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NPS導入事例  
PROPORTION BODY DRESSING

トータル・エンゲージメント・グループのサービス導入ケーススタディ

PROPORTION BODY DRESSNGでは 
お買い物されたお客様の
約25%から回答を頂いてます。

PROPORTION BODY DRESSNGでは 
お買い物されたお客様の
約25%から回答を頂いてます。


株式会社TSIホールディングスでは2015年から
顧客ロイヤルティ指標NPS(Net Promoter Score)を同グループの店舗運営に導入し、
難しいとされてきた小売現場の接客品質の可視化と継続的な改善に大きな成果を上げています。

中でもPROPORTION BODY DRESSING (TSIグループの株式会社サンエー・ビーディーが運営するアパレルブランド)では
全店舗のレジ通過顧客の約25%がNPSアンケートに回答するという 驚異的なデータ収集を実現しています。

サンエー・ビーディーについて

株式会社サンエー・ビーディーは、東証一部上場のTSIホールディングスグループ傘下で衣料品の企画・製造・販売などを主たる業務とする企業。2014年、サンエー・インターナショナルの会社分割により設立。NATURAL BEAUTY BASIC、N.Natural Beauty Basic*、PROPORTION BODY DRESSING、& by P&D、JILL by JILLSTUART、Free'sMartなどのブランドを展開しています。年商328億3200万円 (2017年2月期)、従業員数 1,085名(2017年3月1日現在)。

NPSの本来の意味の理解が大切

─PROPORTION BODY DRESSINGでは、レジ通過客に対するお客様からの回答率がブランド全体平均で約25%という高い値を出しているとお聞きしています。その理由は何だと考えますか。

 NPSの活動の"本来の意味"の理解に努めたことです。
わたくしたちも最初から理解していたわけではなく、PDCAを2回、3回と回していく中で、私たちにとって必要な取り組みなんだと気付きました。
「お客様の生の声をこんな形で伺える機会はほかにない」これはチャンスだと。

現場のメンバー全員が「この取り組みはわたしたちに必要なことなんだ」という確信を持ってNPSの取り組みを実施してきたことが、結果的にこの集票率につながったのだと考えています。

NPSのPDCAサイクル

─具体的にNPSを使った接客改善の取り組みを実施した時期と回数を教えてください。

最初の実施は2015年の12月でした。
お買い物して頂いたお客様にフライヤーをお渡ししてアンケート回答をお願いするという取り組みを1ヶ月程度実施します。
その後集まったデータを集計分析し、「ワークショップ」と呼ばれる店舗でのミーティングを開催して全員で気づきを共有し、今後の行動改善プランを立てます。
そしてそれを実行できているか、お客様の数字として表出しているかを確認します。
こうした一連のPDCAを約半年に1回くらいのスパンで実施し、これまで4回繰り返してきました。

【 1 】NPSの本質はサービス改善の取り組み

当初、NPSの取組みと顧客指標の可視化の取り組みが同時に進められたために混同されていたこともあって、NPSは数字を追いかけるプロジェクトだと思い込んでしまっていました。

しかし繰り返して取り組みを進めるうちに、NPSの取り組みはお客様にフィードバックをもらってサービス向上のポイントを知る施策であること、それらは店舗のサービス目標(店舗政策)と一緒に推進していかなければ活かされないことを理解していきました。

本質的にこれまで自分たちが追求してきたことと同じことだ、と気づいてからは一気に理解浸透が加速しました。

【 2 】店長会・サブ会でNPSの勉強会を実施

毎月1回開催される「NPS共有会」での一コマ。
サンエービーディーのブランドが集まって優良事例(ベストプラクティス)の共有をしている。


2回の取り組みでスタッフ全員に理解が浸透したかといえば、そうではありませんでした。
しかし理解が進んだ店長やサブ店長の中に「NPSはお店にとって必要なこと」という気持ちが芽生えているのを感じました。
そこで、店長会やサブ店長会でNPSを学習し理解するカリキュラムの時間を設けることにしました。

大事なのは本部と店舗との間で温度差が出ないようにすること。
お客様に応対しアンケートカードを渡すのは店舗スタッフですから、本部が何を言おうが、店舗スタッフのみんなが本当に必要だと思わない限り動いてもらえません。

店長・サブ店長の理解度を高め、そこから店舗の販売スタッフに波及させようと考えたのです。さらに、全店で好事例を共有して、それを店長・サブ店長が自分の店舗に持ち帰って実践できるよう段取りしました。

「NPSの取り組みはチャンス」

─素晴らしい進化ですね。2016年11月実施の3回目はどうなりましたか。

1回目、2回目で得られた課題を実施に結びつけられたのが3回目でした。
スーパーバイザー、店長、サブ店長それぞれのNPSに対する理解が共通化し、ようやくPDCAサイクルを回すことができるようになりました。

【 3 】アンケートのインセンティブ施策

アンケートに回答いただいたお客様に次回のお買い物で使える10%OFFクーポンを付けました。回答のインセンティブを付与したことで、販売スタッフからお客様への案内がそれまで以上にしやすくなりました。
アンケートカードの配布枚数が増え、たくさんの回答をいただけたのですが、事後のクーポンの利用率は約10%と、予想外の低さでした。

「ブランドが好き」「ブランドに興味がある」とお答えいただいているお客様が多かったことを考えると、回答のキッカケとしてインセンティブが機能している一方で、必ずしもインセンティブ欲しさでの回答ではなかった、と言えると思います。
これはブランドとして良い傾向だと解釈しています。

【 4 】好事例の共有と実践

カードをお渡ししてアンケート回答依頼をするトークの好事例共有を積極的に行いました。
お客様の結果やアクションが変わったと思うお声がけトークを各店が持ち寄って共有し、よりよいと思われるものを各店で実施。さらにスーパーバイザーがタイムリーに情報を吸い上げ、その結果を共有する、という手順です。

たとえばアンケートカードを渡すときにはお客様の立場になってワクワクするトークにしてお渡しするのが大切、といった考え方なども共有されました。
「回答して頂くと10%オフのクーポンがもらえます」とお伝えするだけでなく「新作入荷のタイミングで10%オフになるチャンスです!」と付け加えるほうがワクワクします。

次第にお渡しする時のトーク内容の工夫だけでなく、お声がけのタイミングや回答の場所の提案なども共有されるようになりました。
「会計時だけでなく、フィッティング待ちの時間もお声がけできる」、「店内でご回答頂く場合、カウンター前よりはちょっと離れた場所の椅子にご案内するとよい」「回答開始ページまで開いて、お帰りの電車でご回答くださいとお声がけするとよい」といった具体的な好事例共有が行われました。

【 5 】お客様のお声が伺いたい、としっかり伝える

NPSはお客様に「今日の接客を通じての当店のオススメ度」を伺うアンケートです。
「アンケートにご回答ください」とお願いすることもできますが、「わたしたちはお客様のお声をお聞きしたいのです」としっかり伝えるようにしました。

お客様の声を直接お伺いすることができる「これはチャンスだ!」と言い切ってスタッフに伝えました。わたしたち接客スタッフについてどう感じたかを教えていただけるのです。

回答をお願いするときにフォローする言葉を添え、お客様の回答の精度を高めることにも気を配るようになりました。

4回目、様々な取り組みが集票率につながった

─2017年6月に実施された4回目はいかがでしょうか。リアルタイムでNPSの集計ができる弊社Webサービス「QS4Engage」をご利用いただきました。

4回目は、アルバイトやパートを含む販売スタッフからも手応えを感じたと声が上がるようになってきました。
「お客様の声をもとにサービス向上に取り組むことがお客様満足につながる」という取り組みの意図が、多くの販売スタッフに伝わったと感じる回でした。

【 6 】お客様の気持ちになって伝える

まず回答の精度を高めるため「お店や空間、サービスのお勧め度をお答えください」と、アンケートの設問意図を具体的に伝えてカードを渡すようにしました。

また、来店頻度が高いお客様には「匿名アンケートなので、どなたの声かはわからないようになっています。感じられるままにお答えください」など、お客様の不安を払拭するような言葉を添えて伝えるようにしました。

【 7 】好事例の店舗を共有

3回目の取り組みで、ブランド内の大型店舗が高い集票率をマークしました。
4回目の取り組みはその店舗の接客方法やお声掛けの方法を好事例として共有し、全店舗で実施するようにしました。
こうした事例の共有によって、同じ規模の大型店舗では良い意味での競争意識も働くようになり、より切磋琢磨し合うようになったと思います。

【 8 】取り組みにメリハリを付ける

NPSの取り組みをしている期間中は毎週、各店に情報共有のインフォメーションを送っています。 好事例の共有からスタートして、後半にその週ごとの取り組みのポイントを伝えます。

例えば、開始すぐは「検証に必要な数(各店舗とも、最低35票が集票目標)を得るため集票率にこだわろう」、ある程度目標の集票ができた状態になったら「回答の内容にこだわって、お客様にたくさんのコメントを書いていただけるよう案内しよう」といった内容です。

PROPORTION BODY DRESSINGのスーパーバイザーのみなさん。


PROPORTION BODY DRESSING横浜ジョイナス店のスタッフのみなさん。

販売スタッフの頑張りをしっかり評価する

─施策を企画しても、現場が実行できるとは限りません。多くの小売店が悩むポイントです。
お話を伺っていると、PROPORTION BODY DRESSINGは本部と現場の歯車ががっちりと噛み合ってるように感じられます。なにか工夫されている点があるのでしょうか。

わたしからスーパーバイザーへ、スーパーバイザーから店長・サブ店長へ、店長・サブ店長から各店舗の販売スタッフへ、"しっかり伝わっているかどうかの確認"を繰り返しています。
本人が伝えたつもりになっていても、相手に伝わっていないことは多いもの。

例えば、「これを伝えて」と指示するだけでなく、「いまの内容を部下に伝える時、どういう風に言うの?」と、その子が部下に伝えるシーンをロープレしてもらって伝え方を確認し、OKが出るまでやり直してもらいます。

また、時々はその伝達の受け手となる人たちに直接「○○○って、どういうことか私に説明してください」と理解のレベルを確認し、伝わっていない場合は伝わるまで伝えてもらいます。

このとき重要なのは、こまかく承認(※注「それでよい」というメッセージを出すこと)してあげることです。少しのことでも正しく評価することができれば、店長・サブ店長も自分の店舗の販売スタッフを評価し褒める好循環につながっていくと考えられます。
スーパーバイザーができるのはタネをまく仕事。芽を出させて育てるのは店長・サブなのです。この流れだけは崩さないように心がけました。

レジ通過してくれたお客様の25%がアンケート回答する、という数字は、それを単純に追いかけたわけではなくて、こうした様々な活動の結果として出て来たものです。
そしていただいた「チャンス」をどう受け止めるかでこの先の活かし方も変わってくると思います。

NPSの取り組みの本質的な理解の浸透をゴールに、誰に、何を伝えるか、何を聞くか、が大切だと木下氏。


─今後、この活動に期待することがあればお願いします。

「大好きなPROPORTION BODY DRESSINGのファンをもっと増やしていきたい」これが個人的に思うところです。
そのためにはブランド発信だけでなく、お客様から求められていることを知ることも大事だと、NPSの取り組みを通じて改めて実感しました。

─本日はお忙しいなか、ありがとうございました。

※ 株式会社株式会社サンエー・ビーディー web 
※ 取材日時 2017年8月
※ 記事制作協力:カスタマワイズ