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    2017.11.07 ロイヤルティ
    売るためにはわかりやすい説明が必要 ~専門用語を使わないトップ販売員の事例

    photo by Alan O’Rourke?

    以前、お客様は専門用語をほとんど知らない可能性があるという記事を書きました。スラックスという言葉さえ知らない人が珍しくないのが実情だという内容です。覚えておられますか?

    それに対応して着実に売れている事例もあります。今回はその事例を紹介したいと思います。

    平均の4倍売る販売員の接客術とは?

    これは少し前の日経スタイルで紹介されたユナイテッドアローズの販売員の事例です。

    引用しつつ、一緒に考えてみたいと思います。

    ユナイテッドアローズの中価格帯ブランド「グリーンレーベルリラクシング(以下GLR)」の販売員の秋山さんは、自社内平均額の4倍近くも販売しているとのこと。この記事で特に目を引いたのが以下の部分です。

    ◆接客で「○○は使わない」 ユナイテッドアローズのエース、断トツで売れる理由
    https://style.nikkei.com/article/DGXKZO16459090W7A510C1XX0001

    ?「ネクタイなどとの組み合わせの知識に「数字やカタカナをなるべく使わない」接客術を加えて、初めて店に来た段階から客を引き付ける」

    売るためにはまず分かりやすく伝えることを心がける。横文字の専門用語は極力使わない。「ラペル」は「ジャケットの胸の襟」、「テーラードジャケット」は「かっちりとした上着」と言う

    「太ももや腹回りはどれぐらいの余裕が必要かな?」と問われたら、単純に「何センチメートル」ではなく、生地を指でつまんだり腹回りに手を入れたりして「これくらいですかね」とジェスチャーを交えて示す。客は実際に着た時の感覚をつかめる。

    とのことで、販売員ならずともアパレル業界人なら日常的に普通に使っている「ラペル」や「テーラードジャケット」といった言葉すら使わないことを心がけているところに工夫が見られます。また、何センチという数値を使わずに、お客にサイズを体感させる工夫もされています。

    手前味噌ですが、少し自分の体験も紹介してみます。我慢してお付き合いください。僕は、大学卒業後、3年くらい販売員の仕事をしていました。その経歴もあり、4年ほど前からポップアップショップや路面店の販売の助っ人をするようになりました。就職した会社もスーパーマーケットの子会社の洋服販売チェーン店でしたし、今、手伝う店もともに低価格店です。高級店や有名店に比べるとはるかに庶民的なお客ばかりです。こういうお客は本当に洋服の専門用語も知りませんし、それこそ、記事の通りにサイズ表記すら知りません。ときどき、唖然とするような質問を投げかけられます。

    ですから、極力、専門用語は使わないようにしていますが、サイズの大きさはついつい数値で答えてしまいます。そちらの方が分かりやすいと思うのですが、実はそうではないようです。

     

    お客さまに伝わる言葉の例

    最先端バリバリの販売員の方からすると呆れられると思いますが、僕は、売り場では「パンツ」と呼ばずに「ズボン」と呼んでいます。語感からするとダサいことは承知していますが、自分のサイズすら知らないお客には「ズボン」と呼ぶ方が分かりやすいのです。「パンツ」が正式な英語名称かもしれませんが、それだと、下着のパンツと区別のできないお客が多いのです。

    伝わりやすい言葉をいくつか挙げてみます。「タンクトップ」より「袖なし」、「クルーネック」より「丸首」、「ショートスリーブ」より「半袖」、「ショートパンツ」より「半ズボン」といった具合です。さすがに「チョッキ」「トックリ」「衣文かけ」などの言葉は使いませんが。

    また、驚かされたことに多くの人は「サイズ」さえ理解していないのです。以前にこんな質問をされたことがあり返答に困りました。

    「Mサイズってどれくらいの大きさ?」

    ?ベテラン販売員のみなさんならどうこたえられますか? 恥ずかしながら僕は「中くらい・・・?(震え声)」とこたえるのが精いっぱいでした。また「9号サイズって何?」とか「MサイズとLサイズはどちらが大きいの?」とかいう質問も珍しくなく、それがまた50代・60代の女性から尋ねられる場合が多く、いつも「この人たちは何十年間もどうやって服を買って、着てきたのか?」との疑問を抱いてしまいます。

    また、少し違いますがどう見てもベテラン主婦なのに「洗濯すると色落ちしますか?」とか「この生地は洗濯できますか?」と尋ねる人もいます。天然繊維は基本的に洗濯をすると必ず色落ちします。1度や2度ならほとんどわかりませんが、何度も洗濯を繰り返すと確実に色落ちして薄くなります。このことは避けられません。洗濯での色落ちの原因の一つに他の洗濯物との摩擦というものが挙げられますから、ネットに入れて洗濯をすると摩擦は減り色落ちが緩和されやすくなります。こんなことくらいは主婦なら常識ではないかと思うのですが、50代・60代の主婦が尋ねてくると驚いてしまいます。

    洗濯できるかどうかも、ポリエステルやナイロンが主体の生地なら確実にできます。天然繊維(綿、麻、シルク、ウール)だと洗濯によるねじれや縮みが生じる可能性はありますが、ポリエステルやナイロンはそれらよりはるかに耐久性が高いので特殊なもの以外はもっとも気軽に乱雑に洗濯できます。これくらいのことも常識ではないかと思っていたのですがどうやら違うようです。

     

    「洋服を売る」ための説明を心がけよう

    有名店や高級店なら客層は別かもしれませんが、日本の場合、使用する店が社会階層で厳密に分かれていませんので、高級店にも大衆が行きますし、低価格店にも富裕層が行きます。さらにいえば、何らかの記念日(誕生日や結婚記念日)には奮発して大衆層が有名店や高級店で買い物をすることも珍しくありません。こういう状況があり得るだけに、有名店や高級店でも心がけておく必要があるのではないかと思います。

    とかく、恰好を付けがちな衣料品業界ですが、わけのわからないカタカナを並べ立て、それにお客が感心するような時代ではもはやなくなっています。「洋服が売れない」と嘆くよりも、「洋服を売る」ためにはどうすればよいのかを考えなくてはなりません。わかりにくいカタカナ・専門用語を極力排除して平易に説明することもその一つの方策といえるのではないでしょうか?

    SHAR

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