     

    <高見様>

    本社から見ていても、米沢は稼働率も上がり、非常に良い事例になったと思います。その成功を受けて新たに2館を追加し、今後は4館で改善活動を繰り返していきます。

     

    <池田>

    すでに2館での追加が決まったのですね。高見様としては、今後はどのようにしていきたいですか。

     

    <高見様>

    私はホテル業界自体を盛り上げていきたいと考えております。ホテルの働き手不足は深刻です。しかし、本来は人から褒められたり評価を受けるという非常に素晴らしい仕事であり、そういったことが好きな方の絶対数が減っているわけではないと思っています。つまり、ホテル側がそういった喜びを従業員に実感してもらえる機会を作れていないと考えています。NPSでお客様の声を届け、それを元に改善を繰り返していくサイクルを作ることで、ホテルで働く喜びを実感いただき、ホテル業界で長く働く人を増やしていきたいと考えております。

    その先駆けとして、私たちのホテルが模範を示せればと考えております。アンケートに回答いただける方は10%程かもしれませんが、その10%の声を聞き続けて改善を繰り返していくことが、大きな違いを生み出すと確信しております。

     

    <池田>

    業界全体を見据えて取り組みを推進されていらっしゃるのですね。本日はありがとうございました。

    タグ:

    FACT based WorkShop、宿泊、現場の活性化

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